==>ワクチンの安全性:間違った情報を与えられている人に情報を与える (2009/11/18) on 食品安全情報blog
全文タダだったので、翻訳してみた:
[The Lancet Infectious Diseases, Volume 9, Issue 12, Page 719, December 2009 (doi:10.1016/S1473-3099(09)70307-X) ]陰謀少女"いるみなちぃ"は人類が進化過程で獲得した...と思われる目的論型思考を全開にすることで、どんな事実にも陰謀を見出す。いかなる情報も"いるみなちぃ"の考えを変えることはないだろう。そして、詐欺師たちも偽情報をまき散らしつづける。Vaccine safety: informing the misinformed
出版時点では、H1N1パンデミック抑止のための初めての大規模な予防接種キャンペーンが進行中である。ワクチンは期待された量は準備できていないかもしれない。しかし、季節性インフルエンザのワクチンを供給しつつ、この短期間で相当量のワクチンを生産できたことは、科学者と製薬会社と使用された何百万の卵を生んだニワトリなど関係者たちは喝采を浴びるにふさわしい。
人々は自分自身や子供たちや弱き愛する者たちにワクチンが確保できるのか、いつ予防接種を受けられるのか心配している一方で、騒々しい少数派が、ワクチンの安全性に対する恐怖をあおって、ワクチン生産と予防接種の実施の努力を損なおうとしている。ワクチンについての懸念は、ワクチン自身がインフルエンザを起こすかもしれない点と、1970年代のインフルエンザ予防接種で起きた少数がギランバレー症候群になるかもしれない点と、適切に検証されていないという点に集中している。米国では、さらに、野心的な生産目標の達成のために作られた混合ワクチンが、過去にはワクチンから除去されていた防腐剤チオメルサールを含んでいることが懸念となっている。
これらの懸念は対処可能である。使用されている生ワクチンは低温適応ウィルスであり、発病する可能性は無に等しい。ワクチン生産は1970年代から大きく変わった。H1N1ワクチンは毎年供給される季節性インフルエンザワクチンと同じ方法で生産され、ときおり起きる腕の痛みとマイナーな充血以外に副作用がほとんどない。そして、安全性試験を受けている。ワクチン生産が遅れたのは、この試験を受けていたからである。そして、最後に、チオメルサールが除去されていないのは安全性の理由からである。しかし、単一ワクチンには必要ない。
大半の人々の恐れは、医療専門職との建設的会話と、予防接種の危険性と予防接種を受けないときの危険性の比較を明確に提示することによって緩和できる。しかし、米国や欧州やそのほかの先進国で成長中の反ワクチン運動は疑いの炎を煽り続けている。この反ワクチン運動は典型的には、子供たちへの予防接種時期と同じ頃に進行した障害のコレクション、特に自閉症とワクチンの偽の関係の研究発表に依拠している。後の研究の積み重ねで、ワクチンと長期的病気の関係がないことが示された。しかし、反ワクチン運動の論は、多くワクチンを接種されれば悪い影響があるだろうという、論破不可能にあいまいなものへと後退しただけだった。
200年以上前の天然痘ワクチンの導入以来、予防接種による免疫獲得は何百万もの人々の生命を救ってきた。しかし、予防接種を受けない人々によって、この効果は減殺され、群免疫を弱めてきた。そして、ワクチンで予防できる感染症である麻疹や百日咳などのアウトブレイクが米国や西欧で、よく目にするものになってきた。
反ワクチン運動は、比較的裕福で、比較的教養のあるミドルクラスに支持が広まっている。彼らは子供たちの最も利益になる行動をしていると信じており、子供たちが予防接種を受ける前に、ちょっとした調査をしている。この調査の大半は、反ワクチン活動家や自閉症の息子を治療したと主張するハリウッドスター Jenny McCarthyが"グーグル大学"呼ぶものから得たものである。しかし、彼らがネット見出すワクチンの安全性についての多くのサイトは、素人向けに反ワクチン活動家が作ったもので、それが大量にコピペされていて、根拠ある情報ソースにたどりつけなくしている。
予防接種についての論争は確かに役に立つ。今号のPersonal Viewが、論争が将来のインフルエンザワクチンの発展に寄与するかもしれないという仮説を発展させている。しかし、その著者たちは現在のワクチン戦略を止める根拠がないことを認めている。しかし、今月のMedia Watchで取り上げたAIDS否定論者たちのように、証拠と情報に基づいた意見に直面しても、危険な理論を推し進め続けている。反ワクチン運動は、合理的な情報に基づく論が、信念の確信にほとんど対抗できないことを改めて証明している。
では、この悪質な運動にどのように対抗すればいいだろうか? うまくいきそうな対策は、彼らの主張の偽りを暴く証拠を集めるのみならず、その証拠を広めることについても経験を積んでいくことだ。不安な両親はグーグル大学に参加し続ける。研究者や医療専門職やジャーナリストやブロガーたちは、両親たちが正しい講師に確実に辿りつけるようにする必要がある。
それでも、ぐぐる人々が反ワクチン運動に傾くの抑制するためにを、ぐぐったときに対抗情報がわんさか出るようにするのが一つの対抗策でないかというLancetの記事である。
だからこそ、Wall Street Journalまで参戦してきたり、CDCがWidgetを作ったり...
- Wall Street JournalもホメオパがH1N1に効かないという記事を掲載 (2009/11/17)
- Fraudulent H1N1 Products Widget(2009/11/11)
とはいえ、現状の英語メディアは、ろくでもない状況にある。
==>google "homeopathy h1n1"
それでも、我々にはDaily Mailという強力な味方もいる。そう、風向き次第でどんな記事でも載せるという証拠として:
==>アイルランドでワクチン推進・英国でワクチン否定な記事を載せるDaily Mail紙 by Martin (2009/04/24)
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