2006年01月31日

ミシガン州下院議員のID理論授業へのせこい試み

ミシガン州デトロイトのDetroit Free Pressの2006年1月28日の記事「A CHALLENGE TO EVOLUTION: Bill may stir Darwin issue(進化論への挑戦: 法案はダーウィン問題をかきまわす)」およびAssociated Press配信記事「Curriculum proposal could spark debate over intelligent design(カリキュラム提案はインテリジェントデザイン論争を引き起こす)」(Everything Michigan掲載)が、ミシガン州下院議員のせこい試みを報じている、

R-Romeo選出の州下院議員で、州下院教育委員長であるBrian Palmer(共和党)は新しい高校カリキュラム法案を提案した(共和党のリリース)。この法案HOUSE BILL No.5606(全文)の中に
(vii) The course content expectations for science shall include using the scientific method to critically evaluate scientific theories and using relevant scientific data to assess the validity of those theories and formulate arguments for and against those theories.

理科の授業内容には科学理論を批判的に評価する科学的方法を使い、これらの理論の有効性を評価するために関連した科学的データを使い、これらの理論に対して支持および反対する議論を構成することが含まれなければならない。

という一文をこそっと入れた。この文言は「進化論」対策以外で使うとは思えない。

しかし、提案者本人はインテリジェントデザインには関係ないと言っている:
Bill sponsor Rep. Brian Palmer, R-Romeo, said he had no intent to insert the intelligent design issue into the bill introduced earlier this week.
"That's almost humorous. I think some people like to see a bogeyman," said Palmer, who chairs the House Education Committee.

法案の提案者R-Romeo選出のBrian Palmer州下院議員は今週初めに提案した法案に、イテリジェントデザイン問題を含める意図はないと言った。
「ほとんどユーモラスだ。人々の中にはお化けを見るのが好きな人がいるようだ。」
(Detroit Free Press)


これに対して、教職員組合とカリキュラム責任者は:
"We don't want this bill to be used for any other agenda," said Margaret Trimer Hartley, spokeswoman for the Michigan Education Association, the state's largest teacher's union. "We don't need to further complicate the process by bringing in the argument of intelligent design or any other battle over specific curriculum."

州最大の教職員組合であるMichigan Education AssociationのスポークスウーマンMargaret Trimer Hartleyは「いかなる課題に対してもこの法案が使われることは望まない。インテリジェントデザインについての議論やその他の論争を特定のカリキュラムに持ち込んで、プロセスを複雑にする必要はない。」

Mike Barlow, director of curriculum for the Hazel Park school district, said the language in Palmer's bill could be volatile.
"It's one of those issues that is certainly going to divide people and opinions are going to cleave across very predictable lines," Barlow said.

Hazel Park校区のカリキュラム責任者であるMike BarlowはPalmerの法案の条文が爆発しやすいものだと言う。「それらの問題のひとつは人々を確かに分割し、意見は予想された線に沿って割れそうだ。」(Detroit Free Press)


2005年12月20日のインテリジェントデザインを教育することを禁止する判決(エントリ)が出ている。さらに、創造論の授業を"インテリジェントデザイン"という名称で哲学の授業として行おうとしたカリフォルニア州Frazier Mountain高校も、授業を中止している。

それらに対応して、"インテリジェントデザイン"や"進化論"という単語も消して、チャレンジしようとしているBrian Palmer州下院議員。このセコイ試みが成功するかどうかは、まだわからない。
posted by Kumicit at 01/31 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | News

2006年01月30日

ケンタッキー州フレッチャー知事はID理論を教えるべきと発言し..

