2014/01/11

都合の良い聖書

聖書は都合よく利用するもののようである。

共和党Fincher連邦下院議員の、フードスタンプ削減の論拠はテサロニケの信徒への手紙二/ 03章 10節『実際、あなたがたのもとにいたとき、わたしたちは、「働きたくない者は、食べてはならない」と命じていました。 』[関連エントリ]

Stephen Fincher連邦下院議員のもうひとつの論拠はマタイによる福音書/ 26章 11節『貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。』[関連エントリ]

また、Faith Bible Baptist Churchはテモテへの手紙一 第5章を論拠に「飢饉のときも銭払え」「施しには対価を」「施しの対象は厳格に判断を」と主張する。[関連エントリ]

これらは、聖書には相反する記述が多くあるので、どうとでも使えることの例でもある。たとえば、申命記6章16節やルカによる福音書4章9〜12節では神を試してはいけないが、士師記6章36〜40節や列王記下20章8〜11節では神を試して、神はそれに応えている。[関連エントリ]

また、民数記 / 15章 32-36節で、神は言っている「土曜出勤は死刑」と。しかし、ヨハネによる福音書 / 5章 5-18節でOKになっている。[関連エントリ]

さらに局所的に引用することで、都合の良い論拠を創り出すProoftextingという手法まである。ランダムに二つ選んだら「ユダは立ち去り、首をつって死んだ。」(マタイによる福音書 / 27章 5節)と「そこで、イエスは言われた。『行って、あなたも同じようにしなさい。』」(ルカによる福音書 / 10章 37節)というジョークが有名。[関連エントリ]

実例は多い。たとえば、詩編2編4節「天を王座とする方は笑う」は、神がユーモアのセンスを持っていることを示すと言うWaren牧師。しかし、原文の意味は真逆。
詩編 / 2編 1-6節 地上の王は構え、支配者は結束して、主に逆らい、主の油注がれた方に逆らうのか。... 天を王座とする方は笑い、主は彼らを嘲り、憤って、恐怖に落とし怒って、彼らに宣言される。「聖なる山シオンで、わたしは自ら、王を即位させた。」[関連エントリ]

ちょっと違ったパターンで、地球は温暖化しないという立場で、聖書を読み上げる共和党Simkus連邦上院議員という例もある。[関連エントリ]

マタイによる福音書25章14-30節を論拠に、化石燃料を使いまくれと主張する保守的根本主義団体幹部もいる。「怠け者の悪い僕」と主人が呼ぶ、不信心者の僕は、預けられたタラントンを地面に埋めて、何もせず、儲けなかった。化石燃料を燃やすなとい言うのは、これと同じだと言う。[関連エントリ]

特に、論敵を攻撃するときに、脈絡もなく聖書を引用する者たちは、Bible thumper (英語圏全般)あるいはBible basher(英国・豪州・ニュージーランド)とと呼ばれる

政府による福祉を推進しようとする民主党オバマや共和党マケインたちを批判して、「神は貧者と貧窮者を助ける方法を聖書で3つ提示している。1) 家族 2)教会 3)個人の慈善だ。これらの3つ方法は以下の節にある。申命記14章28-29節と民数記18章24節とマタイによる福音書6章1-4節およびテモテへの手紙一 5章 3-16節である」と主張する者もいる。[関連エントリ]

さらに、テモテへの手紙一5章 3-10,16節とレビ記22章13節を引用して、教会による援助は「身寄りがない(生存する夫や子供や甥姪などがいない)、六十歳未満の者ではなく、一人の夫の妻であった、善い行いで評判の良い、子供を育てあげた、旅人を親切にもてなした、聖なる者たちの足を洗った、苦しんでいる人々を助けたと、あらゆる善い業に励んだ」未亡人に限定されると主張する者もいる。[関連エントリ]

このあたりを見てくると、日本の生活保護制度はとてもキリスト教的・聖書的であると思える。

posted by Kumicit at 2014/01/11 16:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/10

LIFE 1945年11月19号が描く核戦争(1/2)

広島・長崎への核攻撃から3か月後に、米国陸軍航空軍司令官は国防長官あてに、将来の核戦争についても触れた報告書を出している。そして、核戦争についての内容を、LIFE誌が1945年11月19日号で紹介している。
36HourWar1.png

36時間戦争


次の大戦のカタストロフについて、Arnold報告はヒントを与える



今週、合衆国陸軍航空軍司令官Henry H. Arnold将軍は、国防長官に3つめの報告書を提出した。報告書は先の大戦末の陸軍航空軍の活動履歴とともに、将来の戦争への警告を記載されている。将軍は「かつて、米国は、先の戦争の終わりで使った装備とドクトリンを以って開戦するという立場に捕らわれるという、危険な意志を示してきた。... 既存航空軍の、非常時における新たな考えと技術を吸収する能力によって、航空戦力は広範囲に対応すべきである。」と述べている。

Arnold将軍は、陸軍航空軍が新たな考えを吸収する準備が整っていると述べている。「我々は、一つか二つの原爆を敵に撃ち込むためだけに、大規模航空作戦を遂行できる。発達した航空戦力によって、これが実行不可能になったときは、射程と精度を飛躍的に高めた、ドイツのV2タイプの兵器を準備すべきである。」

米国及び他国のそのような兵器は、あらゆる戦争を恐るべきものにする。敵対行動は、ロンドンやパリやモスクワやワシントン(上図)のような都市での原爆の爆発で始まるだろう。原爆による破壊はは迅速かつ恐るべきものであるため、戦争は36時間以内に終結するかもしれない。本記事のイラストは、樹たるべき戦争がどう戦われるかを描いたものである。

しかし、Arnold将軍は、発達した兵器だけが米国の防衛策だとは述べいていない。原爆を将来の戦争において使うよりも、おそらく国連安全保障理事会の決定を実施するための力として、平和のために今使う方が良いと、将軍は述べている。

[LIFE 1945/11/19 P.27 ]
36HourWar2.png

米国へ到達する原爆



次の戦争は破滅的な速さで始まるだろうと、Arnold将軍は述べている。「現時点で敵航空戦力が可能な装備で、警告なく、あらゆる正規に思いつける全ての障壁を突破し、我々の人口集中地帯や工業・経済・政府の中枢部へ、地上戦力が展開するよりも速く、壊滅的打撃を与えることが可能だろう。」

太平洋上の高度3000マイルから東を向いた、上図のパノラマで、LIFE誌の画家は、米国の主要13都市へ敵ロケットのシャワーが降り注ぐ、数年後に起きるかもしれないことを描いている。数秒で、ニューヨーク・シカゴ・サンフランシスコ・ロスアンジェルス・フィラデルフィア・ボウルダーダム・ニューオリンズ。・デンバー・ワシントン・ソルトレイクシティー・シアトル・カンザスシティ・ノックスビルで原爆が爆発する。一つの爆弾(左から2個目)が、米国迎撃ロケットによって、上空で爆発している。都市部では1000万人以上が原爆によって瞬時に死亡する。敵の目的は従来の標的だった工業の破壊ではなく、人口殲滅による米国の麻痺である。

秒速3マイルで大気圏を進む行程の一部が描かれている、上図のロケットは、ほんの一時間と少しで、1800マイル彼方に到達し、さらに地球を回って8000マイル彼方のアフリカ赤道地帯に到達する。

国連安全保障理事会の査察を逃れるために、ジャングルに迅速かつ秘密裏にロケット基地を建設できる、米国の敵国が存在する。ロケットの行程の大半は真空であり、そこでは比呂でも星が見える。薄い明るい水平方向の層は地球の大気圏である。

[LIFE 1945/11/19 PP.28-29 ]
既に、このときICBMによる核戦争が想定されていて、一般人に向けて記事が書かれていた。

そして、敵の核攻撃を迎撃することは困難だとの見方を示している。
36HourWar3.png

我々のレーダーセンターはロケット戦争に追随する



「レーダーは空軍の効率性に大きく寄与している。これは人間の視覚を徹底的に拡大する装置である。」とArold将軍は述べている。上図は、ロケット戦争に適用されたレーダーである。レーダービームは大出力で全空を走査しているので、宇宙空間の数千マイルの物体もエコーを返してくる。エコーは輝度スクリーン表示に変換される。そのようなレーダーが使われれば、米国は、このページに示した攻撃に対処する時間を30分ほど確保できる。

しかし、30分でも短すぎて、原子力戦争の兵器を制御できない。レーダーは敵のロケットを検出し、コースを描画し、迎撃ロケットに使う電子計算機にデータを渡す。それらは数秒で発射され、敵の攻撃を迎撃する。

しかし、レーダーは将来の戦争において、良くて点で防衛にしか使えない。人間の視覚のように、水平線までしか目が届かない。ドイツのV1ロケットのような低空飛行ロケットであれば、高空ロケットよりも効果的にレーダーを回避できるだろう。そして、レーダーは、敵国のエージェントが米国内で組み上げた原爆には効かない。

我々の迎撃戦力は攻撃のほとんどを防げない



Arnold将軍は「ドイツのV2に類似しているが、原爆を装備した原爆ロケットに対する、能動的防御には打ち克ちがたい困難が伴っていることが明らかになっている。この状況において、我々は効果的場防御手段の発見に努めるべきである。」と述べている。ロケットに対する現在可能な唯一の防御策は、上図のように発射された後にある。敵と遭遇する位置へ発射される高射砲のようなロケットである。発射されると、このようなロケットは敵機を探知し、自分の軌道を修正する。敵ロケットに接近すると、第二次世界大戦中に開発された電波近接信管により爆発する。しかし、迎撃に失敗することは避けられない。

上図は2つのロケットが遭遇する直前を描いたものである。敵のロケットは宇宙空間で燃料を使い尽くして、米国へと落下し始めている。迎撃ロケットは全出力で上昇している。地球の大気圏との摩擦で白熱している。2つのロケットが衝突すると、地上から見れば、原爆は新星のように見えるだろう。

[LIFE 1945/11/19 PP.30-31 ]
ABMによるICBMの迎撃及び、それが失敗することも多いと想定されている。

次回へ続く...
posted by Kumicit at 2014/01/10 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/09

ヴァージニア州下院に反科学州法案HB207登場

米国の進化論教育及び気象教育を守るNCSEによれば、ヴァージニア州下院の反科学法案が登場した。
House Bill 207, prefiled in the Virginia House of Delegates on December 27, 2013, and referred to the Committee on Education, is the first antiscience bill of 2014. The sponsor (or "chief patron") of the bill is Richard P. "Dickie" Bell (R-District 20).

2013年12月27日にヴァージニア州下院に事前登録され、州下院教育委員会に送られたHB207は、 2014年の最初の反科学の法案である。州法案の提案者は、共和党District-20選出のRichard P. "Dickie" Bell州下院議員である。

The bill calls upon the state board of education and local school boards to "create an environment in public elementary and secondary schools that encourages students to explore scientific questions, learn about scientific evidence, develop critical thinking skills, and respond appropriately and respectfully to differences of opinion about scientific controversies in science classes" and to "assist teachers to find effective ways to present scientific controversies in science classes"; they are forbidden to "prohibit any public elementary or secondary school teacher from helping students understand, analyze, critique, and review in an objective manner the scientific strengths and scientific weaknesses of existing scientific theories covered in science classes." Presumably attempting to immunize the bill against the accusation that it is religiously motivated, the bill also provides, "Nothing in this section shall be construed to promote or discriminate against any religious or nonreligious doctrine, promote or discriminate against a particular set of religious beliefs or nonbeliefs, or promote or discriminate against religion or nonreligion."

州法案は州教育委員会と学区教育委員会に対して「生徒たちに、理科の授業で、科学的な問いを探求し、科学的証拠を学び、批判的思考を発達させ、異なる意見に適切かつ敬意を以って対応できるように奨励する環境」を公立小中学校に創り、「理科の授業で、科学的論争を効果的に提示する方法を教師たちが見出すのを支援する」ことを義務付ける。そして、「生徒たちが理科の授業で取り上げられる既存の科学理論の強いところと弱いところを客観的に理解、分析、批判、レビューするのを、教師たちが支援するを禁じる」を禁じる。おそらく、宗教的に動機付けられているという批判から州法案を守るために「このセクションは、宗教あるいは非宗教の教義の促進あるいは差別、特定の信条あるいは非信条の促進あるいは差別、宗教あるいは非宗教の促進あるいは差別するものと解釈してはならない」という記載がある。

No specific supposed scientific controversies are mentioned in the text of the bill, but press reports on the bill, such as WHSV's (January 7, 2014), suggest that Bell was thinking about evolution.

州法案文に、特定の科学的論争と称するもには記載されていないが、2014年1月7日のWHSVの報道によれば、Bell州下院議員は進化論について考えていたことを示唆している。

[Antiscience bill introduced in Virginia (2014/01/07) on ncse]
「生物進化、生命の化学起源、気候変動及ぶヒトクローンを含むが、それらに限らず」という例示がない以外は、特に従来の反進化論州法案と違いがない。



現在、有効な反進化論州法および相当品は次の3個:



2014年の反進化論州法案で審議中あるいは放置中のものは1個:

  • ヴァージニア州下院に反科学州法案HB207登場 (2014/01/09)




2013年の反進化論州法案は廃案・先送り・提案断念・棚上げ:




2012年の反進化論州法案は廃案もしくは先送り:

2011年の反進化論州法案は廃案もしくは先送り:

2010年の反進化論州法案はすべて廃案:
2009年の反進化論州法案はすべて廃案:

2008年の反進化論州法案のうち以下が廃案:
posted by Kumicit at 2014/01/09 05:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/08

代替癌療法としての塩化セシウム療法の危険性

2011年に、コロラドの61歳の女性が、乳癌の代替療法として塩化セシウムサプリを一年間毎日服用し、さらに乳房のしこりに塩化セシウム液を注射した後、死亡した。その症例報告が論文誌Journal of Alternative and Complementary Medicineに掲載された。
The 61-year-old woman had been taking cesium supplements daily for a year as a treatment for breast cancer, but it was a single injection of cesium chloride liquid into a lump in her right breast that is likely what ultimately proved fatal, the report said.

The woman had been following the advice of a nutritionist, who had recommended cesium chloride to help shrink her breast tumor.

Cesium chloride is an alternative treatment that "supposedly increases the pH level of cancer cells to kill them, while not altering the pH of healthy cells," said study author Dr. Daniel Sessions, who was a medical toxicology fellow at the Rocky Mountain Poison and Drug Center in Denver and was involved in the case. (A cell's pH is a measure of how acidic or basic its internal environment is.)

However, this theory of how cesium chloride works "has not been scientifically proven to be true," Sessions said.

症例報告によれば、61歳の女性が乳癌の代替療法として、一年間にわたり毎日セシウムサプリを服用していたが、右乳房のしこりに塩化セシウム液を1回注射したことが、最終的に死につながったとみられる。乳房の腫瘍の縮小を助けるための、塩化セシウムの服用を推奨した栄養士の助言に、彼女は従った。

「塩化セシウムは『癌細胞のpHレベルを上げるが、健康な細胞のpHに影響せず、癌細胞を殺す』と称する代替療法である。ただし、塩化セシウムの働きについて、科学的に正しいと証明されていない」と、研究の著者であり、本症例に関わったDenverのRocky Mountain Poison and Drug Centerの医療毒物学フェローのDr. Daniel Sessionsは述べた。

According to a review of alternative treatments on the American Cancer Society's website, the "available scientific evidence does not support the claim that the pH inside a cancer cell is any different than that of a normal cell, or that cancer cells are more susceptible to toxic effects of high pH."

Cesium chloride is available in both an oral supplement and a liquid form, and it's found in stores that sell dietary supplements as well as online. Some alternative medicine practitioners who promote the treatment's use for cancer also refer to it as "high pH therapy."

The case report appeared in the December issue of The Journal of Alternative and Complementary Medicine.

