- 創造論から進化論への連続性
- "God of the gaps"論としてのインテリジェントデザイン
- 経験的に検出可能
1: 創造論から進化論への連続性
- 平らな地球(Flat-Earthism)
- 地球は円板である。主唱者がお亡くなりのため消滅状態らしい
- 地球は円板である。主唱者がお亡くなりのため消滅状態らしい
- 地球中心(Geocentrism)
- 地球は球だが動かない。
- 地球は球だが動かない。
- 若い地球の創造論(Young Earth Creationism)
- 銀河系・太陽系は科学どおり
- 旧約聖書創世記は字義通り正しく、創造は6日間(1日=24時間)
- 地球の年齢は約6000年
- 生物は進化しない
- 創造科学(Scientific Creationism)は"若い地球の創造論"ベースの"科学"。
- Ken Ham主宰のAnswers in Genesisがもっともアクティブな"若い地球の創造論"サイト
- 銀河系・太陽系は科学どおり
- ギャップ創造論(Gap Creationism)
- 創造は6日間(1日=24時間)
- 地球の年齢は45億年。ただし、創世記と次の間に数十億年の隙間がある
- 生物は進化しない
- 創造は6日間(1日=24時間)
- 日-時代 創造論 (Day-Age Creationism)
- 創造は6日間だが、創世記の1日は非常に長い(億年単位かも)
- 地球の年齢は45億年。
- 生物は進化しない?
- 創造は6日間だが、創世記の1日は非常に長い(億年単位かも)
- 進歩的創造論( Progressive Creationism)
- 地球の歴史は科学どおり
- 小進化するが、大進化や生命の起源は神による
- 人類と猿は共通祖先を持たない
- 地球の歴史は科学どおり
- 有神論的進化論(Theistic Evolution/Evolutional Creationism)
- 進化については科学どおり
- ただし神は進化を通して人類を創造した
- 進化については科学どおり
- 理神論(Deism)
- 神は宇宙を創造したら、いなくなった
- 神は宇宙を創造したら、いなくなった
これらのうち、有神論的進化論と理神論は進化論サイド、進歩的創造論までが創造論に分類される。理科の授業に入れるのは違憲となった創造科学は、若い地球の創造論に相当する。
インテリジェントデザインは若い地球の創造論と古い地球の創造論の両方と互換性をとるために、地球と宇宙の年齢やノアの洪水に言及しない。形式
カトリックとメインラインバプテストはおおよそ有神論進化論あたりに位置しており、理科教育に創造論を入れることには反対。2005年12月にペンシルバニア・ドーバーでインテリジェントデザインを違憲判決に持ち込んだ原告代理であるAU(政教分離のための米国人同盟)は、メインラインバプテストの指導者が代表をつとめている。また、バチカンはインテリジェントデザインは科学ではなく、理科で教えることは間違いという意見を表明している。
これに対して、南部バプテスト系。本来は若い地球の創造論を支持しているが、理科教育への侵入という目的の都合でインテリジェントデザインを支持している。若い地球の創造論の"神様"を"インテリジェントデザイナー"に全置換すれば、インテリジェントデザインだと思っている人も多いようだ。
2: "God of the gaps"論としてのインテリジェントデザイン
インテリジェントデザインとは
- 生物および宇宙のデザインは知的原因によってもっともよく説明される
- デザインは経験的に検出できる
という前提で、生物構造および宇宙を見る。主として相手は生物で、宇宙論はもののついで。
ただし、あらゆるものすべてをインテリジェントデザイナーによるデザインであると言ったのでは、信憑性も説得力もない。そこで
- 自然法則に従って必然的におきる現象はデザインではない
- 偶然(確率的にそこそこでおきる)による現象はデザインではない
- "意味"がない現象はデザインではない
として、既に科学が説明済みの現象は対象としない。
つまり、科学の隙間に神様の居場所を確保する。というより、科学に説明できないことをデザインであることの論拠とする。「科学には説明できないことがある。それは神様のせいなのさ」という論。これを一般に"God of the gaps"論という。
3: アナロジーが理論の一部
- "意味"のある情報である (Specified)
- 複雑すぎて偶然では説明できない (Complex)
ただし、そもそも"意味"も"複雑さ"も定義があやしいしろもの。
たとえば、米国西部方面にはネイティブアメリカンが生活用に使っている橋のような、自然の造形があったりする。見た目も用途も人工物であり、"意味"のある構造物だが誰もデザインしていない。
複雑さには、その文字列を生成するに必要最小限のプログラムサイズというコルモゴロフ複雑性という定義がある。しかし、インテリジェントデザインでは"複雑さ"についての定義は、"とても複雑なので自然にできるには確率が小さすぎ"というものでしかない。
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