2009/11/29

National GeographicのID論記事の残り分〜クジラと宇宙

日本語版ナショナルジオグラフィックに掲載されたインテリジェントデザイン関連記事の続きの紹介。つづいて、クジラ:
[Whales (クジラ)]

インテリジェントデザインの主張

ダーウィンは、小さな陸生動物が、ドミニカのカリブ海の島沖で流れの中で上で見られる若いマッコウクジラのような現代のクジラへと変わっていったと示唆して、当時、嘲笑された。

クジラは一世代の時間が長く、個体数も多くない。クジラは構造を迅速に進化させるのに最悪の条件のもとにある。「小さな陸生哺乳類を完全に機能するクジラに数千万年で変化させることは数学的にまったく不可能だ」とLuskinは言う。


進化論の反論

しかし、古生物学者はダーウィンの推測が真実から、それほど外れていなかったことを示した。科学者たちは最初は陸生だったが、徐々に水生になっていった古代のクジラの化石を発見した。

「我々は進化がどのように進んだかを示す化石を持っている。この論を主張する者たちは、化石記録について嘘つきしている。」とProtheroは言う。


==>CC216_1 陸上の哺乳類とクジラの間には隙間がある

肉食の水陸両用あたりからの分岐の頃のクジラの食事風景は、こんなかんじかも:
whal_amb.jpg
[Evolution and the Nature Science, Indiana University ]


つづいて、最後が宇宙:
[UNIVERSAL PERFECTION (完全な宇宙)]

インテリジェントデザインの主張

宇宙の働きについて我々が知っていることからすると、我々が知っているように、生命にうまく適合した変数の宇宙環境に人間が居住しえいるように見える。

たとえば、質量を持つ物体間の引力を定める方程式の重力定数の値は、生物が進化するのに十分な時間の寿命を持つ太陽のような恒星のまわりを公転する惑星を創るのにぴったりになっている。これは、超自然の存在が生命を念頭に宇宙をデザインしたことを意味する、とインテリジェントデザイン支持者は言う。

進化論の反論

「ひとつのファインチューニングされた宇宙という考えは想像力の欠如を示している。我々にたいしてファインチューニングされておらず、何か別物に対してチューニングされている宇宙を考えることができる」とProtheroは言う。

たとえば、物理学者たちの中には、「我々の宇宙が想像を絶する大きさのマルチバースの中の数多くの実現可能な宇宙のひとつにすぎない」という理論化をしている者もいる。高次の計画なしに、人間が居住可能な宇宙に生きていることは驚くべきことではない。
これは宇宙版インテリジェントデザインの例。ただし、実際のインテリジェントデザインの主張は、宇宙の年齢を特定しないし、ビッグバンがあったかどうかも特定しない。(130億歳とかの数字を出すと、"若い地球の創造論"と非互換になるため)

対応するMark Isaakの創造論者の主張では、次の2つが対応する:


全般にこのNational Geographicの記事はとっても浅い。インテリジェントデザイン支持者として登場しているのも、学部と修士が地球科学で、その後は法律に転向したDiscovery InstituteのCasey Luskinで、BeheやDembskiなど主要人物でもない。適当感が漂う記事だと思える。
posted by Kumicit at 2009/11/29 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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