2010/09/09

レメディ作成の面倒なところはインドで...

英国のメジャーなホメオパシーレメディ通販サイトであるHeliosの本拠地はLondonから南東に50kmほど離れたKentにある。
Helios-1.png
[97 Camden Road, Tunbridge Wells, Kent TN1 2QR, UK.]
大きくもない建物である。これ以外の施設としては、London店舗がある。
Helios-2.png
[helios, london, UK]
これも小さそうな建物である。

ここでどうやってレメディを製造しているかというと、元物質ではなく、希釈用に用意されたマザーティンクチャーを希釈して作成している。このマザーティンクチャーは、Heliosのサイトによれば...
Material Sources

The bulk of our mother tinctures are obtained from qualified and reputable Homoeopathic tincture suppliers. The original plants are wild or organically grown and are prepared in tincture form while they are still fresh. The are made according to either the German or French Homoeopathic Pharmacopoeias. Non organic materials (chemicals, minerals, drugs etc) are made from the original substance where possible, which has been certified by the supplier as to its make-up and purity. It is then prepared according to pharmacopoeia instructions.

我々のマザーティンクチャーの大半は適格かつ評価の高いホメオパシーティクチャーサプライヤーから調達している。原料植物は野生もしくは有機栽培であり、新鮮な間にティクチャーとして準備される。それらはドイツあるいはフランスのホメオパシー薬局方により作成される。無機物質(化学物質・鉱物・薬剤など)は可能な限り、サプライヤーから製造および純度について認定された元物質から作られる。

[Technical -- Helios]
マザティクチャーサプライヤーから調達している。これにより、元物質の調達や管理はもとより、抽出などの処理もしなくて済む。

このマザーティクチャーは、20mlから購入できて、その希釈度はQ(1/50,000)だったり、4X(1/10,000)だったりする。サプライヤーは主としてインドにあるようだ。たとえば...
RoshanlalIndia_1.png
[RoshanlalIndia_2.png]

たとえば、この"Uranium Nit"から30Cのレメディを100ml製造するには、「1mlを99mlの水で希釈して28段階」で、2772mlの水が必要。うち100mlがレメディなので、廃液は2672mlで、これに1mlのマザーティンクチャー(4X=1/10,000)が含まれている。

4Xを1g/1000mlだとすると、廃液2672mlには0.1mgのウランが含まれていることになる。一方、放出基準0.037mg/lを達成するように0.1mgを捨てるためには、2703mlの水があればいい。希釈に使った容器の洗浄に使った水も廃液に加えれば、放出基準をクリアするだろう。

ということで、Heliosのようにマザーチクチャーを調達して、希釈している業者は、元物質の処理はもとより、廃液も気にする必要はなさそう。

もちろん、インドのどこかで何が起きているかは、知ったこっちゃない。たとえ出荷されたマザーティクチャーが実際には何も含まないアルコールと水の混合物だったとしても。


タグ:Quackery
posted by Kumicit at 2010/09/09 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック