2010/02/03

Lancetが「自閉症とMMRワクチンの関連を示す」論文を撤回した

「自閉症はMMRワクチンの水銀が原因だ」と主張するDr. Andrew Wakefieldの1998年のLancet掲載論文のデータがフェイクだったことが昨年(2009)明らかになった件について:
問題の論文はこれ:
A J Wakefield et al.: "Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children", Lancet 1998; 351: 63741

We have identified a chronic enterocolitis in children that may be related to neuropsychiatric dysfunction. In most cases, onset of symptoms was after measles, mumps, and rubella immunisation.

数日前に、この研究が倫理的に問題があると判断されたことを取り上げた。

この判断を受けてLancetはWakefield et al(1998)の撤回を発表した(via naomimc):
Retraction (撤回) Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children

Following the judgment of the UK General Medical Council’s Fitness to Practise Panel on Jan 28, 2010, it has become clear that several elements of the 1998 paper by Wakefield et al1 are incorrect, contrary to the findings of an earlier investigation.2 In particular, the claims in the original paper that children were “consecutively referred” and that investigations were “approved” by the local ethics committee have been proven to be false. Therefore we fully retract this paper from the published record.


英国General Medical Council(医療委員会)の2010年1月28日の"Fitness to Practise Panel"(研究実行の適切性委員会)の判断から、1998年のWakefield et al[1]の論文の幾つかの要素が正しくなく、先行研究[2]の発見に反していることは明らかとなった。特に、原論文でなされた「子供たちが連続的に照会され」ていて、「研究が当該研究機関の倫理委員会で承認され」ていたという主張は誤りであることが証明された。したがって、我々は出版記録から、この論文を完全に撤回する。

The Editors of The Lancet The Lancet, London NW1 7BY, UK

1 Wakefield AJ, Murch SH, Anthony A, et al. Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children. Lancet 1998; 351: 637–41.
2 Hodgson H. A statement by The Royal Free and University College Medical School and The Royal Free Hampstead NHS Trust. Lancet 2004; 363: 824.

Published Online February 2, 2010 DOI:10.1016/S0140-6736(10)60175-4



posted by Kumicit at 2010/02/03 00:47 | Comment(1) | TrackBack(3) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
件の論文、ついに取り下げというか撤回されたんですね。よかったよかった。
ただ全著者合意による自主的取り下げでなく、編集部の権限による強制的撤回・抹消処分になったことは少し残念ですね。
アンチワクチン活動で数千万円の利益を得ているWakefieldが取り下げに応じるとは思えないので、仕方がない選択だったのでしょうが、強制的な措置となってしまったせいで陰謀論者が大喜びする展開になるのではないかと心配です。
Posted by Poisonous_Radio at 2010/02/08 15:26
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