2008/12/06

創造論者が使ってはいけない論(第4回) -- ウーリーマンモスは、ノアの大洪水で瞬時に凍った -- [ちょっと変]

Answers in Genesisの創造論者が絶対に使ってはいけない論

「ウーリーマンモスは、ノアの大洪水で瞬時に凍った」

これはマンモスが見つかる地質学的環境により否定される。マンモスたちは氷河時代の終わりに、破滅的な砂嵐で滅びたと考えるのがもっともらしい。部分的に消化された異の中身は、瞬時に凍結された証拠にはならない。というのは、ゾウの胃は食べ物の貯蔵に使われるからだ。胃に消化されていない食べ物が残っているマストドンが、アメリカ西部で見つかったが、そこは大地は凍結していない。


Mark Isaakの創造論者の主張

CC361.2:
The bodies of mammoths that apparently froze suddenly have been found. Their flesh was well preserved, and they still had food in their mouths. This shows that they were quick-frozen in some sort of catastrophe.

明らかに突然凍ったマンモスの体が見つかった。その肉の保存状態はよく、未消化の食物が口内に残っていた。これは何らかのカタストロフィーにおいて突然に凍ったことを示す。

Source:
Watchtower Bible and Tract Society, 1985. Life--How Did It Get Here? Brooklyn, NY, p. 203.

Response:

  1. 保存状態の良い肉の残った凍結マンモスの報告は大きく誇張されている。死骸は部分的に保存状態がよかったが、すべてのケースで内蔵は腐敗していたり、凍結する前に腐肉を食う動物に食われていた。最も有名な例であるBerezovkaのマンモスは、これは緩慢な腐敗を示しており、発掘者が悪臭に耐えなくなったときに発見された(Weber 1980)。もっとも保存状態のよいマンモスであるDimaは子供だった。体が小さく、飢えた状態であったため、比較的迅速に凍結された。それでも、少し腐敗していた(Guthrie 1990, 7)。

    以下に示すように、凍ったマンモスや他の動物が死んだ原因は様々である:

    • 沈泥の中に沈む(Guthrie 1990, 7-24)
    • 重くて大量の沈泥を運んでいる奔流・洪水による溺死・埋没
    • 捕食のあと、冬の凍結のあとに、雪解け水に運ばれた沈泥に埋もれた(Guthrie 1990, 81-113)
    • 動物の自重で、融け始めた川岸が崩れて、地すべりに落ちる。地すべりに続いて、地面の漸動により、動物は埋められて、そのまま保存される(Kurten 1986, chap. 9)

    マンモスの胃の中で見つかる食物は、北極圏のものだった。いくつかマンモスの死は突然だったが、突然の気候変動の証拠はない。
  2. 凍ったマンモスは、一般的ではない。1961年時点では、わずか39頭がいくらかの肉を保存した状態で見つかった。そして、それらのうちおおよそ無傷だったのは4頭だった(Farrand 1961)


References:

  1. Farrand, William R., 1961. Frozen mammoths and modern geology. Science 133: 729-735.
  2. Guthrie, R. Dale, 1990. Frozen Fauna of the Mammoth Steppe. Chicago: University of Chicago Press.
  3. Kurten, Bjorn, 1986. How to Deep-Freeze a Mammoth. New York: Columbia University Press.
  4. Weber, Christopher Gregory, 1980. Common creationist attacks on geology. Creation/Evolution 2: 10-25.
ついでに発見されたマンモスの年代も:

[Mammoth Carcass Radiocarbon Dates on Talk Origins]
Earlier Age Group

Siberia

Adams (Lena River) Mammoth, 1799 36,000-37,000 years
Beresovka mammoth, 1900 more than 39,000
Shandrin mammoth, 1971 42,000 years
River Indigirka woolly rhino 38,000 years
Selerikan horse, 1968 35,000-40,000
'Dima', 1977 40,000
Khatanga mammoth, 1977 more than 50,000


Alaska

Fairbanks, mammoth hair 32,000-34,000
Fairbanks, bison, 1951 31,000
Fairbanks, bison, 1979 36,000


Later Age Group

Siberia

Taimyr Peninsula mammoth, 1948 11,500
River Berelekh mammoth remains, 1970 12,000
Yuribemammoth, 1979 9,700

Alaska

Fairbanks, mammoth 15,400
Fairbanks, another bison 12,000
Fairbanks, hoof of horse, 1981 17,200
Fairbanks, musk ox 17,000


コメント



Answers in Genesisは、何やらあやしい説明「マンモスたちは氷河時代の終わりに、破滅的な砂嵐で滅びた」をしているが、これは"若い地球の創造論"の言う"氷河期"が、ノアの洪水の直後の時期をさすから。それでも、ノアの洪水の証拠に、凍ったマンモスを使うことはやめたことは確か。

創造論者も破棄したこの主張を使っている例:
==>創造科学[久保有政氏の書籍ベースなサイトで、カビの生えたネタ満載]


posted by Kumicit at 2008/12/06 13:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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