2010/01/08

勃興する科学否定 by Steve Newton

米国の進化論教育を守るNational Center for Science EducationのプロジェクトディレクターであるSteven Newtonが科学否定論についての記事をHuffington Postに寄稿した(via ncse)。

[Steven NewtonSteven: "Science Denial on the Rise"(勃興する科学否定) (2010/01/06) on Huffington Post]

進化論から地球温暖からワクチンまで、科学は否定論者、すなわち、よく検証された科学的知識を多数ある競合するイデオロギーだと片づける者たちの攻撃を受けている。科学否定は懐疑的疑問をはるかに超えて、科学の正統性そのもに攻撃を仕掛けている。

英国の研究グループから盗まれた電子メールについての最近の騒ぎにのって、とある米国の創造論団体は「主要な科学者と性以下とメディアの秘密グループ」が気候変動について「専門的に懐疑論を表明する科学者たちを滅ぼそうとした」と主張した。Discovery Instituteはいつも、この種のド派手な表現で進化論を攻撃しているおり、それが気候変動否定論にも現れたことは注目に値する。

そのような誇張がなされているが、実際の科学は実力主義である。ひとたび最低限の教育と能力を達成すれば、科学に参加し、最も尊敬された科学者に対しても質問することができるし、科学学術論文誌に論文投稿もでき、そこではデータや研究方法が判定される。尊敬される科学者も厳しい批判に直面する。これが科学が働く方法だ。

たとえ、進化論や気候変動のように、証拠に基づく科学的コンセンサスができあがったときでも、これに異議を唱える機会がある。偉大なる物理学者Richard Feynmanは「科学とは、専門家の無知についての信仰である」と述べた。

証拠に基づく検証に根ざして、自然がどのように働くかについて、科学は結論を求める。しかし、困難で、多くの場合は期待に背くような過程で、我々は世界について、より多くを学ぶ。

科学否定論はこれとは違った働きをする。創造論者は進化論を支持する化石や分子や解剖学的証拠の物量では動かされない。地球温暖化否定論者たちは、山のような気候データに印象付けられない。否定論者たちは圧倒的な証拠を無視し、ピルトダウン人や盗まれた電子メールなど、わずかなホラに関心を集中させる。否定論者にとって、世論調査やラジオのトーク番組は、何千もの査読論文よりも重要だ。

否定論者は公正さの理想に訴えて、学校は「論争を教えるべき」とか「科学を支持する証拠と、支持しない証拠」を提示すべきとか論じる。2001年の"No Child Left Behind"法案へのRick Santorum上院議員の修正提案のように。しかし、彼らは理想を、進化論や気候変動やワクチンのような、自分たちが好まない科学に選択的に適用する。そして彼らは、科学の必要条件によって制約されることなく、科学を偽装しようとする。

もし否定論者が地球温暖化や進化論を否定する証拠を持っているなら、学会発表や論文投稿して、科学者の分析を求めることができる。しかし、彼らは自らの論に筋が通っていないことを知っていて、専門家の詳細な調査を受けない場所である、一般書やラジオ番組やブログで誤報を広めた。

今日ほど科学を理解することが重要な時代はない。気候変動や新たに進化したインフルエンザウィルス株の脅威などの重大な問題について、一般人と政治家には、より高度な科学リテラシーが求められる。科学者が否定論から自らの仕事を擁護するために自らの時間を浪費せざるを得ない状態にある限り、我々は我々の責任を果たせない。
実際に研究を遂行する以外のことに、科学者の時間を浪費していくことが、否定論の大きな問題のひとつ。

posted by Kumicit at 2010/01/08 08:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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