American Cancer Societyの代替医療レビューサイトによれば、「癌細胞内のpHは、健康な細胞のpHと何等かの違いがある、あるいは癌細胞が高いpHの毒性の影響を受けやすいという主張を、現在利用可能な科学的証拠は支持していない」

塩化セシウムは服用サプリ及び液体で提供され、栄養補助食品(ダイエットサプリ)を扱っている店やオンラインショップで販売されている。この療法を癌治療について宣伝している代替医療師の中には、これを「ハイペーハーセラピー」と呼ぶ者もいる。

[Cari Nierenberg: "Woman's Death Linked to Alternative Cancer Treatment" (2014/01/01) on LiveScience]
死に至る過程は次のようなものだった。
The night before the Colorado woman was rushed to the emergency room, her husband had injected a solution of cesium chloride into her breast lump, according to the case report. Not long after this injection -- the first one she had received -- she started to feel sick.

Her family told doctors she collapsed the next day at home apparently after suffering a heart attack. They performed CPR, but she remained unconscious, so they brought her to the emergency room.

症例報告によれば、コロラドの女性が集中治療室緊急救急室に運び込まれる前夜、彼女の夫が塩化セシウム溶液を彼女の胸のしこりに注射した。最初の注射からそれほど時間がたたないうちに、彼女は気分が悪くなった。彼女の家族は医者に、翌日自宅で彼女が心臓発作を起こして倒れたと連絡した。家族はCPRを行ったが、彼女の意識は回復しなかった。そのため、家族は彼女を集中治療室緊急救急室に運んだ。

She had no prior history of heart disease, but had been taking several dietary supplements during the past year to treat a breast lump she had discovered, which a physician had counseled her was likely cancerous. But she had refused to undergo a biopsy to make a definitive diagnosis of breast cancer, and had not been seen by a physician for further treatment in more than a year, Sessions said.

While in the hospital, doctors examined the woman and agreed that the tumor on her right breast was cancerous and had spread to her lymph nodes, Sessions said.

In addition to taking cesium chloride supplements daily, she was supplementing with selenium, potassium, vitamin D, silymarin, folic acid and a multivitamin.

Ten days after she arrived at the hospital in August 2011, the woman died.

彼女は心臓病の症歴はなかった。彼女は見つかった乳房のしこり(診断した医師によれば癌の可能性がある)を治療するために、過去1年にわたり幾つかの栄養補助食品(ダイエットサプリ)を服用していた。しかし、彼女は乳癌であるかを明確に診断するためにの生検を拒否していた。そして、1年以上にわたり、医師による治療を受けなかった。

Sessionsによれば、入院した病院で医師たちは女性を検査し、右乳房の腫瘍が癌であり、リンパ節に転移していると診断した。

日々の塩化セシウム服用以外に、彼女はセレニウム・カリウム・ビタミンD・シリマリン・葉酸・マルチビタミンのサプリメントを使っていた。

集中治療室緊急救急室への入院の10日後の、2011年8月に、この女性は死亡した。

Several factors contributed to her death, Sessions said. She had abnormally high cesium levels in her blood, because she had been taking the oral supplements for many months. Her symptoms after receiving the cesium chloride injection suggest that it was the most likely cause of her rapidly declining health, Sessions said.

Sessionsは「複数の要因が彼女の死亡をもたらした。何か月もの間、口からセシウムを摂取していたので、彼女の血液中には多量のセシウムがあった。塩化セシウム注射後の症状は、彼女が急速に健康を損ねた最大の理由であると示唆している。

[Cari Nierenberg: "Woman's Death Linked to Alternative Cancer Treatment" (2014/01/01) on LiveScience]
最後の一撃は、塩化セシウム溶液の注射だったようだ。

ただし、そもそも、塩化セシウム療法は、直接注射しなくても、口からの服用だけでも、危険である。
High cesium levels can be dangerous because the metal can cause an abnormal heart rhythm. In the woman's case, cesium is what undoubtedly led to the woman's cardiac arrest and failure to regain consciousness, Sessions said.

Other cases of using cesium chloride as an alternative cancer treatment have also involved serious side effects, such as life-threatening heart rhythm problems, loss of consciousness, seizures and electrolyte imbalances involving sodium and potassium.

Sessions said that complementary and alternative medicine therapies have a place in the treatment of disease, however, supplements "should not be thought of as benign or harmless."

