2010/06/30

竹内薫氏は「実在のインテリジェントデザイン」を正しいとは考えていない

インテリジェントデザイン運動は、「自然選択と突然変異による進化」を否定する。
Is intelligent design theory incompatible with evolution?
インテリジェントデザインと進化は相容れないか?

It depends on what one means by the word "evolution." If one simply means "change over time," or even that living things are related by common ancestry, then there is no inherent conflict between evolutionary theory and intelligent design theory. However, the dominant theory of evolution today is neo-Darwinism, which contends that evolution is driven by natural selection acting on random mutations, an unpredictable and purposeless process that "has no discernable direction or goal, including survival of a species." (NABT Statement on Teaching Evolution). It is this specific claim made by neo-Darwinism that intelligent design theory directly challenges.

それは進化という言葉が何を意味するかによる。"時間を経ての変化"あるいは生物が共通祖先によって関係しているという意味なら、進化論とインテリジェントデザイン理論の固有の対立はない。しかし今日の主流の進化論はネオ・ダーウィニズムであり、それは進化は自然選択が突然変異に働くことで進み、種の存続を含む識別できる方向性や到達点を持たない、予測できない目的のない過程であると主張している(NABT Statement on Teaching Evolution)。このネオ・ダーウィニズムによる主張に対して、インテリジェントデザイン理論は挑んでいる。

[ Questions about Intelligent Design on Disocvery Institute ]
インテリジェントデザインと相容れる「進化」は「自然選択と突然変異によらない、時間を経ての生物形態の変化」であって、通常の意味の「進化」ではない。

インテリジェントデザイン運動側は、「神の導きがない」という点を進化論批判の理由として掲げている。たとえば、インテリジェントデザインネットワークを主宰するカンザス州在住HarrisとCalvertは解説する:
the most important, defining characteristic of Darwinian evolution is that it is an unguided, unplanned, and purposeless process;
.....
When biologists speak of “evolution,” this is what they mean. Not just change
but unguided, unintended, purposeless change uninfluenced by a higher intelligence.

ダーウィン進化論の最も重要で明白な特徴は、それが指導も計画もされない目的のない過程だということだ。
....
生物学者が"進化"というとき、これが意味しているもの。それは単なる変化ではなく、高次のインテリジェンスによって影響も、指導も、意図もされない目的なき変化である。

[William S. Harris and John H. Calvert "Intelligent Design: The Scientific Alternative to Evolution"]
だからこそ、Discovery InstituteのJohn G Westは、有神論的進化論では人類の出現が必然ではない点を批判する。

ところが、竹内薫氏は、次のように書いている:
起源から後の話は進化論で説明するしかないということを教えるのが、おそらくいちばんよい方法だと思います。

[竹内薫: 99.9%は仮説(2006), p.168]
この一言で、「実在のインテリジェントデザイン」の根幹を粉砕してしまっている。すなわち、竹内薫氏は「実在のインテリジェントデザイン」を正しいとは考えていない。
posted by Kumicit at 2010/06/30 08:02 | Comment(1) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
インテリジェンスデザインはキリスト教の一派の福音派の主張でしょう?
なんか読んでいるとキリスト教一般で受け入れられているように読まれかねないのですが。
まあ、キリスト教が嫌いならば、それでいいと思いますが、ならば、人類に宗教的熱狂に陥らない心の静けさと、罪を犯さない叡智と、日々の食糧を与えるだけの気概は持って頂きたい。
Posted by クラゲ at 2010/07/13 02:05
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