2009/05/27

信仰療法で娘を死なせた母親が有罪に

今年(2009)始めに、信仰療法にはまった母親が、娘を若年型糖尿病で死なせた件をとりあげた。

==>宗教教義としてのQuackery (2009/01/23)

[Trials Loom for Parents Who Embraced Faith Over Medicine (2009/01/21) on NewYork Times, via/copy RichardDawkins.Net]

Kara Neumann(11歳)は、あまりに弱っていて、歩くことも話すこともできなかった。彼女の両親は、神のみが病を癒せるのだと信じており、神に娘の回復を祈ったが、医者には連れて行かなかった。

カリフォルニア州から来た叔母が、ここの保安本部を呼び、病気の子供の救出を狂わんばかりに訴えた。救急車がWausau郊外のNeumannの家に来て、Karaを急いで病院に運んだ。病院に到着したとき、Karaは既に死亡していた。

郡検死官は、Karaが、診断および治療を受けなかった若年型糖尿病による糖尿病性ケトアシドーシスで死亡したと判断した。この状況は、体内でインシュリンを合成できなかったときに起き、重い脱水症状と、筋肉・肺・心臓機能の障害をもたらす。

University of Chicago Medical Centerの糖尿病センター長をつとめるDr. Louis Philipsonは、「基本的にすべての機能が停止する」と、糖尿病にかかっていることを知らないか、否定している患者に起きることを説明した。

昨年3月にKaraが死亡したから約一か月後に、Marathon郡のJill Falstad州検事は、Karaの両親であるDale and Leilani Neumannを、無謀な重過失致死容疑で告発した。Neumann夫妻は告訴を憲法の定める信教の自由を侵すものだと主張したが、Marathon郡巡回法廷のVincent Howard判事はNeumann夫人は5月14日に、Neumann氏は6月23日に裁判を受けるように命じた。有罪になれば最高25年の懲役に科せられる可能性がある。

「憲法修正第1条の自由条項は信教の自由を保護するが、必ずしも実施させるわけではない。ウィスコンシン州法は、子供を祈りのみで治療する両親や保護者を、児童福祉法違反で刑事罰を与えることから除外している。しかし、それは生命に危険が及ばない限りである。Karaの両親は娘の健康状態を悪化させることを熟知していた」と判決でVincent Howard判事は書いている。
これについて、先日(2009/05/23)、有罪判決が出た。
[Jeff Starck: "Leilani Neumann found guilty in Wausau faith-healing homicide trial" (2009/05/23) on Wausau Daily Herald]

Leilani Neumann spent 14 months fighting the criminal justice system and the court of public opinion. Both now have condemned the extent to which she took her religious beliefs.

Prosecutors won the court case Friday when a Marathon County jury found Neumann guilty of second-degree reckless homicide in the death of her 11-year-old daughter, Madeline Kara Neumann. Leilani Neumann, who is free on bond as she awaits sentencing, was convicted of allowing her daughter to die by praying for healing instead of taking the child to a doctor.

Neumann's attorney, Gene Linehan, already has said he will appeal. The case could end up before the state Supreme Court to settle Wisconsin law on the issue.

On one hand, state law says parents such as Neumann whose neglect leads to a child's death are guilty of homicide. Another statute, however, recognizes a parent's right to practice faith healing.


Leilani Neumannは刑事司法制度および世論の法廷と戦うことに14ヵ月を費やした。両方とも、彼女が宗教信仰をとったことを非難した。

金曜日にMarathon County陪審は、Leilani Neumannが11歳の娘Madeline Kara Neumannの死について第2級殺人で有罪と評決し、検察が裁判衣装医した。保釈金を積んで保釈されて、判決を待っていたLeilani Neumannは、娘を医者に連れて行かずに、回復祈願することで死なせた件で有罪判決を受けた。

Leilani Neumannの弁護士Gene Linehanは既に上訴すると述べている。裁判は州最高裁がこの問題についてのWisconsin州法について判断を下す前に終われたかもしれない。

一方で、州法は、Leilani Neumannのように医療ネグレクトで子供を死なせた場合、両親は殺人罪で有罪であると言う。しかし、もうひとつ州法は、両親に信仰療法を施す権利を認めている。

A judge will determine in coming months if Neumann, 41, of the town of Weston will be sentenced to prison. She faces a maximum of 25 years behind bars. An expert on faith healing said that based upon prior cases across the country, he doubts Neumann will get a lengthy sentence, and might not go to prison at all to spare her other children the loss of their mother.

"How is the greater good going to be served by putting kids in foster care?" said Shawn Peters, a professor at the University of Wisconsin-Madison who teaches about religion and the law. "However, a child has died and a person was found guilty. That is not something to be trifled with."

裁判官は、Westonの住人であるLeilani Neumann (41歳)に対して、刑務所に収監するか否かを今後数か月以内に決定する。Leilani Neumannは最高25年の刑に処せられる可能性がある。信仰療法の専門家は、これまでの米国の判例に基づいて「Leilani Neumannは長い刑期にならないだろう。彼女の子供たちが母親を失うことがないように、彼女はまったく収監されないかもしれない」と述べた。

University of Wisconsin-Madisonで宗教と法律を教えるShawn Peters教授は「残された子供たちを養父母のもとで養育することを正当化するほど利益があるだろうか。しかし、子供が一人死亡し、一人の人間が有罪判決を受けた。軽率に扱ってよいことではない」
これに関しているかどうかわからないが、信仰療法による子供の死について両親を起訴免除にする州法が検討されている:
A Wisconsin lawmaker and a Christian church are preparing to introduce legislation that would eliminate a provision in the state's child abuse and neglect statute that exempts parents from prosecution who provide treatment through prayer.

この判決に関して、Wisconsin州議会と、とあるキリスト教会は児童虐待について、両親による信仰療法による治療を起訴免除にする州法を作る準備をしている。



タグ:Quackery
posted by Kumicit at 2009/05/27 02:07 | Comment(0) | TrackBack(2) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: だって、輸血してないもん。   [痛いニュース(ノ∀`):息子への輸血を「宗教上の理由」で拒んだ両親に対し、即日審判で親権を停止]   両親に対してのバッシングは当然起きるわけですが少々、一般..
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