How one man's invention is part of a growing worldwide scam that snares the desperately ill
世界的成長する、わずかの希望に望みをかけている患者に対する詐欺において、ひとりの発明がいかなる役割を果たしたか
Michael J. Berens and Christine Willmsen, Seattle Times staff reporters
最終更新 2007年11月19日
Performer, pretender
昨年、ブダペストで開催された国際EPFX会議で、歓声を上げる数百の聴衆たち、エネルギー医療装置のオペレータや購入希望者たちの前へ、ステージへとWilliam Nelsonは飛んできた。聴衆たちは立ち上がって拍手喝采した。
William Nelsonは、EPFXを使って、癌やAIDSをどうやって治療したか説明した。
「私は天才だ(It helps that I'm a genius)」とWilliam Nelsonは聴衆に向かって話した。
しかし、それは、William Nelsonの見た目とは何の関係もない。ステージ上で、彼は白いドレスとヒールをはいて厚化粧をしていた。
「教師ではなく、教えている内容で判断してほしい」と彼は聴衆に、心休まるバリトンの声で告げた。William Nelsonは洗練されたパフォーマであり、面白くて、自信に満ちた、威厳のある、天性のセールスマンである。
その後、彼は芸名Desire Dubounetとして、彼のラウンジ"Club Bohemian Alibi"でロックを歌った。
このようなWilliam Nelsonの姿をほとんどの患者は知ることがない。
ブダペストのダウンタウンにある、彼のレストアされた5階建てのビルで、WilliamNelsonはEPFXビジネスの主力"Eclosion"を運営し、5人目の妻と8歳の息子と住んでいる。彼は料理人や美容師や乳母や警備員や運転手を含む約1ダースの専属スタッフを雇っている。
William Nelsonは、自ら所有する映画制作スタジオで、自身を代替医療の改革運動者と持ち上げ、FDAを堕落した悪者として描写した映画を製作した。
彼は世界中で17000台のEPFXを売ったと言う。それらの価格は現在1台あたり19,900ドルである。
William Nelsonは自身の人生について驚異的な主張をしている。ティーンエイジャーとしてアポロ13号のミッションのトラブルを救援するためにNASAと契約して働いたと言う。彼は1968年のオリンピック体操チームの補欠メンバーだったと自慢する。彼は医学および法学を含む8つの学位を持つと言う。(履歴書参照)
どれも裏が取れない。NASAには彼を雇ったという記録はない。彼はオリンピック選手ではなかった。彼の学位は非認定校や通販会社からのものである。
実際は、大学の記録によれば、William Nelsonは33歳の時、オハイオ州のYoungstown State Universityの数学の非常勤講師(part-time mathematics instructor)だった。
熱心なスタートレックのファンとして、自閉的な息子の父親として、William Nelsonは、身体を治療するための、現代数学と代替療法を混合した宇宙時代の装置を作ることに取りつかれたようになった。
1984年に、彼は家族とともにコロラド州に引っ越して、"Electro-Physio-Feedback-Xrroid System"あるいはEPFXという名の自家製医療装置を販売するようになった。
William Nelsonは自社をバイオフィードバックマシンの製造業者として1989年にFDAに登録した。それはストレス軽減装置だけを売れる登録である。法的には、その装置が病気を診断あるいは治療できると主張してはならない。
しかし、彼はいずれにせよ、そう主張した。1992年に当局は、その誤った主張を禁止し、さらにEPFXの回収を命じた。しかし、彼は治療装置の販売を続けた。
彼は1996年に重罪詐欺の9つの訴因で起訴され、米国外へ逃亡した。(訴状参照)
そして、"Eclosion"はFDAに登録されたままである。
今日、William Nelsonの販売帝国は32か国に及び、米国内に数十の卸売業者や代理店やトレーナーがいる。トップセラーは高額のコミッションやトロピカルクルーズやBMWセダンを手に入れた。
北西太平洋岸の地域マネージャであるEmma Robinsonは、BMWセダンを手にしたひとりである。彼女は週あたり7000ドルを販売コミッションおよびクリニック(オレゴン州WildervilleにあるQuantum Pacific Wellness Center)での患者治療で稼いでいると語っている。
William Nelsonと卸売業者は、アニメーションや音楽やビデオや質問に答えるオペレーターを満載した豪華なWebサイトを、インターネットに充ち溢れさせている。
ポップスターBritney Spearsの治療者として、バイク乗りLance Armstrongの指圧療法師としてのコマーシャルを含む、攻撃的なマーケティングによって、EPFXの売り上げは激増した。
William Nelsonが聴衆に向かって言ったところによれば:従来の医師は病気の根本原因ではなく、症状に対してのみフォーカスした治療を行って、予約を取った患者を速やかに帰らせる。EPFXは手術や薬剤を使わずに、全身を治療する。
開業医(治療の実行者)は患者と健康問題について会話することを奨励される。EPFX治療は典型的には1時間かかる。治療後は、相当数の患者が気分が前よりも良くなったと報告する。
エネルギー医療装置のオペレータは患者が症状の改善を感じるプラセボ効果という心理学的現象から利益を得ている。その症状の改善は、科学的には治療とは関連していないと研究によって示されている。専門家によれば、暗示あるいは患者が症状が改善の感じると期待していることによって、患者は症状の改善を感じている。
EPFXは、身体のカラーグラフィックスでいっぱいなソフトウェアを走らせる回路基盤とその他のコンピュータコンポーネントから構成されている。典型的なEPFX治療の間、患者は、コレステロールを示す白い点で流れを阻まれた動脈内部のアニメーションを表示するコンピュータ画面を見る。次第に白い点は小さくなっていって消える。
