2006年05月09日

創造論的情報理論へシフト

昨日の続きで、Supernova Science Centerにある対流シミュレーションの動画「Tami Rogers' Movies: 対流シミュレーション」について:

==>忘却からの帰還:創造論的熱力学第2法則のつづき
なお、普通にNavier-Stokes方程式と流体シミュレーションを知っていれば、上述の例に対して、創造論的熱力学を放棄して創造論的情報理論として、"進化しない論"を展開できないこともない。とっても簡単なので、答えを書くまでもないが。


もちろん答えは「乱数によって与えられた初期微小擾乱を非線形な過程で増幅しただけであって、情報は増えていない」

ただし、もし、インテリジェントデザイン理論家Dr. William A Dembskiがこのように答えると、"自爆"につながってしまう。

Dr. William A Dembskiは1997年に「Intelligent Design as a Theory of Information(情報理論としてのインテリジェントデザイン)」という記事で、「情報量(CSI)保存則」を提唱したことは、ちょっと前に紹介した:

==>忘却からの帰還:Dembskiの情報量保存則

簡単に振り返っておくと、

  • Aが起きたら、必ずBが起きるなら、Bは新しい情報ではない。
  • 自然法則による必然とは「Aが起きたら、必ずBが起きる」というものである
  • よって、自然法則による必然からは、新しい情報は生み出されない
  • 従って、情報は"偶発性"(contingency)からしか生み出されない

そして、偶発性には2つ挙げる:

  • 盲目の目的のない偶発性すなわち偶然
  • 指導された目的のある偶発性、すなわちインテリジェントな原因

そして、「偶然では情報は作れない」として、情報はインテリジェントな原因によると結論している。

ということは、初期微小擾乱が乱数で与えられているので、

  • 対流のパターンの"創造論"情報量はゼロである
  • 乱数はインテリジェントな原因で作られている
のいずれかということになる。

もちろん、シミュレーションにおける乱数は多くの場合、数学的に生成される擬似乱数であり、主として乗算合同法[wiki:擬似乱数]やメルセンヌツイスター[wiki]で作られる。よって、初期擾乱の源泉たる擬似乱数はインテリジェントな原因だと主張できないこともない。

実のところ、下駄を蹴っ飛ばして裏表を0/1と解釈して、64回下駄を蹴っ飛ばすと、1個の64ビット整数乱数が作れる。これを100万回くりかえせば、初期値用の乱数が100万個収穫できる。これでも結果は似たようなもの。まあ、それでも、下駄を蹴飛ばすというインテリジェントな行動が、対流パターンの源泉だと主張できないこともない。

しかし、ホワイトノイズを生成する物理乱数生成装置[例1,例2,例3]で乱数を作っても似たような計算結果になる。数学的手法は関係がない。それでも、物理乱数生成装置はインテリジェントな原因=開発元&製造元で作られていると主張できないこともない。もっとも、もはやどんな数字が出てくるか、開発・製造元には制御できない。自然界にある乱数を数値化しているだけなのだから。

ということで、乱数にこそ情報があるのだという主張をした場合は、自然界にある乱数から"創造論"情報量が生まれることになる。

なので、あの対流パターンの"創造論"情報量はゼロであるということになる。それはそれで主張としては"あり"といえば"あり"。
posted by Kumicit at 05/09 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism