2014/01/11

LIFE 1945年11月19号が描く核戦争(2/2)

前回のつづきで、LIFE誌が1945年11月19日号で紹介する将来の核戦争:
36HourWar4.png

米国は反撃する



原爆戦争の防御に関して、Arnolod将軍は次のように述べている。「原爆に対する防御方法はいくつか考えられる。第1は、原爆から隠れられる場所は世界中のどこにもないことを、心得ることである。第2は、ひとたび原爆が発射されたときに備えて、我々は原爆攻撃をアクティブに防御する手段を開発することである。そして、第3は、脆弱性を最小化するように我が国を再デザインすることである。「しかし、見通せる将来において、原爆兵器に対する本当の安全保障策は、引き続き、圧倒的戦力で即時攻撃行動をとれる能力である。潜在的侵略者が米国への攻撃が自国への破滅的原爆攻撃を意味することを、明らかに分かるようにすることである。」

上図はArnold将軍の考えのうち2つ、すなわち分散と反撃を描いたものである。この断面は、地下のロケット発射基地と、原爆工場である。原材料をのぞき、すべてを完全に自給できて、大量在庫のもとで組み上げられる。労働者たちは工場近くの地下で、航空戦力による原爆直接攻撃以外からは防護されて生活する。米国はこのような基地を複数持つことになるだろうが、すべては独立に活動し、その一つが破壊もしくは占領されても、他に影響がでないようにするだろう。36時間戦争の開戦時に、米国は全人口を分散できておらず、そのコストは2500億ドルかかるが、それは国防の絶対的に不可欠なものである。

上図は、米国が攻撃を受けてから1時間後に、米国が戦争最初の攻撃ロケットを敵の都市へ向けて発射するところである。

[LIFE 1945/11/19 PP.32-33 ]
最も効果的な安全保障として、このときも報復を挙げている。その手段として、報復戦力の地下配備が想定されている。

そして...
36HourWar5.png

戦争の終わりに空挺部隊が来る



Arnold将軍は「現代戦争では、空挺部隊が最も有効な部隊のひとつとなる。完全武装した空挺タスクフォースは、はるかに離れた場所に、航空戦力だけで輸送される」と述べている。

原爆による破滅的破壊にもかかわらず、敵は戦争に勝つために、米国に侵攻しなければならない。敵の空挺部隊は巨大な破壊力を持つ軽ロケットを装備し、赤外線が見えるようにゴーグルをつけている。上図の敵兵は、米国の小さな町の電話線を修理している。

敵空挺部隊の降下までに、米国は恐るべき被害をこうむっている。4000万人程度が死亡し、人口5万人以上の都市が粉砕されている。サンフランシスコのマーケットストリート、シカゴのミシガンブルバード、ニューヨークの五番街は破片の中を通る道路でしかない。しかし、そのように破壊されても、米国は反撃する。敵の空挺部隊は一掃される。米国の空挺部隊が米国の都市を奪還する。米国は原爆戦争に勝利する。

[LIFE 1945/11/19 PP.34-35 ]
4000万人の生命を失って、米国は勝利するという想定を書いている。勝利後に残されるものは、廃墟と郊外・地方人口だと示唆する記事であり、それが麗しい状態ではないことは明かである。

そのような記事が、1945年11月の時点で一般の雑誌に掲載されていたのことは、ちょっと驚きだ。そして、この後も、米国の新聞や雑誌は、米国への核攻撃の想定記事を掲載し続ける。印象的な形で。
posted by Kumicit at 2014/01/11 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

インドのマハラシトラ州政府が、一年の薬学研修でホメオパスが通常医薬品の処方を可能とする措置を承認

「一年間の通常薬学研修を受けたホメオパスが限定的に通常医薬品の処方を行うことができる」という方針を、ムンバイなどを含むインドのマハラシトラ州内閣が決定した。
In a move that could benefit over 60,000 homeopaths practising in Maharashtra and one that has invited shock and anger from MBBS doctors and others, the Maharashtra government has given its nod to a proposal to permit homeopaths to prescribe allopathic drugs after they complete a year-long course in pharmacology.

The Indian Medical Association has opposed the decision, threatening to approach the Bombay High Court and calling it a move to promote quackery.

