2009/10/27

メモ: ヒンズー反進化論系ISKCON

"とら"さんコメントのISKCONをちょっと調べてみた。

ISKCONとは、1966年にNew Yorkでインド人A. C. Bhaktivedanta Swami Prabhupadaの指導のもとに設立されたヒンズー系の新興宗教である:
[International Society for Krishna Consciousness (wikipedia)]

The International Society for Krishna Consciousness (ISKCON), also known as the Hare Krishna movement, is one of the Hindu Vaishnava religious organizations. It was founded in 1966 in New York City by A.C. Bhaktivedanta Swami Prabhupada. Its core philosophy is based on traditional Hindu scriptures such as the Śrīmad Bhāgavatam and the Bhagavad-gītā, both of which, according to traditional Hindu view, date back more than 5,000 years.

クリシュナ意識国際協会はハレ・クリシュナ運動という名でも知られる、ヒンズーVaishnava宗教団体である。1966年にNew York市に.C. Bhaktivedanta Swami Prabhupadaよって設立された。その中心哲学はŚrīmad BhāgavatamやBhagavad-gītāのような伝統的ヒンズー経典に基づく。これらは伝統的ヒンズー教の見方では5000年以上前に書かれたという。
設立者A. C. Bhaktivedanta Swami Prabhupada(1896-1977)はカルカッタ生まれで、カルカッタの一流のスコットランド教会大学で教育を受けている。

ヒンズー教の原理主義者のポジションは...
[Colin Groves: "Creationism: The Hindu View" (1994)]

Remind ourselves what fundamentalist Hindus believe. Like fundamentalist Christians and Jews, they dismiss evolution. Unlike the latter, who believe the world has existed only six to ten thousand years, fundamentalist Hindus believe it has been going for billions and billions of years - far more than geology allows, in fact. And human beings, and indeed all living creatures, have been here all along. But in the event, it is going to make little difference; an apologia will consist of a recital of long-forgotten (long-suppressed, in their view) "evidence" of humans coeval with trilobites and dinosaurs, and arguments that supposed ape/human intermediates really aren't that at all.

原理主義ヒンズー教徒が何を信じてるか思い起こそう。キリスト教やユダヤ教の原理主義者のように、彼らは進化論を拒絶している。世界が6000歳〜10000歳だと信じているキリスト教やユダヤ教の原理主義者と異なり、原理主義ヒンズー教徒は地質学の推定よりも長く、世界が何十億年・何百億年も続いていると信じている。そして人類や他の生物たちも、その時点から存在していると。しかし、結局のところ大した差はない。ある信仰弁明書では、忘却された(彼らの見方では抑圧された)、三葉虫と恐竜と人類が同時に存在した証拠や、類人猿と人間の中間は存在しないという論などが記述されている。
ISKCONがどの程度、原理主義なのかはわからないが、少なくとも地球も宇宙も6000歳な"若い地球の創造論"とは相容れなさそう。

米国では1987年のEdwards v. Aguillard裁判最高裁判決まで、反進化論と言えば"若い地球の創造論"だった。ISKCONが反進化論を掲げようとも、その頃もまでは創造論者たちと行動をともにすることはなかったと思われる。

その後、Edwards v. Aguillard判決を回避し、さらに"若い地球の創造論"と"古い地球の創造論"の両互換なインテリジェントデザインを法学者Phillip Johnsonが提唱する。その狙いはキリスト教創造論者たちにとどまらない。
By controlling the terminology, then, Darwinists have given the world the impression that the significant divide in public opinion about evolution is that between the Genesis literalists and everybody else. This is a sorry misunderstanding. For the fundamental disagreement is not over the age of the earth or the method of creation; it is over whether we owe our existence to a purposeful Creator or a blind materialistic process. The 47 percent in the 1991 Gallup Poll who say that God created suddenly and the 40 percent who say that God created gradually are basically in agreement- in comparison to the 9 percent who say that God did not create at all. When the majority finally understands this, it will become possible to challenge the monopoly of evolutionary naturalism both in the media and the educational system.

用語をコントロールすることにより、ダーウィン論者は進化論についての世論を、文字通りの創世記解釈とそれ以外のみんなに決定的に分かたれるという印象を与えた。これは悲しい誤解だ。基本的な不一致は、地球の年齢や創造の方法ではない。基本的な不一致は、我々の存在が、目的を持った創造主によるものなのか、盲目の機械論的過程によるものかなのだ。1991年のGallupの世論調査での、神は全く創造をしていないと答えた9%と比べれば、神が突如に創造したと答えた47%と時間をかけて神が創造したと答えた40%は基本的な考えは一致している。このことを多数派が理解すれば、メディアと教育の分野で進化論的自然主義の独占への挑戦が可能となるだろう。

[Phillip E. Johnson : "Creator or Blind Watchmaker?", First Things, January 1993]
狙ったとおり、ISKCONはインテリジェントデザイン支持にまわった。たとえば...ただし、インテリジェントデザインの本山たるDiscovery InstituteやDr. William Dembskiと仲間たちのブログUncommon Descentなどからの言及は、これだけ:
[Elizabeth Nickson: "God’s two books: Nature and Scripture" (2001/05/05) on National Post (Canada)]

Intelligent design, because it travels light, is a big tent theory, which has begun to collect around itself such disparate groups as young earth creationists, Hare Krishna, Muslims and Jewish intellectual editors who write for Commentary.[強調追加]
しかも、これはインテリジェントデザイン関連記事をDiscovery Instituteが拾って自サイトにコピーを掲載しているだけのもの。存在にも気付いていないようだ。

存在感のなさはTalkOriginsにとっても同様のようで、Mark Isaak: "Index to Creationist Claims"(創造論者の主張)でも、項目はたった1個だけ。

==>CJ001. Mankind has existed essentially unchanged for billions of years. (人類は数十億年間、実質的には変化することなく存在してきた)



posted by Kumicit at 2009/10/27 00:01 | Comment(3) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
A・C・バクティヴェーダンタ・スワミ・プラブパーダの『主バガヴァーン クリシュナ』のはしがきには

「ヴェーダ文化に従う私たちは、ヴェーダに記述されている全宇宙に関する歴史を受け入れます。
現代の歴史学は五千年以上前の出来事に関しては何も実証的な知識を与えてくれません。
進化の過程がまだ当時その段階にまで達していないという理由で、四万年前にホモサピエンスが
この地球に存在することはあり得ない、と人類学者は主張します。
しかしヴェーダの歴史、プラーナやマハーバーラタには百万年前はおろか十億年前の出来事さえも記述されています。」

とあります。
Posted by とら at 2009/10/27 10:37
日食や月食の原理ですら聖典解釈を優先
ttp://ammolite4.exblog.jp/10251642/
かなりの原理主義ぶりですね。

バガヴァッド・ギーターは五千年前に書かれたとする
ttp://ammolite4.exblog.jp/10247820/
対談につけられた脚注でもヴェーダが聖仙ヴィヤーサの編によるものとされてます
ttp://ammolite4.exblog.jp/10254509/

内容も、伝統的に主張されてきた由来も信じる、というスタンス。

上にあげた『主バガヴァーン クリシュナ』
には「バクティヴェーダーンタ文庫社」とあります。
CJ001で紹介されていたヴェーダ系創造論本も刊行元はBhaktivedanta
検索したら著者も両方ISKCONの人でした。
Posted by とら at 2009/10/27 12:35
ということは、ヴェーダ創造論はこのISKCON特有のネタのようですね。
Posted by Kumicit 管理者コメント at 2009/10/28 09:36
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