2008/12/09

創造論者が使ってはいけない論(第10回) -- 女性は男性より肋骨が1本多い -- [どうでもいい]

Answers in Genesisの創造論者が絶対に使ってはいけない論

「女性は男性より肋骨が1本多い」

Answers in Genesisは長きにわたり、これの詭弁について指摘してきた。これは創造を戯画化しようとする不正直な懐疑論者によって広められてきたようである。肋骨を1本取り除いても、次世代に引き渡される遺伝情報には影響しない。ある男が指を1本失っても、その息子が9本指になるわけではない。この論を使って聖書の信用を傷つけようとする懐疑論者はラマルキアンに近い者。すなわち、獲得形質の遺伝という十分に否定されたラマルクの考えを信じている。さらに言うべきは、生涯にわたってアダムが肋骨を1本欠いていたわけではないかもしれないという点である。肋骨は周辺の骨膜が生きていれば再生可能だからである。


Mark Isaakの創造論者の主張

Claim CB381:
As related in Genesis 2, Eve was created from one of Adam's ribs. As a consequence, men have one fewer set of ribs than women do.

創世記2章において、イブはアダムの肋骨から創造された。したがって、男性は女性よりも肋骨の本数が少ない。

Source:
reported by Root-Bernstein, 1995. (see below)

Response:

  1. 男性と女性の肋骨の本数は同じである。

  2. 創世記の記述は、別の骨の欠落を説明する神話かもしれない。ほとんどの哺乳類のオスはペニスを堅くするための骨である陰茎骨を持っているが。人間は非常にまれな例外であり、流体力に依存している。創世記2章21-23節はアダムから陰茎骨を除去したことについて言及していると言えなくもない。陰茎骨は肋骨と違って繁殖に関連している。創世記2章21節の肉で跡をふさいだという記述は、縫線(ペニスと陰嚢の縫い目)についての言及だと言えなくもない。聖書ヘブル語にはペニスに相当する単語がないので、別の単語を使わざるを得ない。へブル語の肋骨に相当する単語は、支柱や扉の厚板のような意味を持っている。構造支持という一般的意味を持っているかもしれない(Gilbert and Zevit 2001)。

References:

  1. Gilbert, Scott F. and Ziony Zevit. 2001. Congenital human baculum deficiency: The generative bone of Genesis 2:21-23. American Journal of Medical Genetics 101(3): 284-285.


Further Reading:

  1. Root-Bernstein, R. S. 1995. Darwin's rib. Discover 16(9) (Sept.): 38-41.


コメント



男性の肋骨が少ないわけがないのでマジレスの必要はない。

それはそれとして、Answers in Genesisが「肋骨は周辺の骨膜が生きていれば再生可能」と言っている点について。骨折の治癒ではなく、取り去られた肋骨1本分を再生できるという主張だが、どうもあやしそう:
There have appeared some claims that human ribs could regenerate if the periosteum, the membrane surrounding the rib, were left intact. However, the given source[9] merely states that a piece of the human rib, transplanted to the foot, could survive in the new place, if the periosteum was transplanted with it.

「肋骨を包んでいる膜である骨膜が無傷のままなら、人間の肋骨は再生可能だ」という主張がある。ソースとして示されているもの[9]は、人間の肋骨が骨膜とともに足に移植されたならば、生き延びると記述しているだけである。

[9] Motomura, Hisashi, MD; Kensuke Nose, MD; Masao Fujiwara, MD; Toshiyuki Ozawa, MD; Teruichi Harada, MD; and Michinari Muraoka, MD (2006). "Arthroplasty of the Interphalangeal Joint of the Great Toe Using Costal Osteochondral Grafting". J Am Podiatr Med Assoc 96 (6): 508?512, [URL].

[wikipedia:Regeneration (Biologu)]
posted by Kumicit at 2008/12/09 00:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
 こちら様のブログは、内容がじつに知的で深いですね。
 アダムの肋骨が違う骨を意味するかもしれないとは、なかなか興味深く拝読しました。
 私は無神論者ではありませんが、創世記の記述を文字通りに信じているわけではない者です。

 このたび拙ブログで、創世記のエヴァの誕生物語に言及した話を書きましたが、
その中でこの骨の話をごく簡単に紹介し、詳しくはこちらを参照して欲しいとして
URLを入れさせていただきました。5月28日(土)夜12時に投稿予定です。
 もし不都合があれば、お手数ですが、ご連絡をいただけるでしょうか。
Posted by バーソ at 2016/05/27 20:15
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