2014/08/15

信仰療法により子供を死なせた事件のその後(1) Dale & Leilani Neumann夫妻

信仰療法を信じ、若年型糖尿病の娘Madeline Kara Neumann(当時11)を病院に連れて行かずに死なせた事件で、両親が重過失致死を問われた事件は、最終的に有罪が確定し、両親Dale NeumannとLeilani Neumannが今後6年間にわたり、毎年30日間の収監、10年間の保護観察の判決が確定。その後、刑の執行が猶予されていたが、郡裁判所が刑の執行を認めた。

  • 2008年3月23日
    2008年3月23日、Madeline Kara Neumann(11)は、あまりに弱っていて、歩くことも話すこともできなかった。彼女の両親は、神のみが病を癒せるのだと信じており、神に娘の回復を祈ったが、医者には連れて行かなかった。カリフォルニア州から来た叔母が、ここの保安本部を呼び、病気の子供の救出を狂わんばかりに訴えた。救急車がWausau郊外のNeumannの家に来て、Karaを急いで病院に運んだ。病院に到着したとき、Karaは既に死亡していた。[NY Times (2009/01/20)]
    MKNeumann.jpgDLNeumanns.jpg


  • 2009年5月23日
    Marathon County陪審は、Leilani Neumannが11歳の娘Madeline Kara Neumannの死について第2級殺人で有罪と評決し、検察が裁判衣装医した。保釈金を積んで保釈されて、判決を待っていたLeilani Neumannは、娘を医者に連れて行かずに、回復祈願することで死なせた件で有罪判決を受けた。Leilani Neumannは刑事司法制度および世論の法廷と戦うことに14ヵ月を費やした。両方とも、彼女が宗教信仰をとったことを非難した。[wausaudailyherald 2009/05/23)]

  • 2009年10月6日
    両親Dale Neumann (47)とLeilani Neumann(41)は、今後6年にわたり、毎年30日間の収監及び、10年間の保護観察の判決を受けた。[NY Times (2009/10/07)]

  • 2013年7月2日
    ウィスコンシン州最高裁は、信仰療法が州法の定める児童虐待及びネグレクトの例外規定にはあたらないとして、「今後6年にわたり、毎年30日間の収監及び、10年間の保護観察」の判決を支持する判決を下した。[JS online (2013/07/03)]

  • 2014年1月30日
    Marathon郡Greg Huber裁判官は刑の執行を認めた。ただし、Dale Neumannの収監時期は9月まで猶予された。[WSAW (2014/01/30)]

posted by Kumicit at 2014/08/15 06:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/08/14

次第にエボラ対応に習熟しているウガンダ

エボラの人間への感染そのものは避けがたいので、発生時の対応により、感染を制御し、感染者・死者の数を限定することが重要だという。Tara C Smith准教授はウガンダが次第に対応に習熟してきていると指摘する。
The outbreaks in these countries are bad currently, but for the future, we can look at Uganda as a model. The first outbreak in that country, beginning in 2000, resulted in 425 cases and 224 deaths. The second outbreak in 2008 resulted in 149 cases and 37 deaths. In 2011, they had a single case with no secondary spread. In 2012, 11 cases and 4 deaths. 2012, 6 cases and 3 deaths. It’s probably impossible to stop Ebola from spilling over into the human population, but Uganda has done a great job responding.

[Tara C. Smith: "A historical perspective on Ebola response and prevention" (2014/08/07)]
実際に繰り返されるアウトブレイクの際の感染者数と死亡数を見てみると...
EbolaUganda.JPG
[Source;WHO]

ウガンダよりはうまくいっていないが、かつては200名以上の死者を出していたコンゴ民主共和国も...
EbolaDRC.JPG
[Source;WHO]

posted by Kumicit at 2014/08/14 03:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | Disease | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/08/12

強固にエボラの存在を否定する人々、考えを変える人々。

WHOエボラ集計値(2014/08/09時点)は以下のように推移している。
Ebola_20140811.JPG
急増の勢いではないが、まだ感染は拡大し続けている。エボラウィルスがこれまでのアウトブレイクと同様のもので、特に性質を変えていないにもかかわず、感染がこれまでよりも広範囲かつ多人数に及んでいるのは...

これまで取り上げてきたように(7/25, 7/27(1), 7/27(2))、エボラ感染域であるギニア・リベリア・シエラレオネでは、政府不信の陰謀論からエボラ対策がなかなか進められていない。
  • エボラは政府の銭獲得手段で、実在しないと人々は考え、エボラ対策を無視する
  • 病院で殺されると考えて、家族が感染者を病院から連れ出す
  • 外国援助団体が病気をばらまいていると考え、国境なき医師団などを排除する

また、死体に触れる伝統宗教の葬儀が感染を拡大している。エボラ感染者を伝統的治療師のもとへ連れていく例もある。ナイジェリアでは、聖職者や伝統的治療師たちが、エボラアウトブレイクを商機として行動し始めた

これに対して、赤十字は伝統的治療師たちもをエボラ対策に取り込むという地道な作業も行っている。また、地元民の噂やエボラについての認識をしらべて、コミュニケーションチームの支援にあたる人類学者や、医療スタッフが現地に立ち入れるよう対話する赤十字コーディネーターたちが、抵抗が強く立ち入れなかった集落へ、医療スタッフが立ち入れるように交渉をしている(BBC 2014/7/29)。

公衆衛生キャンペーンが行われ、シエラレオネでも少しづつ結果が出ているようである。
In bustling downtown Freetown, Yeanoh Papas says she had been living in constant fear of contracting the Ebola virus, especially when her child took ill.

