2010/08/22

ホメオパス HIV 南アフリカ

南アフリカでは、成人5人のうち1人がHIV感染者で、毎日1000人以上がAIDSで死亡し、少なくとも片親がAIDSで死亡した、0〜17歳の子供は140万人いる。この南アフリカでは1990年からHIV感染が拡大し、Nelson Mandela政権のときに妊婦のHIV感染率が20%を超えた。後を継いだThabo Mbeki大統領はHIV否定論を信じ、抗レトロウィルス剤によるAIDS対策に消極的で、レモン・ガーリック・テービルビートの効用を主張するManto Tshabalala-Msimangを厚生相にした。これによりHIV/AIDS対策が遅滞し、33万人が余計に死亡したと推定されている(AIDSによる200万人以上の死者のうち)。2008年のThabo Mbeki辞任により、HIV/AIDS対策は立ち直りつつあるが、今も南アフリカでは短寿命化しており、若い世代の死亡率の増加は社会機能の維持に大きなインパクトをもたらすと危惧されている。

この南アフリカに、「ほとんど病気はビタミンCとリジンの不足で起こり、AIDS治療には抗レトロウィルス薬よりビタミン剤が有効だ。抗レトロウィルス剤は有害だ」と宣伝するMatthias Rathが登場している(2008年6月に退場)。

一方、遅くとも2007年から、Peter ChappellなどのホメオパスたちがAIDSを治療できると言って、アフリカで行動している。Peter Chappellを継続的に取り上げているgimpyによれば、Peter Chappellは英国ホメオパス協会(the Society of Homeopaths)の資金援助で、アフリカで活動している:
The Homeopathic Action Trust (HAT), the homeopathy charity controlled by the Society of Homeophs (SoH) and funders of Jeremy Sherr have had the ethical issues associated with funding amateur trials of AIDS patients in the developing world pointed out to them. This did not stop them funding Jeremy Sherr and it has not stopped them continuing to fund extremely dubious projects in Africa.

th Society of Homeopaths(英国ホメオパス協会)とJeremy Sherrの資金提供者によってコントロールされるホメオパシー慈善団体The Homeopathic Action Trust(ホメオパシー活動トラスト=HAT)は、発展途上国でのAIDS患者を対象とするアマチュア実験に資金援助している件について倫理的問題をかかえている。このことでJeremy Sherrへの資金提供は止まらず、アフリカでの非常に怪しいプロジェクトへの資金援助は続いている。

Peter Chappell and Harry van der Zee’s Amma Resonance Healing Foundation (ARHF) has been criticised by many bloggers, Sense About Science and newspapers columnists for claims such as that AIDS patients using his remedies ” do better or sometimes much better than on ARVs alone.”. There is no evidence for this despite the recruitment of Professor Harald Walach of Northampton University to oversee research. Chappell’s remedies are not physical substances, but vibrations of atoms and molecules, what we call ’sounds’. Chappell believes sound can cure AIDS, the trauma of rape and the side effects of ARVs. So convinced is he of his products success that he is actively pushing it to healthcare workers in the developing world. Chappell’s work is funded in part by HAT, who take donations on behalf of ARHF

Peter ChappellとHarry van der ZeeのAmma Resonance Healing Foundation(アムマ・レゾナンスヒーリング財団=ARHF)は、多くのブロガーや英国Sence About Science財団や新聞のコラムニストたちから、彼のレメディを使うと「AIDSをARVsよりもうまく治療できる」といった主張を批判されてきた。海外研究にNorthampton UniversityのHarald Walach教授を充てたが、その主張には証拠がない。Chappellのレメディは物質ではなく、我々が"音"と呼ぶ原子と分子の振動であり、Chappellは音がAIDSやレイプのトラウマやARVの副作用を治療できると信じている。Chappellは自ら作ったものの成功を深く信じていて、それを発展途上世界の医療関係者に売り込んでいる。Chappellの仕事はHATからの資金援助を受けており、HATはATHFに代わって寄付を集めている。

[gimpy: "Homeopathic Action Trust still funding unethical AIDS trials" (2009/07/20) on gimpy's blog]
このようなホメオパシーの脅威は欧州からの侵入だけではない。

たとえば、南アフリカのUniversity of JohannessburgにはHomeopathy Clinicがある。そこには対応可能な病気リストがある。それを見ると...


Services Available

Homoeopathy is a complete treatment modality and is often used effectively to assist in the treatment of:

Obesity
Skin conditions
Mental and emotional exhaustion
Impotence
Infertility
Allergies
Acute and chronic infections
Arthritis
Digestive Complaints
Circulatory Disorders
Pre- and post-surgery treatment
Menstrual problems
Anxiety
Mild Depression
Childhood development problems
Common Childhood/Paediatric Conditions
To enhance physical performance
Diabetes and associated conditions
HIV and AIDS related diseases
最下行に「HIV and AIDS related diseases」と書かれている。

とはいえ、今のところ、South African Faculty of HomeopathyFaculty of HomeopathyHomoeopathic Association of South Africaなどの南アフリカのホメオパシー団体は、AIDS/HIV治療を掲げていない。しかし、この先はわからない。成人の20%がHIV感染者という南アフリカのHIV/AIDS潜在マーケットはあまりに大きいからだ。


posted by Kumicit at 2010/08/22 00:01 | Comment(6) | TrackBack(1) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本ホメオパシー医学協会によると、「北米 国境なきホメオパス」と名乗る団体があるようです。
http://www.homeopathswithoutborders-na.org/

ハイチの震災時に義捐運動をしているようです、恐ろしい記述もありました。
http://jphma.org/gienkatsudo/2010_haiti.html

>雨季が始まると、デング熱、マラリア、コレラ、その他、熱帯地方の疾患を治すレメディーが必要とされる
>という大きな懸念があります。

冗談はよせとしか言い様がありません。
Posted by うさぎ林檎 at 2010/08/22 16:46
これ以外にも、成人のHIV感染率が24%のボツワナで、HIV/AIDS対策活動するホメオパス団体もあります。おいおい、HIV感染率が狂ったように高いサブサハラ方面のホメオパシーを見ていくつもりです。
Posted by Kumicit 管理者コメント at 2010/08/23 08:37
冒頭の Matthias Rath の部分のリンクが切れているようです。あと、些細な点ですが、「抗レトロウィルス剤を有害だ」は、「抗レトロウィルス剤 "は" 有害だ」としないと、文法的にちょっとおかしいかと。(「あなたを、犯人です」的な。)
Posted by nrt at 2010/08/23 21:30
ご指摘ありがとうございます。早速修正しました。
Posted by Kumicit 管理者コメント at 2010/08/24 22:10
日本学術会議に放射線版ホメオパシーであるホルミシスも一緒に葬ってほしいものだが、原発屋の貴重な営業ツールだから学者どもは手を出せないだろうな
いや、こっちは有効性など証明されなくても『毒』にも薬にもならないことを証明してやったら大喜びかもしれないが
Posted by 名も無き忘却からの帰還者 at 2010/08/25 21:22
ホメオパシー友の会の「イベントのご案内」です。
http://jschom.org/event.html
このJeremy Sherr氏はタンザニアで"ホメオパシーによるHIV/エイズ患者の治療を行っています"だそうです。
Posted by うさぎ林檎 at 2010/08/26 11:55
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