2006年1月9日にケンタッキー州フレッチャー知事は長い演説の終わりがけに、ちょろっとだけインテリジェントデザインを教えるべきだと発言した。しかし、議会は冷静、科学者は反発、特に支持の声なし。

ケンタッキー州Danvilleの牧師さんたちは、インテリジェントデザインが創造論の別名だと思っている程度にしか知らない。そして、インテリジェントデザインは公立学校で何らかの形で提示されるべきだが、それを強制したり、進化論の代わりに教えるべきだとは考えていないと言っている。



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posted by Kumicit at 01/30 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | News

2006年01月29日

やっぱりインテリジェントデザインが嫌いなAnswers in Genesis

"若い地球の創造論"のもっともアクティブなサイトAnswers in Genesis (AiG)は、反進化論という点で同盟者たりうると表向き言っている。しかし、実際は敵とみなしているようでもある。

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posted by Kumicit at 01/29 00:01 | Comment(0) | TrackBack(1) | ID: General

2006年01月28日

英国でもインテリジェントデザインや創造論が強い

英国でも進化論を選ぶのは半数

BBCが2006年1月26日に放映した"Horizon: A War on Science"(BBC news)によれば、
The survey was conducted by Ipsos MORI for the BBC's Horizon series.
この世論調査はBBCの番組Horizonのために Ipsos Moriによって行われた。

Its latest programme, A War on Science, looks into the attempt to introduce ID into science classes in the US.
最新の回 "科学における戦争"は、米国におけるインテリジェントデザインを理科の授業に持ちこもうとする動きを紹介するものであった。

Over 2,000 participants took part in the survey, and were asked what best described their view of the origin and development of life:
2000名以上を対象に、生命の起源と進化についての見方を調査した:

  • 22% chose creationism (創造論)
  • 17% opted for intelligent design (インテリジェントデザイン)
  • 48% selected evolution theory (進化論)
  • and the rest did not know. (わからない)


...

When given a choice of three descriptions for the development of life on Earth, people were asked which one or ones they would like to see taught in science lessons in British schools:
地球の生命の起源と進化について3つの説明があるとき、英国の学校の理科の授業で教えられるべきもは何か:

  • 44% said creationism should be included (創造論を入れるべき)
  • 41% intelligent design (インテリジェントデザイン)
  • 69% wanted evolution as part of the science curriculum. (進化論が必要)

Participants over 55 were less likely to choose evolution over other groups.
55%以上が、他のものよりも進化論を選ぼうとはしなかった。

....

The findings prompted surprise from the scientific community. Lord Martin Rees, President of the Royal Society, said: "It is surprising that many should still be sceptical of Darwinian evolution. Darwin proposed his theory nearly 150 years ago, and it is now supported by an immense weight of evidence.
"We are, however, fortunate compared to the US in that no major segment of UK religious or cultural life opposes the inclusion of evolution in the school science curriculum."

この調査結果は、科学界に衝撃を与えた。王立協会理事長であるMartin Rees卿は次のように述べた「ダーウィンの進化論に多くの人々が懐疑的であることに驚かされる。ダーウィンが彼の理論を150年以上前に提案し、現在では、莫大な証拠で支持されている。
しかしながら、米国と違って、英国では理科教育に進化論を含めることに反対する有力な宗教あるいは文化がないことが幸運だ。」


追記 2006/01/28 17:50 ...
posted by Kumicit at 01/28 11:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | News

2006年01月27日

簡単にインテリジェントデザインを語ってみる

とりあえずキーワード3つでインテリジェントデザイン

  1. 創造論から進化論への連続性
  2. "God of the gaps"論としてのインテリジェントデザイン
  3. 経験的に検出可能
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posted by Kumicit at 01/27 12:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction

2006年01月26日

聖書に恐竜の記述はある vs ない ....