"We've been told there's no cure for it, and because of all the fright around it, we are even afraid of reporting ourselves to the hospital," she says. "My daughter fell sick recently, and I was so frightened I did not take her to the hospital. I called on one of my sisters, who is a nurse, and she came and treated her at home. And now my daughter is well again. Whatever ailment comes our way now, they say is Ebola. So we're all frightened."

Employees of a petroleum company in Liberia help to curb Ebola's spread via a public health awareness campaign Monday. West Africa is facing its first Ebola outbreak, so questions abound.

But now that Papas understands more about Ebola, she says, she would take her daughter or herself to the hospital if she detected symptoms.

フリータウン市の賑わうダウンタウンで、Yeanoh Papasは、エボラウィルス感染に怯えてきたという。特に子供が病気になったときは。

「私たちはエボラの治療法がないと聞かされています。エボラに近づくことも怖いので、病院に感染を報告することも怖いのです。私の娘が最近、病気になりました。私は怖くて、病院に連れていけませんでした。それで私は、看護婦をしている妹の一人を呼びました。彼女が家で看護してくれました。そして、娘は元気になりました。どんな病気になっても、彼らはエボラだと言うでしょう。なので、あらゆることが怖いのです。」とYeanoh Papasは語った。

リベリアの石油会社の従業員たちが、月曜の公衆衛生意識向上キャンペーンを支援してエボラ感染抑制に協力している。アフリカ西部では初めてのエボラアウトブレイクであり、人々の疑問は多い。

しかし、Yeanoh Papasはエボラについてもっと知っている。彼女は「娘に症状が今度出たら、病院に連れていきます。自分に症状が出たら、病院に行きます」と言った。

[OFEIBEA QUIST-ARCTON: "Skeptics In Sierra Leone Doubt Ebola Virus Exists" (2014/08/06) on NPR]
しかし、未だ強固にエボラの存在を否定する者たちもいる。
Opinions are mixed, but there's a strong dose of Ebola deniers − those who don't believe the virus exists at all. Zainab Koroma, a street hawker, is adamant it isn't real.

"I do not believe Ebola exists because none of my family members has been affected by it," she says. "When you get sick of cholera, they say it is Ebola. When your body temperature rises, they say it is Ebola. So I honestly don't believe Ebola exists. There could be a lot of other diseases killing people."

意見は入り乱れているが、強固にエボラウィルスの存在を否定する者たちも少数いる。行商人をしているZainab koromaは、断固としてエボラは実在しないと考えている。

「エボラウィルスの存在を私は信じていません。家族は誰も感染していません。コレラに感染しても、彼らはエボラだと言うでしょう。体温が上がれば、エボラだと言うでしょう。なので、私はまったくエボラの存在を信じていません。人が死ぬ病気はたくさんあるのです」と彼女は言う。

[OFEIBEA QUIST-ARCTON: "Skeptics In Sierra Leone Doubt Ebola Virus Exists" (2014/08/06) on NPR]
家族に病院から連れ出された感染者Saudata Koroma (32)のケースでも、家族の強固なエボラ否定が見て取れる。彼女を担当していた医師Amadu Sesayによれば、まだまだエボラについての教育が必要である。
"The question is actually denial. When we traced them [Koroma's parents], eventually, where they kept her hidden, they still were not convinced she had Ebola," Sesay says. "They chased us away. They said she doesn't have Ebola. They denied. That sends a very dangerous message out there."

「問題は否定論です。最終的にあ私たちがSaudata Koromaの両親を探し出したとき、両親は彼女を隠し続けました。彼らは娘がエボラに感染したとは納得していませんでした。彼らは私たちを追い出しました。彼らは娘はエボラに感染していないと言いました。エボラを否定しました。彼らはとても危険なメッセージをまき散らしています。」とSesay医師は述べた。

[OFEIBEA QUIST-ARCTON: "Skeptics In Sierra Leone Doubt Ebola Virus Exists" (2014/08/06) on NPR]
すべての人々を説き伏せるのは不可能かもしれない。それでも、公衆衛生キャンペーンも続けて、できる限り多くの人々が、エボラが実在することを受け入れ、感染しやすい行動をとらないようになるようにするほかない。
posted by Kumicit at 2014/08/12 21:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | Disease | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/08/11

ジェフ・ロッセンの「学校の放射性ラドンガス」(2012/2/29)