数万人がWilliam Nelsonの宣伝に説得力があると思っている。「伝統的医師たちは、あなたがたにEPFXを使ってもらいたくない思っている。彼らはあなたがたに、それは詐欺だと告げるでしょう。何故なら、彼らはEPFXに脅威を感じているからです。私は彼らを失業させるようなものを発見したのです。そして、彼らはあなたがたにそれを手に入れてほしくないのです」とWilliam Nelsonと言う。
彼の熱情は、Emma Robinsonと同じくEPFXの地域販売マネージャであるの夫のJohnにも共有されている。彼はこの医療装置がほとんど何でもできると言う。「それは私が知る限り、最も神に近いものだ」
Honor-system loophole 自主管理制度の隙間
1997年に議会は、医療装置の出荷をより安価かつ迅速にできるように、米国食品医薬品局(FDA)緩和法を可決した。
Seattle Timesの分析によれば、これにより、エネルギー医療装置製造業者の数は過去10年で45%増の462社に達した。
さらにFDA緩和法は、低リスク装置の製造業者の多くに、装置が動作して安全であることを証明する書類の提出を免除した。
規制当局は、製造業者のつくる装置を分類して、自主管理制度のもとに置く。一部の製造業者が好んでとる戦略は、自分たちの装置をバイオフィードバック装置と発表することである。法的には、その装置はストレス軽減にのみ使用できる。
しかし、Seattle Timesは、数十のバイオフィードバック装置が、かけ離れた主張とともに出荷されていることを発見した。たとえば:さらに、健康状態の改善は、実際に起きたことをコンピュータ画面に表示される。
- Energetic Medicine Research Ltd.社が出荷するLIFE Systemを使っている開業医は、患者に対して「完全な診断と治療システム」を提供すると言う。彼らは、その装置が臓器/器官の健康状態を診断し、アレルギーから歯科関連まで、健康阻害要因を除去できると主張する。
- FDAに登録されたハンガリーの会社Hippocampus-Brt Ltd.は、製品Mobile Cell-Comは、短時間の治療でアレルギーを治療し、身体の免疫系を強化し、炎症性疾患の症状を改善できると断言する。
- Inergetix-CoRe Systemという製品を販売するカリフォルニアを本拠地とするInergetix Inc.社は、体の器官と体系を診断して、バランスをとれると主張する。
Installed in a hospital 病院への納入
3年前、EPFXオペレーターたちは、大成功を収めた。彼らはミズーリ州Springfieldのベッド数866のSt John's Hospitalという米国の病院へ2台の装置の導入に成功した。
William Nelsonは、主流医療機関がEPFXを認めた証明としてマーケティングに利用した。
金曜日に、病院管理者は、どうやってEPFX装置の導入が承認されたかの調査を開始した。病院管理者たちは問題の所在をSeattle Timesの報道によって知った。
その装置が使われている部門で働く正看護婦Fiath Nelsonは、EPFXの地域販売マネージャであることが、記録からわかった。(なお、彼女はWilliam Nelsonの親族ではない)
さらに、その部門を監督する副院長Susan Blackardは、全世界のEPFXオペレータのためのトレーニングセッションを実施していたことが、記録からわかった。
正看護婦でもあるBlackardは、昨年のブダペストでの会議で数百人をトレーニングしていた。
コメントを求めたが、Faith NelsonとBlackardはいずれも、回答しなかった。
St. John's Hospitalの広報担当Cora Scottは、William NelsonおよびEPFX販売ネットワークと、全従業員の関係をレビュー中だと述べた。
この病院はSisters of Mercy Health Systemによって所有されている。そこの担当者は、2台のEPFX装置はストレス解消のためのみ使用されるだろうと述べた。
One operator cut off, case closed
ワシントン州政府規制当局が最初にEPFXについて知ったのは2004年4月に、Puyallupの医師が、EPFXを使っているTacomaの無免許の健康管理開業医についての告訴を当局に提出したときだった。
州政府の調査官John Kozarは告訴を調査し、自らのスパでEPFXを使っていたJanet Zibellと面談した。
これと同時に、John Kozarはワシントン州全域にEPFXを使う他のオペレーターたちがいることを知った。彼は上司に「この装置が、無免許の人々によって、患者の病気の診断と治療に使われている」と報告している。
州の記録によれば、Janet Zibellは州の調査官に対して、EPFXをバイオフィードバック装置として、ストレス軽減のためにのみ使用していると回答した。ワシントン州を含むすべての州で、バイオフィードバックには免許は不要である。
Janet Zibellは装置をどう使っているかを調査官に示すために、Olympiaにある保健省本部でEPFX治療を行った。Janet Zibellは州調査官Carol NevaをEPFXに接続した。デモンストレーションで、Janet Zibellは装置が結腸で寄生虫を感知し、装置の電気周波数で寄生虫を消去したと言った。
それだけで調査官には十分だった。Janet Zibellは停止命令を受けた。Janet ZibellはEPFXを病気の診断および治療に使わないことに同意した。保健省は調査を終わり、事件は終わった。記録によれば、John Kozarが警告した他のEPFXオペレータについて調査しなかった。
オレゴン州では、規制当局は違ったアプローチをとった。
オレゴン州カイロプラクティック審査委員会はこの年の初めに、指圧療法士によるEPFX使用を禁じた。「この装置は完全なペテンである。どう機能するのか、論理的説明がない」と委員長のDave McTeagueは述べた。
(つづく)
William Nelsonが芸名Desire Dubounetとして、彼のラウンジ"Club Bohemian Alibi"で歌ったシーン:
Seattle TimesのWilliam Nelson写真集...(もっと見たい人は、<リンク先へ)
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ありがとうございました。