若い地球の創造論では聖書に恐竜の記述がある
聖書の字義通りの解釈を採る若い地球の創造論では、もはや否定できない恐竜の存在も聖書に書くれていなければならない。Dinosaurs and the Bible)ほとんどムーな解釈に走るKen Hamである。"へそのないアダム"は当時の観光名所と書くような人なので、まあこんなもの。

該当箇所の英文版聖書は
Behold now behemoth, which I made with thee; he eateth grass as an ox. Lo now, his strength is in his loins, and his force is in the navel of his belly. He moveth his tail like a cedar: the sinews of his stones are wrapped together. His bones are as strong pieces of brass; his bones are like bars of iron. He is the chief of the ways of God: he that made him can make his sword to approach unto him. Surely the mountains bring him forth food, where all the beasts of the field play. He lieth under the shady trees, in the covert of the reed, and fens. The shady trees cover him with their shadow; the willows of the brook compass him about. Behold, he drinketh up a river, and hasteth not: he trusteth that he can draw up Jordan into his mouth. He taketh it with his eyes: his nose pierceth through snares.
(King James Version -- Job 40:15〜24)

見よ、ベヘモットを。お前を造ったわたしはこの獣をも造った。これは牛のように草を食べる。見よ、腰の力と腹筋の勢いを。尾は杉の枝のようにたわみ/腿の筋は固く絡み合っている。骨は青銅の管/骨組みは鋼鉄の棒を組み合わせたようだ。これこそ神の傑作/造り主をおいて剣をそれに突きつける者はない。山々は彼に食べ物を与える。野のすべての獣は彼に戯れる。彼がそてつの木の下や/浅瀬の葦の茂みに伏せるとそてつの影は彼を覆い/川辺の柳は彼を包む。川が押し流そうとしても、彼は動じない。ヨルダンが口に流れ込んでも、ひるまない。まともに捕えたり/罠にかけてその鼻を貫きうるものがあろうか。
(http://www.bible.or.jp/vers_search/vers_search.cgi)

ちなみに、Bible in Basic Englishでは
See now the Great Beast, whom I made, even as I made you; he takes grass for food, like the ox.
http://www.o-bible.com/cgibin/ob.cgi?version=bbe&book=job&chapter=40
と親しみのあるべヒーモスの名は消されている。また、この続きにリヴァイアサン(バビロニアなどではティアマトと呼ばれていたものを改称)が出てくる。

古い地球の創造論では聖書に恐竜の記述はない
そのな記述があるわけないというのが、古い地球の創造論の立場である。インテリジェントデザインの立ち位置も基本的にはこの古い地球の創造論。
ここでは、古い地球の創造論のサイトでインテリジェントデザインを支持するevidence.infoから引用:
Purpose of the creation account
God was not interested in giving Moses a scientific treatise on the creation of the world. The Bible indicates that God's communication to Moses was centered on the relationship between God and man and the rules by which God wanted man to live. Therefore, the creation account mirrors the content of the rest of the Bible, which centers on mankind and his relationship to God. The question, "Why would God leave out a description of the dinosaurs?" is a bad one to begin with. A more appropriate question should be "What would God want to relate to man about His description of the creation?"

創造についての説明の目的:
神は、モーゼに世界の創造についての科学論文を与えることに興味はなかった。聖書は、神がモーゼとのコミュニケーションを 神と人の関係およびと神が人にどう生きてほしいかの原則に集中していたことを示している。したがって、創造についての説明は聖書のほかの部分の内容を反映しており、それらは人間および人間と神の関係に集中している。
「なぜ、神は恐竜の説明をしなかったか?」を問うのは、適切ではない。もっと適切な問いは「創造の説明において神は人間に何を説明したかったか?」である。

Problems with including dinosaurs
There are some technical problems that God would have faced in including dinosaurs in the creation account. There is no word for "dinosaur" in the Hebrew language. Now, God could have invented a Hebrew word for dinosaur and explained what those animals were like and how they had died out. However, this is a one page description of the creation of the world and life in it. Trying to explain about an extinct group of creatures would have taken a lot of space and distracted from the rest of the creation account.

