特に最高気温35℃以上の日数の多さは注目すべきもの。というのは、原則として運動すべきでない気温だから...
屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度これらのうち、「激しい運動や持久走など熱負担の大きい運動は避ける。体力低いもの、暑さに慣れていないものは運動中止」という、事実上、運動をやめるべき31℃以上について見てみる。以下は、1日の内で、31℃以上である時間を2000〜2013年について、東京の気温を見たものである:
屋内:WBGT = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
気温(参考) WBGT温度 熱中症予防のための運動指針 35℃以上 31度以上 運動は原則中止 WBGT温度が31度以上では、皮膚温より気温の方が高くなる。
特別の場合以外は運動は中止する。31〜35℃ 28〜31度 厳重警戒 熱中症の危険が高いので激しい運動や持久走など熱負担の大きい運動は避ける。運動する場合には積極的に休息をとり水分補給を行う。
体力低いもの、暑さに慣れていないものは運動中止。28〜31℃ 25〜28度 警戒 熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり、水分を補給する。
激しい運動では、30分おきくらいに休息をとる。24〜28℃ 21〜25度 注意 熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに運動の合間に積極的に水を飲むようにする。24℃まで 21度まで ほぼ安全 通常は熱中症の危険性は小さいが、適宜水分の補給は必要である。
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意
[日本体育協会(1994) 熱中症予防のための運動指針より quoted by 国立環境研究所]
かなりの時間が31℃以上になっていることがわかる。集計すると...
31℃以上が1〜3時間程度なら、涼しい時間帯に運動することはありえる。しかし、4〜7時間ともなると、あまり運動を元気よくできる時間帯はなくなる。8時間以上ともなると、昼間運動できるのはごく限られた時間になる。
過去13年間を見る限り、東京では、おおよそ年間30日程度は、一日4時間以上、気温が31℃を上回っていると想定すべきだろう。すなわち、おおよそ年間30日程度は、あまり運動を元気よくできる昼間時間帯はあまりないと想定すべき。