2005/12/30

5年前のDembskiセンター長解任、そこは南部バプテスト連盟系の大学

前のエントリで紹介した、「インテリジェントデザイン:科学でもなければ、神学でもない(Intelligent Design: Neither Science Nor Theology)」という科目を開講するカンザス州にあるオタワ大学は、米国バプティスト同盟(wiki,公式サイト)がアフィリエートする大学。

この米国バプティスト同盟(American Baptist Churches USA)は、1814年に設立されたTriennial Conventionが1841年頃に奴隷制度をめぐって分裂したときの本流側。分裂して出て行ったのが、南部バプテスト連盟(Southern Baptist Convention)(wiki,wiki JA)で、こっちの方が根本主義傾向が強いらしい。

ところが、この南部バプテスト連盟系のBaylor大学でインテリジェントデザイン騒動が起きている。wikiの記述によれば次のような経緯:

ことの起こりは1995年に、「神学部と理学部の間で学生の質問をたらいまわしにしない」という目標をかかげたRobert Sloanが学長に就任し、1997年にthe Baylor Institute for Faith and Learning (ベイラー信仰学習研究所)をつくったこと。そして、1999年10月に、かのDr. William A. Dembski准教授をセンター長とするインテリジェントデザインを研究するMichael Polanyi Centerを新設。

そして、このMichael Polanyi Centerは、インテリジェントデザインの本山たるDiscovery InstituteおよびJohn Templeton Foundationの後援を受けて"Nature to Nurture"というイベントを2000年4月12〜15日に開催する。

これに対して、学部教授会は2000年4月18日に27対2でMichael Polanyi Centerの廃止を議決するが、Robert Sloan学長はこれを拒否。妥協案として独立委員会を設置。この独立委員会は2000年10月18日に報告書(Baylorのリリース)を出し、これに基づき、Michael Polanyi CenterはProgram in Science, Philosophy and Religionと改称された。Dr. William A Dembskiはセンター長職を解任された。准教授職は維持され2005年6月まで在籍したものの、講義をすることはなかった。

南部バプテスト連盟系ということで、インテリジェントデザインの研究センターを作ったものの、続けられなかったというお話。ただし、神学的にインテリジェントデザインと齟齬をきたしたわけではなく、あくまもで科学の問題。



posted by Kumicit at 2005/12/30 16:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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