恐竜の説明を含めることの問題:
創造についての説明に恐竜を加えようとすると、神は技術的な問題に直面するです。「恐竜」に対するヘブライ語の単語がないことである。従って、神は恐竜に対する単語を造り、それらの動物がどのようなもので、どう滅びたかを説明しなくてはならない。しかしながら、世界と生物の創造についての1ページの説明である。絶滅した動物たちについて説明しようとすると、非常に多くのページが必要となり、他の創造の説明を散漫にしてしまう。
(evidence.info)

こういった、聖書は科学の教科書ではないという解釈はカトリック系とも違っていない。

ムーな解釈で乗り切ろうとする若い地球の創造論 vs 言い訳で乗り切ろうとする古い地球の創造論。まだしも、"言い訳"の方がましに見えるが..
posted by Kumicit at 01/26 12:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism

2006年01月25日

ユタ州でID理論を推す州上院議員が一歩前進

2005年12月25日のエントリ「の続報。
州教育委員会にも全会一致で撃退され、ID理論を理科で教えるべきなんてありえないと同じ共和党の知事からも無視されても、突き進んだ63歳。遂に一歩前進してしまったもよう。

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posted by Kumicit at 01/25 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | News

2006年01月24日

IDEAセンターのID理論FAQをながめる(3)

インテリジェントデザインを大学生に広めるIDEA CENTERの作ったFAQを眺めるの3回目。インテリジェントデザイナーに迫る質問に、関知しないと答える部分。


どのように、いつデザイナーはデザインしたのか?
デザイナーをデザインしたのは誰か?
デザイナーのアイデンティティは?
デザインされた物の目的を言えるか?
デザイナーはデザインにどんなメカニズムを使ったのか?
ある物は馬鹿にデザインされており、ある物はしょぼくデザインされている。准最適なデザインはインテリジェントデザインの反証ではないのか?
悪のデザインであるかのようにデザインされうるか?
インテリジェントデザインは奇跡や超自然を主張するのか?
インテリジェントデザインはインテリジェントデザイナーの存在を認めろと強要するものか?インテリジェントデザイナーが存在する証拠は?


特に最後の「インテリジェントデザイナーが存在する証拠は?」はとてもすばらしい回答だ。「インテリジェントデザイン理論そのものがインテリジェントデザイナーの証拠である。」だそうである。


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posted by Kumicit at 01/24 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction

2006年01月23日

IDEAセンターのID理論FAQをながめる(2)

インテリジェントデザインを大学生に広めるIDEA CENTERの作ったFAQを眺めるの2回目。
疑似科学ではないという回答をする部分。もちろん、いかにも疑似科学な回答になっているのだが...

どのようにデザインを検出するのか?
インテリジェントデザインは"God of the gaps"論か?
インテリジェントデザイン理論は"説明されていないこと"を"説明できないこと"にしてしまう詭弁か?
インテリジェントデザインはただの"Arument from igonorance"か?
インテリジェントデザインはただの進化否定論か?
インテリジェントデザインは間違ってデザインされたと推論したり、すべてはデザインされたと推論しないか?
インテリジェントデザイン理論は科学探求を終わらせるもの"科学の停止装置"ではないか?
インテリジェントデザインは間違いだと証明されたのでは?


笑わずについてこれる人は....
posted by Kumicit at 01/23 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction

2006年01月22日

IDEAセンターのID理論FAQをながめる(1)

インテリジェントデザインを大学生に広めることを主目的とするIDEA CENTERFAQがかなり増強されているので、一通りながめることにしたい。このFAQは「問い・短い答え・長い答え」という形式をとっているので、とりあえず「問い・短い答え」だけを紹介しつつ、ささやかにツッコンでおく。で今回は..

インテリジェントデザインとは何か?
インテリジェントデザインは予言できるか?検証可能か?
何かがデザインされたと肯定的に言えるか?
アナロジーでインテリジェントデザイン理論は正しいというのは適切か?
インテリジェントデザインは完全にダーウィン進化論を拒絶するのか?
インテリジェントデザインは科学的方法論を採っているか?
"生物機械"は人間が作る機械とは違いすぎる。デザインされた機械の例として考えられるのか?
インテリジェントエージェントとは何で、どう働くのか

をながめようと思う。


笑わずについてこれる人は....
posted by Kumicit at 01/22 02:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction

2006年01月21日

インテリジェントデザインは創造科学ではないが...(2)

