2009/04/12

簡潔に語ってみたWalter ReMine

Walter ReMineが12年前の[
進化生物学という誤解が起きないように中間形態を創らず、複数デザイナーという誤解が起きないように完全なデザインにしなかった」と主張する自費出版本について、インテリジェントデザイン理論家Dr. William Dembskiと仲間たちのブログUncommon Descentにエントリをポストして、論文を書かない言い訳をした。

==>忘却からの帰還:Walter ReMineの論文を書かない言い訳 (2009/03/13)

これについて、Uncommon Descentにもコメントがついた:
[1: djmullen: 03/25/2009 6:06 am]

Darwin didn’t need a book to describe his theory, he used the book to provide evidence to support it.

ダーウィンは彼の理論を書くのに本一冊を必要としなかった。それを支持する証拠を書くのに本を使った。

Here’s Darwin’s theory in a nutshell: Offspring vary from their parents. There are not enough resources for all offspring to survive to adulthood. Any offspring born with a difference that makes them more likely to survive will replace those less favored.

こらがダーウィンの理論だ。子孫は親と違っている。すべての子孫が大人になれるだけ十分な資源はない。最も生存しやすい違いを持って生まれた子孫が、そうでない子孫を押しのける。

Can you give us Message Theory in one paragraph?
メッセージ理論を1パラグラフで書けないか?...
Uncommon Descentのコメント欄はもデレートされているので、Dr. William Dembskiの気に食わないコメントは掲載されない。したがって、このコメントに問題はなかったようだ。

というわけで、出版後12年にして、やっと主張をまとめるWalter ReMineである。
[Walter ReMine: "Message Theory – A Testable ID Alternative to Darwinism – Part 3" (2009/04/03) on Uncommon Descent]

The central claims of Message Theory –
Life was reasonably designed to meet three simultaneous goals:

メッセージ理論の中心的主張は、以下の3つのゴールを同時に満たすように合理的にデザインされているというものである。

  1. Survival
  2. To look like the product of one designer (or unified design team acting together as one), and unlike the product of multiple designers acting independently.
  3. To resist all other explanations of origin.

  1. 生存する。
  2. 一人のデザイナー(もしくは一人のデザイナーとして機能する、統一デザインチーム)の産物ように見え、複数のデザイナーが独立にデザインしたように見えない。
  3. 他の起源の説明に抵抗する。


This is a plausible set of design goals. Life’s designer is also a message sender, and the message is: Life came from one designer; not from anything else. These goals put constraints on what the designer should do, and should not do – constraints on the patterns we should see, and should not see. From this, the theory makes testable predictions.

これはもっともらしいデザインのゴールセットである。生物のデザイナーはメッセージ送信者であり、そのメッセージは「生物は一人のデザイナーによるものであり、それ以外の起源を持たない」というものである。これらのゴールはデザイナーがしていいことと、してはいけないことを制約する。我々が見ることができるパターンと、見ることができないパターンを制約する。これが、検証可能な予測である。
まとめると、「生物が進化したように見えるが、系統的隙間があれば、メッセージ理論が正しい」という主張らしい。基本的にはインテリジェントデザイン"理論"の主張である「進化論で説明が付きえないからデザインだ」あるいは創造論・インテリジェントデザイン"理論"の共通主張である「中間化石がないから進化論は間違っている」と互換である。すなわち、"God of the gaps"詭弁の形式になっている。

さらに、「一人のデザイナーによってデザインされたように見える〜進化したように見える」なので、たとえデザイナーが隙間に介入していたとしても、それ以外の部分はデザインか進化か区別をつける方法がない。そして、メッセージ理論で残るのは、「系統的隙間はデザイナーによるもの」だけ。すなわち、インテリジェントデザイン"理論"の基本的な主張に帰着する。

やはり、デザイナーの意図を証明する方法はなさそう。
タグ:UCD id理論
posted by Kumicit at 2009/04/12 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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