==>LIFE’S CONSERVATION LAW
基本的には「遺伝的アルゴリズムが最適解を見つけるのかかるステップの期待値は、ランダム探索を超えない」という定理を使って、「遺伝的アルゴリズム」と「進化」のアナロジーにより、進化で情報が増えないという論となっている。
アナロジーが成り立っていないので机上の空論なのだが、そんなことはDr. William Dembskiはまったく気にしない。そんなDr. William DembskiにMark C. Chu-Carrollが丁寧にケリを入れている。
ただ、Dembskiの情報量保存則は"保存則"たりえていないという根本的問題があるので、結局、結末はこうなる:
So why is that not a "conservation of information" law?ちょっと遊んでみれば、"情報量"がイミフであることがわかる。たとえば...
何故、それが情報保存則でないのか?
Because there's no conserved quantity. In a real conservation law, you have a measured quantity that you start with, and throughout any series of actions or events, you can prove that that quantity never changes. For example, you can look at a physical system in a particular frame of reference and measure the total momentum in the system. Then throughout any series of interactions, you can show that the momentum never changes.
それは保存量がないからだ。本物の保存則では、最初に計測された物理量が、連続した運動あるいは事象を経ても変化しないことを示せる。たとえば、特定の座標系で、系の全運動量を測定する。いかなる相互作用を経ても、運動量が変化しないことを示せる。
In Dembski's system, can you measure the total information in the system? No. Can you show that the amount of information in the system is the same before and after a search? Not in any meaningful way, no. Can you look at a search function, and ask how much information it encodes from a particular landscape? Not in any meaningful way, no.
Dembskiの系では、系の全情報量を測定できるだろうか?ノーだ。探索前後で系の情報量が等しいことを示せるだろうか? 有意味な方法ではノーだ。探索関数を見て、特定のランドスケープがどれだけの情報量をエンコードしているか問えるだろうか? 有意味な方法ではノーだ。
[Mark C. Chu-Carroll:"Dembski Responds" (2009/05/11) on Good Math, Bad Math]
- 系には2人のDembskiに相当する元素が一様に漂っているとする。このときの情報量を0とする。
- この材料を使って、硬直したDembskiを一人だけつる。このときの情報量をDembski本体100と位置・運動量・向き・角運動量の12の合計112とする。
- もうひとり硬直状態のDembskiをつくる。
- この系の状態を記述するには、少なくとも2人目のDembskiの位置・運動量・向き・角運動量が必要なので、情報量124だろうか?
- それとも情報量100のDembskiが2人だから、情報量は200?
- 遺伝情報という意味では、同一のDembskiが2人いても情報量は100?
- この系の状態を記述するには、少なくとも2人目のDembskiの位置・運動量・向き・角運動量が必要なので、情報量124だろうか?
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