創造と言わないはずだった

かつての創造科学の主導者Henry M. Morris(wiki)は、1974年の著書"Scientific Creation"(Amazon)で、"Appearance of age"(年齢の外観)は創造の本質であると述べていた:
Another point important to recognize is that the creation was "mature" from its birth. It did not have to grow or develop from simple beginnings. God formed it fullgrown in every respect, including even Adam and Eve as mature indivisuals when they were first formed. The whole universe had an "appearance of age" right from the start. It could not have been otherwise for true creation to have taken place. "Thus the heavens and the earth were finished, and all the host of them" (Genesis 2:1).

認識べきもうひとつの重要なポイントは、創造が出生から"成熟"していたということである。単純なものから初めて成長あるいは発展する必要がなかった。神は初めに創造したときアダムとイブを成人として創造したことを含め、あらゆる点で成熟した形で創造した。全宇宙は始まったときから"Appearance of age"を持っていた。でなければ、真の創造は起きない。「天地万物は完成された(創世記2章1節)。 」
(Henry M. Morris: "Scientific Creationism, pp209-210,1974&1985)


生態系全体を一気に立ち上げるためには、創造作業を順次行うわけにはいかない。餌がなければ即座に死滅する種があり、捕食者がいないと爆発的に増殖する種がある。安定した状態を作るには、はるかなる過去から世界が存在した"かのように"世界を創造するほかない。また、子育てが必要な動物は親を先に創る必要がある。"Appearance of age"は創造と不可分。

これに対して、インテリジェントデザインでは:

How or When did the designer do the designing?
どのように、あるいはいつ、デザイナーはデザインしたのか?
....
But intelligent design theory will always be limited to what we can infer from the data. Currently these questions which lies outside the scope of intelligent design theory, but that fact does not discredit the claims that intelligent design theory actually does make. Intelligent design merely claims to detect the presence of the design which took place in the past. At the present, to actually see how the design was inserted into the natural world would require a time-machine. Perhaps future theories of design may be able to address this question better, but currently this is not a question intelligent design claims to address. Suffice to say, "the design occurred."

しかし、インテリジェントデザイン論は、データから推論できるものに、制約されてる。現在、これらの問いはインテリジェントデザイン論の範囲外にあるが、このことはインテリジェントデザイン論が主張することの信頼性を損なうものではない。インテリジェントデザインは過去に起きたデザインの存在を検出できると主張するだけである。現在、実際にデザインが自然界にどう起きたかを見るにはタイムマシンが必要となる。おそらく、将来のデザイン理論はこの問いにもう少し答えを出すかもしれないが、現在はインテリジェントデザインが答えられる問いではない。「デザインがあった」というだけで十分である。
(IDEA CENTER FAQ)
のように、デザインすなわち神の介入があったことを主張するのみで、それ以上は言わないことになっている。

実際、デザインの実例として具体的に掲げられたているのは「バクテリアの鞭毛」くらいだ。進化経路がないので、進化論では説明できないという形で、デザインがあったと主張するのみ。「デザイナーが超自然から自然界に手を出して、鞭毛つきバクテリアを置いた」とは決して言わない。(なお、鞭毛について既に進化経路が示されており[N. J. Matzke, 2003]、それでおしまい。あとは、「最低でも必要なことは、いかに間接的なダーウィン進化の経路が、いかにバクテリアの鞭毛のような実際に還元不可能な複雑さを持つ生化学マシンを合理的に創ったかを詳細かつ検証可能な再構築あるいはモデルだ。」(
Dembski "No Free Lunch"
]と言い張るしかなくなっている。)

Discovery InstituteのCasey Luskinも、"genetic information"を自然界に"infuse"できるという、"成熟した個体を置く"という"創造"をイメージさせる言葉をさけるための言い換えをしている:
Intelligent agents can rapidly infuse large amounts of genetic information into the biosphere , reflected in the fossil record as the abrupt appearance of novel fossil forms without similar precursors.
類似した先行種のない新しい化石が突如出現したことに反映されるようにインテリジェントエージェントは大量の遺伝情報を速やかに生物圏に供給できる。
[Casey Luskin 2004](強調はKumicitによる)
「デザインがあった & デザインを経験的に検出可能」という主張であるため、

