2008/06/22

ルイジアナ州反進化論州法をめぐる戦いは、まだ終わっていない

民主党Ben Nevers州上院議員の提案によるルイジアナ州の反進化論州法案SB733は2008年6月18日にルイジアナ州上院が州下院修正を承認し、6月17日に州上下両院議長が署名して、6月18日に共和党のBobby Jindal州知事に送られた。

Bobby Jindal州知事は2008年6月15日放映のCBS News"FACE THENATION"において、この州法案を支持するような発言をしており、署名しそうに思われる。

==>忘却からの帰還:ルイジアナ反進化論州法案の州下院修正を州上院が承認 (2008/06/16)

しかし、cdesign proponentsists"でおなじみBarbara Forrest教授などが、Jindal州知事に対して拒否権発動を求める緊急行動をしている。

==>忘却からの帰還:州知事に拒否権を求めるLCS, Barry Lynn牧師も (2008/06/20)

これがムダかというと、どうもそうでもない。というのは、Bobby Jindal州知事は共和党大統領候補John McCain連邦上院議員の副大統領候補に選ばれそうだからだ。ここで、1987年のEdward v Aguillard裁判の連邦最高裁での創造科学を公立学校の理科で教えることは政教分離原則に反するという判決が出て以降、初めての反進化論州法に署名した州知事という、おバカな評価を受けるのはまずい。おそらく、おなじみBarry Lynn牧師率いるAmericans United for Separation of Church and Stateの支援のもと裁判が起こされ、それが選挙戦にダメージになるだろう。となると、ここでは、本人の希望(インテリジェントデザインも教える)に反しても、拒否権を発動するという選択もありうる。

それは、民主党州上院議員が提案し、民主党が過半数を占める州議会で可決された反進化論州法案に対して、インテリジェントデザインも教えることを支持しているらしい共和党州知事が拒否権発動するという、いささか冗談のような事態だが。

ところで、州上院 36対0, 州下院 94対3で可決されているために、拒否権発動しても、州議会によって拒否権を無力化されそうに見えるが、そうでもない。

州議会2007-2008セッションで可決された州法案のうち3つにBooy Jindal州知事は拒否権を発動しているが、いずれも圧倒的多数で可決されたものばかりである。

  • HB231(州下院75対16, 州上院35対0)
  • HB418(州下院87対0, 州上院35対0)
  • SB401(州下院96対0, 州上院38対0)
しかし、審議日程の都合などによるものなのか、いずれも拒否権を無力化できていない。

そして、ルイジアナ州議会サイトによれば、会期切れは2008年6月23日である。Bobby Jindal州知事は、2008年6月20日夜時点で、このSB733に署名もしてないし、拒否権も発動していない。

まだ、ルイジアナ州反進化論州法をめぐる戦いは終わっていない。

posted by Kumicit at 2008/06/22 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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