Sessions said dozens of cancer patients around the world have died from the use of cesium chloride or cesium carbonate as a treatment. In most of these cases, the patients were orally taking supplements, or using the metal intravenously, he said.

"This was a unique case because the patient injected cesium chloride directly into the tumor," Sessions said.

The researchers decided to report the case in a medical journal "to show the danger of this product, in any form," he said.

Sessionsは「金属セシウムは不整脈を引き起こす可能性があるので、高セシウムレベルには危険性がある。この女性の症例では、セシウムは街が間違いなく、心停止や意識不明につながった」と述べた。

代替癌治療法として塩化セシウムを使った別の症例では、生命を脅かす不整脈や、意識喪失や、発作や、ナトリウムおよびカリウムを含む電解質不均衡のような深刻な副作用を起こした。

Sessionsは「代替補完医療は、病気治療に居場所ああるが、サプリメントが良いもの、あるいは無害なものと考えてはいけない。世界中の何十人もの癌患者が、塩化セシウムや炭酸セシウムを治療法として用いて亡くなっている。多くの場合、患者は口から(セシウムの)サプリメントを経口摂取するか、あるいは金属の静脈注射をしてとして使っている。この症例は、腫瘍に直接に塩化セシウムを注射したという点で、他に類例を見ない。」と述べた。

研究者たちは、この塩化セシウムがいかなる形態であれ、危険であることを知らしめるために、医学誌に症例を報告することにした。

[Cari Nierenberg: "Woman's Death Linked to Alternative Cancer Treatment" (2014/01/01) on LiveScience]
代替補完医療は、毒にも薬にもならないものではない。時には銭と生命の両方を奪っていく。

posted by Kumicit at 2014/01/08 23:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

福音主義キリスト教徒の学生たちが進化論を受け入れた後で...

キリスト教大学であるEastern Nazarene Collegeで1984年から2011年まで、科学を教えていたKarl W. Gibersonが、こんなことを書いている。
For a quarter century I taught scientific theories of origins−evolution and the Big Bang Theory−under a cloud of suspicion that waxed and waned but never totally disappeared. With few exceptions, my mostly evangelical students accepted these ideas. I took informal polls indicating that most of the 50 percent of my students who rejected evolution at the beginning of my course accepted it by the end. My colleagues at other evangelical colleges report similar experiences. We were hopeful that these evangelical students would become leaders of their faith communities and gradually persuade their fellow evangelicals that evolution was not a lie from hell−which was what many of them had been taught in Sunday school. But instead scientifically informed young evangelicals became so alienated from their home churches that they walked away, taking their enlightenment with them.

四半世紀、私は進化論とビッグバンという起源の理論を、大きくなったり小さくなったりしつつみ消えることのない疑いの雲の下で、教えてきた。わづかの例外を除いて、私が教えた福音主義キリスト教徒の学生たちは、これらの考えを受け入れた。非公式なアンケートで、コースの始めに進化論を否定していた50%の大半が、コースの終わりには、これらの考えを受け入れていた。他の福音主義キリスト教大学の同僚も同様の経験を報告している。我々は、これらの福音主義キリスト教徒の学生たちが彼らの信仰コミュニティの指導者となって、進化論が日曜学校で教えられているような地獄からの嘘ではないと、仲間の福音主義キリスト教徒たちを説得してくれると期待していた。しかし、実際には、科学教育を受けた若き福音主義キリスト教徒たちは、所属していた教会から阻害され、科学教育によって得たものとともに教会から歩み去って行った。

An alarming study by the Barna group looked at the mass exodus of 20-somethings from evangelicalism and discovered that one of the major sources of discontent was the perception that “Christianity was antagonistic to science.” Anti-evolution, and general suspicion of science, has become such a significant part of the evangelical identity that many people feel compelled to choose one or the other. Many of my most talented former students no longer attend any church, and some have completely abandoned their faith traditions.

Barna grouoの憂慮すべき研究は、20件ほどの福音主義キリスト教からの集団離脱を観察し、主要な不満の原因の一つが「キリスト教が科学に敵対的だ」という認識であることを発見した。反進化論、そして一般的な科学への疑いが、多くの人々に信仰と科学の二者択一を迫るほどに、福音主義キリスト教の大きな部分を占めるようになってきた。学生のときに私の授業を受けた優秀な人々は、今では教会に通うことがなくなり、信仰を絶ってしまった者もいる。

[Karl W. Giberson:"2013 Was a Terrible Year for Evolution"(2014/01/02) on DailtBeast via Ed Brayton]
科学を知ったことで信仰を失ったのではなく、科学を知った信者を教会が排除してしまっていると、Karl W. Gibersonは言う。

彼が言及した、Barna GroupのDavid Kinnaman所長率いる5年間の研究で挙げられた、若者と教会の断絶の理由の一つが確かに「科学に敵対的」というのがある。
Reason #3 – Churches come across as antagonistic to science.

One of the reasons young adults feel disconnected from church or from faith is the tension they feel between Christianity and science. The most common of the perceptions in this arena is “Christians are too confident they know all the answers” (35%). Three out of ten young adults with a Christian background feel that “churches are out of step with the scientific world we live in” (29%). Another one-quarter embrace the perception that “Christianity is anti-science” (25%). And nearly the same proportion (23%) said they have “been turned off by the creation-versus-evolution debate.” Furthermore, the research shows that many science-minded young Christians are struggling to find ways of staying faithful to their beliefs and to their professional calling in science-related industries.

教会や信仰から断絶したと若い成人が感じる理由の一つが、キリスト教と科学の間に感じられる緊張関係である。この領域で最も多い認識は「キリスト教徒は自分が全ての答えを知っていることに過剰な自信を持っている」ことである(35%)。キリスト教を背景に持つ若い成人の29%が「我々が住む科学の世界から、キリスト教は道を踏み外そうとしている」と感じている。さらに、25%が「キリスト教は反科学だ」という認識を持っている。23%が「進化創造論争で、信仰をやめた」と回答した。さらに、研究は、科学志向を持つ若いキリスト教徒の多くが、自らに信仰に留まることと、科学関連業界志向の間で葛藤していることを明らかにした。

[Barna Group 2011/09]
この結果は、反進化論はもとより、気候変動否定論などと連鎖して、政治に影響を及ぼしている福音主義キリスト教勢力だが、そうすることで、若い世代の離脱を招こうとしていることを示唆している。

posted by Kumicit at 2014/01/08 07:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/07

ウガンダのゲイ終身刑法案に大統領は未だ署名せず

2009年10月に始まり、2011年には失速していたウガンダのゲイ死刑法案が、ウガンダ議会をゲイ終身刑法案として、2013年12月20日に通過した。しかし、2014年1月2日時点で、ウガンダ大統領Yoweri Museveniは法案に署名していない。
Kampala − Uganda President Yoweri Museveni will not rush to approve a controversial anti-gay draft law, widely criticised internationally but overwhelmingly backed by local political and religious leaders, his spokesman said on Thursday.

Uganda's parliament adopted the bill on December 20. It will see repeat offenders jailed for life, sparking an international outcry as lawmakers hailed it as a victory against "evil".

"There has been pressure from religious leaders and parliament to sign the bill into law," presidential spokesman Tamale Mirundi told AFP, adding that Museveni "won't rush to assent the bill before he studies it" fully.

"President Museveni is a practical president, he takes decisions based on analysis and not on how many support or are against it," he added.

Deputies voted overwhelmingly in favour of the text, which has been condemned by rights activists and world leaders -- with US President Barack Obama describing it as "odious" and Nobel Peace laureate Desmond Tutu comparing it to apartheid.

ウガンダ大統領Yoweri Museveniは、国際的に広く批判されていて、国内政治勢力及び宗教指導者たちから圧倒的に支持されている、異論のある反ゲイ法の承認を急がないと、大統領報道官が2014年1月2日に述べた。

ウガンダ議会は2013年12月20日に法案を可決した。再犯者を終身刑にする法案は、国際的に抗議され、議員たちからは「悪」に対する勝利として歓迎された。

大統領報道官Tamale MirundiはAFPに対して「法案へ署名するよう宗教指導者たちと議会から圧力があった。Museveni大統領は自身が十分に法案を研究するまでは、法案に署名しない。Museveni大統領は実践的な大統領であり、支持や反対がどれだけあるかではなく、分析に基づいて決断する。」