  • 神様が進化を加速させる直接介入を行った
  • 神様は進化した"かのように"見せかけて、生物を改変した
といった方向に逃げられない。あくまでも、自然界に"デザイン"を運び込む必要があるため、"創造"すれすれの言葉遣いになっている。
posted by Kumicit at 01/21 12:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General

2006年01月20日

バチカンの新聞が「ID理論は科学ではない」という記事を掲載

Catholic News Service2006年1月17日付けの記事によると、「インテリジェントデザインは科学ではなく、ダーウィン理論と一緒に学校で科学理論として教えられるべきではないという記事がバチカン新聞に掲載された(Intelligent design is not science and should not be taught as a scientific theory in schools alongside Darwinian evolution, an article in the Vatican newspaper said)。」この記事はイタリアのBologna大学の進化論の教授Fiorenzo Facchiniが執筆したものを、"L'Osservatore Romano"紙(2006年1月17日)に掲載したもので、「インテリジェントデザインを支持するグループが宗教と科学を混同する形で、奇跡の説明を不適切に求めていた」と批判していた:

Catholic News Serviceが伝える記事内容は、基本的にはカトリックの進化論や科学全般に対する公式的立場を書いたものとなっている。ただし、注目すべき点は

The article noted that the debate over intelligent design -- the idea that certain features of life and the universe are best explained by an intelligent designer rather than adaptive evolution -- has spread from the United States to Europe.
この記事は、生物の特定の特徴や宇宙が適応進化よりもインテリジェントデザイナーによって説明されるというインテルジェントデザイン論争が米国から欧州へ広がっていると強調した。


米国のプロテスタント根本主義者が、理科教育に創造論を持ち込む手段として作ったインテリジェントデザインが欧州へ広まり始めていること。そして、これに対するバチカンの迎撃作戦のひとつとしてこのような記事をバチカンの新聞が掲載しているということだろうか。
posted by Kumicit at 01/20 09:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | Vatican

2006年01月19日

創造論を信じるSharon先生 v. 政教分離なバプテスト v. ID理論の本山 (3)

2006年1月1日にカリフォルニア州LubecにあるEl Tejon校区教育委員会はFrazier Mountain高校でのインテリジェントデザインを教える"Philosophy of Design"という授業を承認した。担当のSharon Lemburg先生は創造論をインテリジェントデザインの名のもとに教えようとしていた。これを阻止すべく、1月10日にAU(政教分離のための米国人連盟)が校区の両親の代理として連邦地裁に訴訟を起こした。そして、1月17日に、El Tejon校区教育委員会は訴えを受けて立たず、授業の撤回と、同様の授業を今後行わないことを約束した。

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posted by Kumicit at 01/19 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | News

2006年01月18日

インテリジェントデザインは創造科学ではないが...(1)


インテリジェントデザインは"God"を"Intelligent Designer"に置き換えただけだと思う人々
カリフォルニア州のFrazier Mountain高校でインテリジェントデザインの授業をしようとして裁判になっているSharon Lemburg先生(LA times,エントリ)は、創造論の"God"を"Intelligent Designer"と置換すればインテリジェントデザインだと思っていたのだろう。先生の最初の授業計画(Philosophy of Intelligent Design)はまったくの創造論。予定教材も大半が創造論。

「神が怒る」(wiki news)で有名なテレビ伝道師Pat Robertsonも、「諸君らの地域を災害が襲っても神は帰ってこない。諸君らが町から神を追放した。(If there is a disaster in your area, don't turn to God. You just rejected him from your city.)」なんてことを言うのは、"Intelligent Designer"が"God"のエイリアスだと思っているからだろう。


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posted by Kumicit at 01/18 03:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General

