2008/12/07

創造論者が使ってはいけない論(第9回) -- サルたちは何故今もサルのままなのか -- [まとも後アフォ]

Answers in Genesisの創造論者が絶対に使ってはいけない論



最後で"若い地球の創造論"の主張を押し出しているが、なかなかいい出来:
「我々がサルから進化したのなら、サルたちは何故今もサルのままなのか」

この主張に対して、進化論者たちが指摘することは、進化論者たちは我々が類人猿の子孫であるとは考えておらず、類人猿(apes)と人類が共通の祖先を持っていると考えていることだ。しかしながら、進化古生物学者 G.G. Simpsonは、この"及び腰"と呼ぶ態度を気にかけなかった。「実際、一般向けの講演では見た限り誰もが人類の祖先を類人猿(ape)あるいはサル (monkey)と確かに呼んでいる。一般人の用法で、類人猿とサルという用語が定義されていれば、人類の祖先は類人猿あるいはサル(あるは両方)と言ってもよいだろう。そのことを知っていて、そうでないと言うのは、不正直というのでないなら、小心(卑劣)だ。」

しかしながら、この主張に対する主要な論点は、多くの進化論者が、生物が母集団から小さな集団に分離され、母集団の大きな人口から孤立して繁殖するようになると、小さな集団に生じた変化が、局所的種分化(地理的に孤立した集団が新しい種を形成すること)につながると信じていることにある。従って、進化論では母集団が絶滅することを要求していない。

局所的種分化が進化論者だけのものではないことは銘記すべき重要な点である。創造論者は、おそらくアダムとイブが赤茶色の肌だったが、人類が多様になったのはバベルの塔において小集団に孤立化させられた後に起きたと信じている。引用した間違った主張はいわば「もし全人類の集団がアダムとイブの子孫であるなら、赤茶色の人々が今も生きているのは何故か?」と言うようなものだ。

では、人類集団(人種)についての創造論者の説明と、人類の起源についての進化論者の違いは何だろうか。答えは:前者が、既存の情報の分離と突然変異による情報喪失である。これに対して後者は、幾千万の新しい情報の"文字"の生成が必要なことである。


Mark Isaakの創造論者の主張

Claim CC150:
If we are descended from apes, why are there still apes around?

我々が類人猿の子孫なら、なぜまだ類人猿が存在しているのか?

Source:
Robinson, B. A, 2003. 17 indicators that evolution didn't happen (with rebuttals).

Response:

  1. 人間や類人猿は2つ以上の系統に分岐した共通祖先の子孫である。この問いは次のように問うようなものである「もし米国人と豪州人が欧州人の子孫なら、なぜ今も欧州人がいるのか?」 創造論者もこの主張に意味がないことをわかっている(AiGなど)。


Links:

  1. Foley, Jim. 2002. Fossil hominids: Frequently asked questions


References:

  1. AIG, n.d. Arguments we think creationists should NOT use.

Further Reading:

  1. Darwin, C., 1872. The Origin of Species, London: Senate, chap. 4.


コメント



"若い地球の創造論"では、地理的隔離と自然選択による種分化は、"理論"の不可欠な要素になっている。なので、Answers in Genesisは「サルたちは何故今もサルのままなのか」について、とても、まともな回答を出している。

Answers in Genesis曰く「アダムとイブが赤茶色の肌だった」そうだが、何故かAnswers in Genesisサイトにあるアダムとイブのイラストは白人ぽうものばかりだ:
AdmEveAiG.jpg



posted by Kumicit at 2008/12/07 20:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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