以前から、米国英国などでは、地下から出てくるラドンガスによる屋内汚染を健康リスクとして対策にあたっている。汚染状況はたとえ隣家であっても違っており、個々に検査し、基準値(米国148Bq/m3, 英国200Bq/m3など)を超えた場合は、対策をとることが推奨されている。

ラドン検査を推奨する公共広告も作られている。


とはいえ、なかなかラドン検査と対策は進んでいないようで、2012年2月には、ちっとも進まない学校のラドン対策にJef Rossenが斬りこんでいる。

特にラドン濃度の高い教室だと、原発労働者を上回る放射線被曝となることが、20年前からわかっていたが、なかなか対策は進んでいなかったようである。そして、この放送から2年経過したが、特に状況が大きく変化した様子は見られない。
posted by Kumicit at 2014/08/11 23:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メモ「ゴリラのエボラとワクチン」

2007年、ウェストローランドゴリラはエボラのアウトブレイクで存亡の危機にあった。
Western gorillas, by contrast, live mostly on fruit, a scarcer resource that draws different groups of gorillas and chimpanzees to the same trees at different times of day. "They defecate and urinate in and around the trees," says Walsh, leaving infected body fluids to sicken the next group. Gorillas also examine the bodies of dead apes they come upon, perhaps because they're smart enough to want to know if whatever claimed that life is a threat to them. This provides another means of direct transmission.

ウェストローランドゴリラは大半は果物で生きており、果樹が乏しいために、複数のゴリラの集団やチンパンジーの集団が、同じ果樹を違う時間帯に利用している。「彼らは、果樹のまわりで、うんこやおしっこをする。残された液体によって、次にやってきた集団への感染が広まる。」とWalshは言う。ゴリラは知能が高く、死因を知ろうとして、類人猿の死体を調べようとする。これが直接的な感染経路になる。

[Why Ebola is Killing Gorillas (2007/04/26) on TimeCNN]
2004年のアウトブレイクで、5000頭以上が死んでいた
Over the last decade human outbreaks of the deadly Ebola virus in Africa have been repeatedly linked to gorilla and chimpanzee deaths in nearby forests. Hotly debated has been whether these wild ape deaths were isolated incidents or part of a massive die-off. New research published in the journal Science puts this debate to rest, providing strong evidence that Ebola killed at least 5,000 gorillas at a single site. The study also provides new hope for controlling the devastating impact of Ebola on wild gorilla and chimpanzee populations

過去10年、アフリカでの人間のエボラウィルスのアウトブレイクが繰り返し、周辺森林でのゴリラとチンパンジーの死につながってきた。これらの死亡が、孤立した事象なのか、大量死の一端なのか議論されてきた。Sciennceに掲載された新たな研究は、一か所で少なくとも5000頭がエボラで死亡した強力な証拠を提示し、議論にひとまず終結させた。さらに、この研究は、野生のゴリラとチンパンジー集団に対する破壊的なエボラの影響を制御する希望を提示している。

[Magdalena Bermejo et al: "Ebola Outbreak Killed 5000 Gorillas", Science 8 December 2006: Vol. 314 no. 5805 p. 1564 ]

At least five candidate human vaccines have been shown to protect monkeys in the lab against Ebola infection, says Walsh, who is pushing to try one in the wild. “There are technical hurdles to jump through. But they're surmountable,” he says.

「少なくとも5つの、人間用ワクチン候補がサルのエボラ感染防止に効果があることが実験室レベルで示されていた。まだ越えなければならない技術的ハードルがあるが、克服は可能だ」と野生でのワクチン実験を推進するPeter D. Walshは言う。

[Gretchen Vogel: "Tracking Ebola's Deadly March Among Wild Apes", Science 8 December 2006: Vol. 314 no. 5805 pp. 1522-1523]
ワクチンによる感染防止の可能性はこのとき指摘されていた。しかし、Peter D. Walshは、その後もワクチンの効果を検証中である。

一方、ウェストローランドゴリラはというと2012年には...
The adult females left in the population have given birth to several new gorillas − all positive signs that this group will recover and repopulate the area. Six years post-Ebola, the gorilla population had returned to the same demographics as it had before the virus hit, though not the same numbers − yet.

群れに残っていた大人の雌が新たなゴリラを数頭生んでおり、これらは群れの個体数が回復しつつあり、地域に再定着しつつあることを示している。エボラアウトブレイクから6年が経過し、ゴリラの群れの個体数はアウトブレイク前の数には至っていないが、以前の水準にはもどっている。

[Jennifer Welsh: "Gorillas Rebuilding After Ebola Outbreak" (2012/06/18) on LiveScience]
際限なき感染拡大には至らず、個体数が激減したウェストローランドゴリラも個体数を回復しつつあり、ひとつのアウトブレイクは終わったようである。

しかし、未だゴリラやチンパンジーのエボラ感染拡大を防ぐ手段は確立されていないようである。



posted by Kumicit at 2014/08/11 23:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | Disease | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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