米国ユタ州の地方紙Deseretnews.comに、ペンシルベニアでのインテリジェントデザイン理科教育侵入に対する違憲判決に絡めて、ユタ州で反進化論活動をしている州上院議員の記事があった。
'Design' ruling doesn't alter Buttars' plan (2005/12/23)
Buttars mum on 'design'(2005/12/21)
このChris Buttarsユタ州上院議員は63歳。ユタ州立大学卒業の共和党員にしてモルモン教徒。
まずはButtars議員は、昨年夏から秋にかけて、理科ではない授業でインテリジェントデザインを教えるように提案したが、教育委員会に撃退された。
The idea of intelligent design in Utah classrooms sprung up last summer, when Buttars said parents complained their children were being taught that they evolved from apes.
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Last fall, Buttars did propose teaching intelligent design — the concept that life is too complex to be explained by Charles Darwin's theory of evolution alone ; in a separate class, such as philosophy or humanities.
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The Utah Board of Education in the fall approved a position statement that continues to support the teaching of evolution in high school biology, where it is a central part of the core curriculum.
The statement passed unanimously after the board heard several scientists and professors from universities, including LDS Church-owned Brigham Young University, supporting it.
Buttars議員が両親たちが自分の子供たちが彼らが類人猿から進化したと教えられていることに文句を言っていると発言して、突如、ユタ州の学校でインテリジェントデザインについての議論が起きた。
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昨秋に、Buttars議員は、チャールズ・ダーウィンの進化論だけでは生物の複雑さを説明できないというインテリジェントデザインを、理科ではなく哲学か人文科学などで教えるように提案した。
委員会がLDS Church[訳注: 末日聖徒イエス・キリスト教会=モルモン教(wiki Ja)]に所有されているブリガムヤング大学を含む大学から数人の科学者と教授の話を聞いたあと、声明は満場一致で通りました。
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その秋のユタ教育委員会は、コアカリキュラムのひとつとして高校の生物で進化論を教え続けることを支持する声明を承認した。
ちなみに、教育委員長であるKim Burninghamは:
"If you ask me my personal belief system, I probably would think of the concept of intelligent design. But it is faith-based. It is not for science class," board chairman Kim Burningham said Tuesday.
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「個人的信仰は何かと問われれば、私はおそらくインテリジェントデザインの概念を思うでしょう。しかし、それは信仰の問題です。理科の授業に対してではありません。」と教育委員長のKim Burningham は火曜日[2005/12/20]に語った。
インテリジェントデザインに思い入れはあっても、理科と信仰は別だと明言。
でも、Buttars議員は諦めない。今年は、インテリジェントデザインを理科ではない別の授業で教えろという主張は取り下げた上で、再提案した。記事によれば:
"In order to encourage students to critically analyze theories regarding the origins of life or the origins or present state of the human race, consider opposing viewpoints, and to form their own opinions, the Legislature desires to avoid the perception that all scientists agree on any one theory or that the state endorses one theory over another."
The proposal directs the state school board to set up curriculum requirements. Instruction on life's origins or the present state of the human race "shall stress that not all scientists agree on which theory is correct." State board policies and positions relating to those matters would not endorse a particular theory and "stress that not all scientists agree on which theory is correct."
「生徒たちが生命の起源や現生人類の起源についての理論を批判的に理解し、対立する視点を考え、自分自身の意見を形成できるように、上院議員はすべての科学者がいかなる一つの理論に同意しているとか、国家がひとつの理論を支持するような認識を避けることを望みます。」
提案は、州の教育委員会にこれに応じたカリキュラム条件を定めるように命じている。生命や現生人類の起源について教えるにあたり、すべての科学者がこの理論が正しいと同意しているわけではないことを強調すること。これらの問題に関する州委員会の政策と立場は、特定の理論を保証せず、「全ての科学者がどの理論が正しいかについて同意するというわけではない」と強調すること
さて、この提案をとにもかくにも共和党内で話し合う必要があるわけだが...
But he said even that idea will not be contained in his bill, which he revealed in a private Senate Republican caucus meeting Tuesday but declined to discuss publicly.
しかし、Buttars議員はそれ(インテリジェントデザインを理科以外の授業で教える)も提案には含まれないといった。そしてそれを、火曜日の非公開の上院共和党地方大会で提案を明らかにしたが、公式に討議するのは辞退した。
違憲判決がペンシルバニアで出たこともあったのか、とても討議できる状態ではなかったような,..
さらに
Gov. Jon Huntsman Jr. has already suggested there's no need for Buttars' bill regarding evolution ; or another regarding high school gay-straight alliances. The governor said intelligent design should not be taught in public schools and, more recently, that the question of gay clubs should be dealt with by parents and local school boards.
Jon Huntsman Jr.知事は、すでに、Buttars議員の進化論についての法案の必要性はないと示唆した。同様に高校の"gay-straight alliances"についても。知事は、インテリジェントデザインが公立学校で教えられるべきでないと言っている。さらに最近、ゲイクラブの問題について、それは両親および地域の教育委員会が扱うべきことだと発言している
共和党員であるユタ州知事もButtars議員を相手にしていない。なお、Jon Huntsman, Jr.知事はカリフォルニア州 Palo Alto生まれの45歳。University of Pennsylvania卒業、Huntsman Corporationの要職にある。
モルモン教の本拠地ユタ州にあっても、インテリジェントデザインを理科で教えることについて賛成の方向にはないようだ。
ユタ州における状況とBYUも支持しない、ことを読んで自分の書き込みの support を得た思いがしました。
http://transact.seesaa.net/article/12223804.html
昨秋からインテリジェントデザインを追いかけてきましたが、政党・宗派・職業と進化論争における立場は必ずしもリンクしていないというのが正しいようです。