マハラシトラ州政府は1年間の通常薬学コースを修了したホメオパスに通常医薬品の処方を許可する提案を承認した。これにより、マハラシトラ州で開業する6万人のホメオパスが恩恵を受けられるが、通常医療関係者には衝撃と怒りを招いた。

ニセ医療を推進するものだとして、ボンベイ高等裁判所に訴えると述べて、インド医学協会はこの決定に反対している。

[Homeopaths can do one-year course, prescribe allopathy drugs: Maha govt (2014/01/10) on FirstPost]
このような決定がなされた背景には、通常医師及び通常医療機関の不足がある。
"Most hospitals face an acute shortage of MBBS doctors and have to recruite ayurveda practitioners and homeopaths. The bridge course on pharmacology will upgrade doctors' skills," said Bomi Bhote, chief executive officer (CEO) of Ruby Hall Clinic.

Senior surgeon Dhananjay Kelkar, medical director of Deenanath Mangeshkar Hospital, said after the year- long training in pharmacology, these doctors will do well in general practice. "They are covered by the consumer protection law. It is a sensible step," he added.

「大半の病院が通常医師不足に直面して、ホメオパスやアーユルヴェーダ療法師を採用せざるを得なくなっている。薬学のブリッジコースは、これらの医師のスキル向上させるものだ」と、Ruby Hall ClinicのCEOであるBomi Bhoteは述べている。

Deenanath Mangeshkar Hospitalの上級外科医で医療ディレクタであるDhananjay Kelkarは、「一年間の薬学トレーニング後は、これらの医師たちは一般医療行為をうまくできるだろう。これらの行為は消費者保護法の対象である。公的監督下にある」と述べた。

[Umesh Isalkar: "Opening doors for homeopaths makes sense to some medicos" (2014/01/11) on Times of India]
インドでも、ホメオパシーは代替補完医療だが、「不足する通常医師を代替補完」するという別の意味も持っている。そして、そうすることで、インド政府は国民に"医療"を提供しているフリができるという面もある。
posted by Kumicit at 2014/01/11 17:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メモ「コロラド州が、予防接種忌避を難しくする州法改正を検討中」

米国は州別に予防接種の強制法規が違っている。何らかの理由で、子供への予防接種を親が拒否できる州法があちこちにあるが、次第に拒否できる範囲が狭められているもよう。
Colorado officials are considering tightening the rules for vaccinations, and may make it more difficult for parents to claim religious exemptions for their kids. Right now, opting out of inoculation is typically as easy as filling out a form. But if health officials approve the new policy, parents who want to exempt their kids from vaccine requirements for non-medical reasons will need to receive more education on the benefits and risks of vaccination first.

The state’s health department is considering the rule change in light of recent outbreaks of infectious diseases, like whooping cough and measles, that have been linked to vaccine denial. Federal officials have repeatedly warned parents that failing to vaccinate their kids leaves them vulnerable to contracting these illnesses, which have been on the rise lately.

コロラド州政府当局者は予防接種規定を強化し、宗教的理由により子供を予防接種から除外することを難しくすることを検討している。現時点では、書類に記入するだけで、予防接種からオプトアウトできる。しかし、健康当局者は、医学的理由以外で子供たちを予防接種からオプトアウトさせたい親は、予防接種のベネフィットとリスクについてまず教育を受けることを義務付ける新方針を認可している。

コロラド州保健省は、予防接種忌避に伴う、百日咳や麻疹などの最近の感染症のアウトブレークに鑑みて、法規定の修正を検討している。連邦政府当局は親たちに繰り返し、子供たちに予防接種を受けさせないことは、最近増大している病気感染に対して子供たちを脆弱なままにしておくものだと警告している。

vaccines.jpg
2012-13学校年度において、予防接種をしなかった幼稚園の比率 (白色<1.0% ..... 赤茶色≧6.0%)
[A Booster Shot for Vaccines (2014/01/05) on Washington Post]


Other states with high vaccination refusal rates, like Oregon and Washington, have also made it more difficult for parents to opt their kids out of vaccines.