Barack Obama米国大統領が「嫌悪すべき」と記述し、ノーベル平和賞受賞者Desmond Tutuはアパルトヘイトを引き合いにだし、人権運動家や世界の指導者から非難された法案を、議員たちは圧倒的に支持した。

{Uganda president 'won't be pressured' to sign anti-gay law (2014/01/02) by AFP hosted by Google]
国際的圧力が効いているのか、Yoweri Museveni大統領は決断を先送りしているようである。


追記 2014/01/18

CNNの2014/01/17付け報道によれば、ウガンダ大統領Yoweri Museveniは「ゲイは助けが必要な病気の人々だが、議会は違法に法案を可決した」として、拒否権を発動した。
posted by Kumicit at 2014/01/07 00:46 | Comment(1) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/03

東京電力管内の需要と東京の気温 (Update 2013/12/31)

東京電力管内の電力需要(時別最大)と東京の日平均気温のグラフを更新してみた(使用データはこちら)。
TepcoVTokyo20131231.png

現在設置の緊急電源や老朽化力再稼働により、供給力はかなり回復し、柏崎刈羽原発が再稼働すれば数字上は供給力は自身以前の水準に回復する(老朽品が多く動いている状態ではあるが)。

需要と気温の関係は2011年秋以降及び2012年と2013年で大きな違いは見られない。この期間の四半期季節調整済実質GDPを見てみると...
GDPqes.png
それ以前は景気変動を反映して、需要と気温の関係カーブが年単位に変動していたのとは違っている。変化幅が小さくて、ゆらぎの範囲内におさまっているのかもしれない。
posted by Kumicit at 2014/01/03 20:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/01

民主党支持と共和党支持で開きゆく進化論についての世論 by PEW

2013年3月21日-4月8日にPEWが行った進化論についての世論調査結果が2013年12月20日に公表された。
This report is based on telephone interviews conducted March 21-April 8, 2013, among a national sample of 1,983 adults, 18 years of age or older, living in all 50 U.S. states and the District of Columbia (1,017 respondents were interviewed on a landline telephone, and 966 were interviewed on a cellphone). Interviews were completed in English and Spanish by live, professionally trained interviewing staff under the direction of Princeton Survey Research Associates International.

この報告は2013年3月21日-4月8日に、18歳以上の全米50州およびDCに居住する1983名の成人について行った電話インタビューに基づく(1017名が固定電話、966名が携帯電話)。インタビューは英語及びスペイン語で、PSRAI規則のもとでインタビュー訓練されたスタッフによって実施された。

PEWpollEvo2013rel.png

[Public’s Views on Human Evolution (2013/12/30) on PEW]
進化創造についての世論はやはり宗教の影響が大きい。白人福音主義キリスト教徒と白人メインラインプロテスタント差は歴然たるものがある。

そしてもちろん、政党支持による差異も大きい。
PEWpollEvo2013party.png

Differences in the racial and ethnic composition of Democrats and Republicans or differences in their levels of religious commitment do not wholly explain partisan differences in beliefs about evolution. Indeed, the partisan differences remain even when taking these other characteristics into account.

民主党支持者と共和党支持者の人種や民族構成、ならびに宗教信仰では、進化論についての信条の政党支持による差異を説明できない。その他の要素を考慮しても、政党支持による差異は残る。

[Public’s Views on Human Evolution (2013/12/30) on PEW]
PEWの世論調査では、この政党支持による差が開く方向にある。

ただし、Gallup Pollのように長い時系列を持っているわけではなく、2点なので、特に共和党支持者における「人間は現在の姿で出現した」の2009年から2013年での急拡大が、そのまま長期傾向を反映した者かは明言できない。

2008年と2010年と2012年のGallup Pollの結果を見ると、民主・共和の両方とも同じ傾向で増減しているように見える。

Gallup Pollの新たな調査が行われると、共和党支持者における「人間は現在の姿で出現した」の増大傾向が明白なものかわかるかもしれない。

posted by Kumicit at 2014/01/01 10:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする