2010/06/28

竹内薫氏は意図的に「架空のインテリジェントデザイン理論」を語っている

昨日のつづきで、竹内薫氏の「架空のインテリジェントデザイン理論」 について

==>竹内薫氏の「架空のインテリジェントデザイン理論」 (2010/06/28)

Kumicitは竹内薫氏が意図的に実在のインテリジェントデザイン運動とは別物である「架空のインテリジェントデザイン理論」を語ったと考えている。

理由の一つは、「インテリジェントデザインは生命の起源の話だ」と言っていること。インテリジェントデザイン文献を見れば、「自然選択と突然変異による進化」を敵視していることは明らかであり、「生命の起源だけの話」ではないことは、いやでもわかる。

==>インテリジェントデザインは「生命の起源の話」だという斬新な見方(06/26)

いかに不注意でも、気がつかないというのは考えにくい。

そしてもうひとつの理由は「カリフォルニア大学サンディエゴ校で1999年に作られた仮説」

==>「仮説を作る」とは「サークルを作る」こと(06/24)

DembskiのThe Design Inference(1998)、BeheのDarwin's Black Box(1996), Phillip JohnsonのDarwin on Trial(1991)など、明らかに1999年よりも前にインテリジェントデザイン文献が存在する。そのどれにも気がつかないというのは、かなり奇妙だ。

さらに、奇妙なことは、「1999, University of Calfornia, San Diego」というキーワードは以下の文脈でしか見つからないこと:
The Intelligent Design and Evolution Awareness (IDEA) Club birthed in May of 1999 after UC Berkeley law professor Phillip Johnson came and lectured at UCSD. Known for his books critiquing Darwinian evolution, naturalistic thought, and his leadership in the "Intelligent Design movement," Johnson was brought to UCSD by UCSD Intervarsity Christian Fellowship and Campus Crusade for Christ to speak on issues related to creation and evolution.

IDEAクラブは、UC Berkeleyの法学教授Phillip JohnsonがUCSDで講演をしたあと、1999年5月に生まれた。ダーウィン進化論と自然主義思考に対する批判と、インテリジェントデザイン運動のリーダーシップで有名なPhillip Johnsonは、創造論と進化論に関連する話題を講演するために、"UCSD Intervarsity Christian Fellowship and Campus Crusade for Christ"の招きでUCSDにやってきた。

[About the IDEA Club (WebArchive)]
どう読んでも、既にインテリジェントデザイン運動が存在し、その指導者がUCBの法学者Phillip Johnsonであることは明らか。インテリジェントデザインが1999年以前から存在し、その出所はUCSDではないことがわかる。

にもかかわらず「カリフォルニア大学サンディエゴ校で1999年に作られた仮説」だと書く。これは竹内薫氏が意図的に提唱者たちの姿を消していると考えるしかない。提唱者を消すのは、もちろん、提唱者たちを登場させると、インテリジェントデザイン"理論"が「進化経路上の隙間に神を置く」論であることに触れるか、提唱者たちの主張を偽造して「生命の起源の話に限定」するか、いずれかが必要になるからだ。

そのようにして、「架空のインテリジェントデザイン理論」を語る目的は、昨日も書いたように、「99.9%は仮説」の「大仮説」の部分を書きあげることと思われる。実際、「架空のインテリジェントデザイン理論」を登場させることで、きれいなストーリーに仕上がっている。一定期間内に、わかりやすく、読む気にさせる本を書く必要があるプロの著作家としては、ありうる動機だ。

以上により、Kumicitとしては、竹内薫氏は意図的に「架空のインテリジェントデザイン理論」を語ったと考えている。


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posted by Kumicit at 2010/06/28 22:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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