2006年01月17日

創造論を信じるSharon先生 v. 政教分離なバプテスト v. ID理論の本山 (2)

カリフォルニア州El Tejon校区のFrazier Mountain高校でインテリジェントデザインの授業、というよりも創造論の授業を進めるSharon Lemburg先生。しかも、先生の夫は聖書の字義通り解釈する根本主義なAssembly of God Churchの牧師。

これを阻止しようと、ドーバーでの勝利の勢いにのって、校区の両親の代理として、メインラインバプテスト系の"政教分離のための米国人連盟"(AU)が裁判に訴える。

一方、インテリジェントデザインの本山たるDiscovery InstituteのCasey Luskinは、「インテリジェントデザインが創造論と同じものだとみなされてしまうので、創造論に関する教材を排除するか、そんな授業はやめろ」という手紙を校区に出す。

米国宗教情勢複雑怪奇....


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posted by Kumicit at 01/17 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | News

2006年01月16日

創造論を信じるSharon先生 v. 政教分離なバプテスト v. ID理論の本山 (1)

片田舎の高校の先生が準備したインテリジェントデザインの授業計画をめぐる戦い:

登場人物は

  • Frazier Mountain高校でインテリジェントデザインの授業を計画中のSharon Lemburg先生
  • Barry W. Lynn師率いる政教分離のための米国人連盟(AU=Americans United for Separation of Church and State)
  • インテリジェントデザインの本山たるDiscovey InstituteのCasey Luskin


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2006年01月15日

インテリジェントデザインと"若い地球の創造論"は耐性菌について同じことを言う

"若い地球の創造論"はウィルスの変化は進化ではないと言う(エントリ)。そして、耐性菌について、自然淘汰であるが進化ではないと主張する。
で、インテリジェントデザインはどう言うかというと、実は同じ。"若い地球の創造論"ほどムキになっていないところが違うくらい。


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posted by Kumicit at 01/15 01:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General

2006年01月14日

突然変異はあっても進化はない若い地球の創造論

最もアクティブな"若い地球の創造論"サイトAnswers in Genesis(AiG)には、突然変異が進化論の証拠にはならないと主張するMutations Questions and Answers(突然変異FAQ)がある。けっこうマニアックなところまで進化の証拠ではないと言い張っている。かなり気がかりなようだ。今回はその中から3つ紹介しよう。

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posted by Kumicit at 01/14 21:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism

2006年01月13日

若い地球の創造論にとってウィルスの進化は

若い地球の創造論[YEC=Young Earth Ceationism: 地球の年齢は1万年以下であると考える聖書の字義通り解釈する立場]は、ウィルスの"進化"をどう考えるのだろうか?若い地球の創造論のアクティブなサイトAnswes in Genesisを見てみよう。

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posted by Kumicit at 01/13 09:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism

2006年01月12日

「神と進化論は両立する」と言うのは逆効果だとDavid Morrisonは言う

Skeptical Inquirer magazine の2005年11-12月号の記事の紹介の2回目。本日は、「David Morrison: 理論にすぎない?進化論/創造論の論点再構築(Only a Theory? Framing the Evolution/Creation Issue)」(原文 )を見てみよう。

なお、David Morrisonは宇宙生物学および惑星学の研究者であり、CSICOPのフェローでもある。最近、一般人の科学の理解向上への寄与によりアメリカ天文学会のカール・セーガン・メダルを受賞。

一般的なところは省いて、いかにも特徴的という点をとりあげる。

  • 進化論と共産主義は不可分どころか、まったく逆ということを知らせる
  • 神への信仰と進化論は矛盾するものではないという話をしても逆効果
  • 人類の起源についての話は避けるべき

進化論と神は両立するはずだと考えている人々もいるだろう。実際、キリスト教でもカトリックを含め両立している宗派は多い。そのことがわかれば、進化論に反対しなくなるだろう...と考えるのは間違いだという。

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posted by Kumicit at 01/12 00:16 | Comment(2) | TrackBack(0) | Skeptic