オレゴン州とワシントン州など予防接種拒否率の高い他の州は、子供を予防接種からオプトアウトするのを難しくする措置を既にとっている。

[TARA CULP-RESSLER:"Colorado May Become The Latest State To Crack Down On Vaccine Denialism" (2014/01/06) on ThinkProgress]

posted by Kumicit at 2014/01/11 17:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

都合の良い聖書

聖書は都合よく利用するもののようである。

共和党Fincher連邦下院議員の、フードスタンプ削減の論拠はテサロニケの信徒への手紙二/ 03章 10節『実際、あなたがたのもとにいたとき、わたしたちは、「働きたくない者は、食べてはならない」と命じていました。 』[関連エントリ]

Stephen Fincher連邦下院議員のもうひとつの論拠はマタイによる福音書/ 26章 11節『貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。』[関連エントリ]

また、Faith Bible Baptist Churchはテモテへの手紙一 第5章を論拠に「飢饉のときも銭払え」「施しには対価を」「施しの対象は厳格に判断を」と主張する。[関連エントリ]

これらは、聖書には相反する記述が多くあるので、どうとでも使えることの例でもある。たとえば、申命記6章16節やルカによる福音書4章9〜12節では神を試してはいけないが、士師記6章36〜40節や列王記下20章8〜11節では神を試して、神はそれに応えている。[関連エントリ]

また、民数記 / 15章 32-36節で、神は言っている「土曜出勤は死刑」と。しかし、ヨハネによる福音書 / 5章 5-18節でOKになっている。[関連エントリ]

さらに局所的に引用することで、都合の良い論拠を創り出すProoftextingという手法まである。ランダムに二つ選んだら「ユダは立ち去り、首をつって死んだ。」(マタイによる福音書 / 27章 5節)と「そこで、イエスは言われた。『行って、あなたも同じようにしなさい。』」(ルカによる福音書 / 10章 37節)というジョークが有名。[関連エントリ]

実例は多い。たとえば、詩編2編4節「天を王座とする方は笑う」は、神がユーモアのセンスを持っていることを示すと言うWaren牧師。しかし、原文の意味は真逆。
詩編 / 2編 1-6節 地上の王は構え、支配者は結束して、主に逆らい、主の油注がれた方に逆らうのか。... 天を王座とする方は笑い、主は彼らを嘲り、憤って、恐怖に落とし怒って、彼らに宣言される。「聖なる山シオンで、わたしは自ら、王を即位させた。」[関連エントリ]

ちょっと違ったパターンで、地球は温暖化しないという立場で、聖書を読み上げる共和党Simkus連邦上院議員という例もある。[関連エントリ]

マタイによる福音書25章14-30節を論拠に、化石燃料を使いまくれと主張する保守的根本主義団体幹部もいる。「怠け者の悪い僕」と主人が呼ぶ、不信心者の僕は、預けられたタラントンを地面に埋めて、何もせず、儲けなかった。化石燃料を燃やすなとい言うのは、これと同じだと言う。[関連エントリ]

特に、論敵を攻撃するときに、脈絡もなく聖書を引用する者たちは、Bible thumper (英語圏全般)あるいはBible basher(英国・豪州・ニュージーランド)とと呼ばれる

政府による福祉を推進しようとする民主党オバマや共和党マケインたちを批判して、「神は貧者と貧窮者を助ける方法を聖書で3つ提示している。1) 家族 2)教会 3)個人の慈善だ。これらの3つ方法は以下の節にある。申命記14章28-29節と民数記18章24節とマタイによる福音書6章1-4節およびテモテへの手紙一 5章 3-16節である」と主張する者もいる。[関連エントリ]

さらに、テモテへの手紙一5章 3-10,16節とレビ記22章13節を引用して、教会による援助は「身寄りがない(生存する夫や子供や甥姪などがいない)、六十歳未満の者ではなく、一人の夫の妻であった、善い行いで評判の良い、子供を育てあげた、旅人を親切にもてなした、聖なる者たちの足を洗った、苦しんでいる人々を助けたと、あらゆる善い業に励んだ」未亡人に限定されると主張する者もいる。[関連エントリ]

このあたりを見てくると、日本の生活保護制度はとてもキリスト教的・聖書的であると思える。

posted by Kumicit at 2014/01/11 16:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする