2008/12/13

創造論者が使ってはいけない論(第19回) -- 創世記5章と11章の間にはギャップがある -- [アフォ]

Answers in Genesisの創造論者が絶対に使ってはいけない論

「創世記5章と11章の間にはギャップがあって、地球は1万歳以上かもしれない」

そうではない。聖書の記述が厳密に年代記になっているのは明らかである。というのは登場人物の誕生のときに、その父親の年齢を記述しているからである。従って、地球は6000歳である。
創世記5章32節と11章10節の間にギャップはないようだが、洪水の年代はちょっとずれているような...
創世記 / 5章 32節
ノアは五百歳になったとき、セム、ハム、ヤフェトをもうけた。

創世記 / 8章 13節
ノアが六百一歳のとき、最初の月の一日に、地上の水は乾いた。ノアは箱舟の覆いを取り外して眺めた。見よ、地の面は乾いていた。

創世記 / 11章 10節
セムの系図は次のとおりである。セムが百歳になったとき、アルパクシャドが生まれた。それは洪水の二年後のことであった。

[日本聖書協会新共同訳]
セム100歳=ノア600歳だが、洪水2年後か洪水の年かどっちだろうか。

Mark Isaakの創造論者の主張



こっちには創世記5章と11章の話はないので、宇宙も地球も6000歳だけ:
Claim CH200:
The universe is relatively young, only 6,000 to 10,000 years old.
宇宙は比較的若く、6000〜10000歳である。

Response:

  1. 地球は45億歳である。
  2. 宇宙が古いことは、独立した複数の計測によって示されている:

    • 幾つかのタイプの恒星までの距離を見かけの明るさによって測定できる。近くにある同じタイプの恒星の絶対光度をジオメトリカルに計測できる。5000万光年よりも彼方の恒星が見つかっており、それはその光が我々のもとに到達するまでの時間である5000万年よりも宇宙が古いことを意味している。超新星や銀河の明るさに基づく距離測定の精度は悪いが、数十億光年彼方のものまで見つかっている。
    • 大マゼラン星雲は15万3000光年彼方にあることが、2連星の蝕によって観測されている[Cole 2000]。この方法はわりと直接的観測である。恒星の絶対光度は温度と直径から求まり、それらはスペクトルおよび色の時間から定まる。そうすると、距離は見かけの明るさから決定できる。
    • Koronis群の13個の小惑星の軌道を逆にたどると、580万年前に一点に集まっていて、大きな小惑星が衝突して、Koronis群を形成したことを示している[Nesvorny et al. 2002]。
    • 最古の球状星団の恒星の年齢から、宇宙の年齢の下限は120.7億歳である[Chaboyer et al. 1996]。
    • 冷却率に基づいて推定される年齢が120〜130億歳の白色矮星が見つかっている。


Links:

  1. Fraknoi, Andrew, George Greenstein, Bruce Partridge, and John Percy, 2004. An ancient universe: How astronomers know the vast scale of cosmic time. (PDF)

References:

  1. Chaboyer, Brian, Pierre Demarque, Peter J. Kernan, and Lawrence M. Krauss. 1996. A lower limit on the age of the universe. Science 271: 957-961.
  2. Cole, Andrew A., 2000. The distance to the Large Magellanic Cloud. Science 289: 1149-1150.
  3. Nesvorny, D., W. F. Bottke Jr., L. Dones and H. F. Levison, 2002. The recent breakup of an asteroid in the main-belt region. Nature 417: 720-722.

Further Reading:
  • Ferris, Timothy, 1997. The Whole Shebang. New York: Simon & Schuster.
  • 宇宙も6000歳対応に続いて、ついでに地球も6000歳について:
    Claim CH210:
    The earth is relatively young, about 10,000 years old or less.
    地球は比較的若く、1000歳以下である。

    Source:
    Morris, Henry M., 1974. Scientific Creationism, Green Forest, AR: Master Books, p. 158.

    Response:

    1. 放射性同位体による年代測定で地球は45億歳であることが示されている。
    2. 地球が古ければ、半減期の短い放射性同位元素は既に崩壊しているはずである。それを我々が見出している。半減期が800万年を超える同位元素は地球上で見つかっている。半減期の短い同位元素は、自然の過程で現在も生成されているものを除いて、地球上で見つからない[Dalrymple 1991, 376-378]。
    3. 中国の黄土堆積物(風大地のシルト堆積物)は300メートルの厚さがある。それは連続的な気候を720万年にわたって記録している。この記録は地磁気層序および化石から推定される居住環境と一致している[Ding et al. n.d.; Russeau and Wu 1997; Sun et al. 1997]。
    4. 大きな湖で起きる湖底堆積物の年層がある。それは直接に観察できて、数百万年をカバーし、他の年代測定方法と整合している。

      • 季節のある場所では、堆積速度は年変化し、堆積物は模様や成分によて識別できる年層をつくる。今日も同様の年層の形成を観察できているので、これらが年層だと確信できる。たとえ、それらが季節的なものでなくとも、堆積物の各層を形成するには少なくとも数日かかる。幾つかの層は数百万の年層を持っており、バイカル湖では500万層[Williams et al. 1997]、Gree Riverでは2000万層もある。これらを形成するのは少なくとも数十万年が必要である。
      • 年層の季節の数を数えることによって得られる年代は、放射性同位元素による年代測定結果と一致する。ひとつの年層は4万5000年をカバーし、堆積物にある陸上の葉や小枝や昆虫を使って、C14年代測定のキャリブレーションに使われる。毎年の珪藻ブルームを含んでるので年層は数えやすい[Kitagawa and van der Plicht 1998]。
      • 堆積量は気候の影響を受けるため、年層は気候変動も記録する。気候は40万年・六十万年・100万年周期の軌道変化(ミランコヴィッチサイクル)の影響を受ける。これら周期に対応する気候変動サイクルが年層に記録される。たとえば、バイカル湖は1200万年前から現在までの年層を持っている。これらの堆積物の周期的な変化は軌道サイクルとマッチしている[Kashiwaya et al. 2001]。

    5. ヘリウムの分布は、中心核で水素をヘリウムへ転換する太陽の年齢とともに予想通り変動している。これらのパラメータは音波が太陽の中をどう進むかに影響を及ぼす。そのような分析によれば太陽の年齢は、46.6億歳(±4%)である[Dziembowski et al. 1999]。

    References:

    1. Dalrymple, G. Brent, 1991. The Age of the Earth. Stanford University Press.
    2. Ding, Z. L. et al., n.d. Rearrangement of atmospheric circulation at about 2.6 Ma over Northern China: Records of evidence from grain size loess-red clay sequences.
    3. Dziembowski, W.A., G. Fiorentini, B. Ricci and R. Sienkiewicz, 1999. Helioseismology and the solar age. Astronomy and Astrophysics 343: 990-996.
    4. Sun, D., J. Shaw, Z. An, M. Cheng and L. Yue, 1998. Magnetostratigraphy and paleoclimatic interpretation of a continuous 7.2Ma Late Cenozoic eolian sediments from the Chinese Loess Plateau. Geophysical Research Letters 25: 85-88.
    5. Kashiwaya, Kenji, S. Ochiai, H. Sakai and T. Kawai, 2001. Orbit-related long-term climate cycles revealed in a 12-Myr continental record from Lake Baikal. Nature 410: 71-74.
    6. Kitagawa, H. and J. van der Plicht, 1998. Atmospheric radiocarbon calibration to 45,000 yr B.P.: Late glacial fluctuations and cosmogenic isotope production. Science 279: 1187-1190. See also Kitagawa, H. and J. van der Plicht, 2000. PE-04. A 45.000 year varve chronology from Japan.
    7. Russeau, D.-.D. and Wu, N., 1997. A new molluscan record of the monsoon variability over the past 130,000 yr in the Luochuan loess sequence, China. Geology 25(3): 275-278.
    8. Williams, D. F., J. Peck, E. B. Karabanov, A. A. Prokopenko, V. Kravchinsky, J. King, and M. I. Kuzmin, 1997. Lake Baikal record of continental climate response to orbital insolation during the past 5 million years. Science 278: 1114-1117.

    Further Reading:

    1. Dalrymple, G. Brent, 1991. The Age of the Earth, Stanford, CA: Stanford University Press.
    2. Strahler, Arthur N., 1987. Science and Earth History, Buffalo, NY: Prometheus Books.
    3. Young, Davis A., 1988. Christianity and the Age of the Earth. Thousand Oaks, CA: Artisan Sales



    コメント



    「宇宙が6000歳なら、何故6000光年よりも彼方が見えるのか」については、第31回「光速は次第に減速してきた」で再登場。

    posted by Kumicit at 2008/12/13 16:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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