聖書には殺戮シーンが多くある。たとえば...
...
マタイによる福音書 2章 16-18節もちろん、神様自身も虐殺を繰り返す。
さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。
こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。ラケルは子供たちのことで泣き、/慰めてもらおうともしない、/子供たちがもういないから。」
Pacecco de Rosa (Francesco de Rosa) (1600-1654): The Massacre of the innocents (1640) at the Philadelphia Museum of Art
かなり小規模なものでもこの程度:
民数記 / 16章 31-35節また、神様は殺せと命じる。たとえば...
こう語り終えるやいなや、彼らの足もとの大地が裂けた。地は口を開き、彼らとコラの仲間たち、その持ち物一切を、家もろとも呑み込んだ。彼らと彼らに属するものはすべて、生きたまま、陰府へ落ち、地がそれを覆った。彼らはこうして、会衆の間から滅び去った。彼らの周りにいた全イスラエルは、彼らの叫び声を聞いて、大地に呑み込まれることのないようにと言って逃げた。また火が主のもとから出て、香をささげた二百五十人を焼き尽くした。
[Domenico Beccafumi (1486-1551): "The Punishment of Korah"(1538) ]
出エジプト記 32章 25-29節これに絡んで、聖書の矛盾をリストアップするサイトSkeptic Annotated Bibleは、「神は殺人を禁じているのか、命じているのか」という項目を載せている:
モーセはこの民が勝手なふるまいをしたこと、アロンが彼らに勝手なふるまいをさせて、敵対する者の嘲りの種となったことを見ると、宿営の入り口に立ち、「だれでも主につく者は、わたしのもとに集まれ」と言った。レビの子らが全員彼のもとに集まると、彼らに、「イスラエルの神、主がこう言われる。『おのおの、剣を帯び、宿営を入り口から入り口まで行き巡って、おのおの自分の兄弟、友、隣人を殺せ』」と命じた。
レビの子らは、モーセの命じたとおりに行った。その日、民のうちで倒れた者はおよそ三千人であった。
モーセは言った。「おのおの自分の子や兄弟に逆らったから、今日、あなたたちは主の祭司職に任命された。あなたたちは今日、祝福を受ける。」
The Book of Exodus
Skeptic Annotated Bible: To kill or not to killこれについてのキリスト教徒な反論サイトは、次のように矛盾がないと反論する:
出エジプト記 / 32章 27節
And he said unto them, Thus saith the LORD God of Israel, Put every man his sword by his side, and go in and out from gate to gate throughout the camp, and slay every man his brother, and every man his companion, and every man his neighbour.
彼らに、「イスラエルの神、主がこう言われる。『おのおの、剣を帯び、宿営を入り口から入り口まで行き巡って、おのおの自分の兄弟、友、隣人を殺せ』」と命じた。
出エジプト記 / 20章 13節
Thou shalt not kill
殺してはならない。
出エジプト記 / 23章 7節
Keep thee far from a false matter; and the innocent and righteous slay thou not: for I will not justify the wicked.
偽りの発言を避けねばならない。罪なき人、正しい人を殺してはならない。わたしは悪人を、正しいとすることはない。
Answering The Atheist -- May 12, 2002 / Volume 2, Issue 19これは良い収穫物。神が殺せと命じれば殺人はむしろ積極的に行わなければならないようだ。もちろん侵略も、非戦闘員虐殺もOK:
THE ATHEIST'S COMPLAINT:
God forbids killing (Exodus 20:13). And yet God commands killing (Exodus 32:27).
RESPONSE:
Let us see the two texts in question:
You shall not murder. (Exodus 20:13)
殺してはならない。
And he said to them, 'Thus says the LORD God of Israel: ‘Let every man put his sword on his side, and go in and out from entrance to entrance throughout the camp, and let every man kill his brother, every man his companion, and every man his neighbor.' (Exodus 32:27)
彼らに、「イスラエルの神、主がこう言われる。『おのおの、剣を帯び、宿営を入り口から入り口まで行き巡って、おのおの自分の兄弟、友、隣人を殺せ』」と命じた。
The questioner is incorrect in saying "God forbids killing". What He does forbid is murder. However, not all killing is murder. Exodus 32 is the record of God's judgment upon His people for their idolatry. It is not God violating His own law, but upholding His own law (see Exodus 20:4-5).
質問者は「神は殺し(killing)を禁じている」と誤って言っている。神が禁じているのは殺人(murder)である。しかし、すべての殺し(killing)は殺人(murder)ではない。出エジプト記32章は神の民の偶像崇拝に対する神の裁きを記録したものである。神が神の掟に反しておらず、神の掟を守っている。
There is no contradiction.
従って、矛盾はない。
民数記 / 31章 1-18節このあたりからすると、「神の似姿で神によって創造された人間という命題によって、人間の尊厳が保証される」は正しいのかもしれない。
主はモーセに仰せになった。「イスラエルの人々がミディアン人から受けた仕打ちに報復しなさい。その後、あなたは先祖の列に加えられるであろう。」
モーセは民に告げた。「あなたたちの中から、戦いのために人を出して武装させなさい。ミディアン人を襲い、ミディアン人に対して主のために報復するのだ。イスラエルの全部族から、部族ごとに千人ずつを戦いに送り出しなさい。」
それで、イスラエルの諸部隊から部族ごとに千人ずつ、総計一万二千人の兵が選び出されて武装した。モーセは、部族ごとに千人ずつの兵を戦いに送り出し、祭司エルアザルの子ピネハスを、聖なる祭具と出陣に吹くラッパをその手に持たせて、彼らと共に送り彼らは、主がモーセに命じられたとおり、ミディアン人と戦い、男子を皆殺しにした。その死者のほかに、ミディアンの王たち、エビ、レケム、ツル、フル、レバという五人のミディアンの王を殺し、またベオルの子バラムをも剣にかけて殺した。イスラエルの人々はミディアンの女と子供を捕虜にし、家畜や財産、富のすべてを奪い取り、彼らの町々、村落や宿営地に火をつけて、ことごとく焼き払った。
彼らが人や家畜など、戦利品と分捕ったものをすべて集め、それらの捕虜、分捕ったもの、戦利品を従えて、ヨルダン川を挟んでエリコの対岸にあるモアブの平野に陣を張っていたモーセと祭司エルアザル、およびイスラエルの人々の共同体のもとに戻って来たので、モーセと祭司エルアザルおよび共同体の指導者全員は、宿営の外に出て来て彼らを迎えた。
モーセは、戦いを終えて帰還した軍の指揮官たち、千人隊長、百人隊長に向かって怒り、彼らにこう言った。「女たちを皆、生かしておいたのか。ペオルの事件は、この女たちがバラムに唆され、イスラエルの人々を主に背かせて引き起こしたもので、そのために、主の共同体に災いがくだったではないか。直ちに、子供たちのうち、男の子は皆、殺せ。男と寝て男を知っている女も皆、殺せ。女のうち、まだ男と寝ず、男を知らない娘は、あなたたちのために生かしておくがよい。
[via 佐倉哲:"殺せ!と神が命じるとき--宗教殺人について"]
■豚肉とコーラと倫理の究極の問題
http://tkido.blog43.fc2.com/blog-entry-273.html
>すべての殺し(killing)は殺人(murder)ではない。
とか無理のある言い方はせず「だって神様だから」
としたほうがむしろ都合がいいと思います。