- インテリジェントデザイナーは複数で有限個存在する
- 複数のデザイナーは不完全である(完全なら、同じ最適なデザインを創るので、複数いても識別できない)
- その他のデザイナーの特性は、デザインを自然界に置く方法を含めてDembskiまかせ
インテリジェントデザイン理論の構成上、インテリジェントデザイナーを単数に限定する方法はない。何故なら、Dembskiが提示しているものは唯ひとつ、「自然法則の必然でも確率過程でも説明できなくて、意味のある情報はデザインである」というものだけ(The Explanatory Filter by Dembski, )。そのデザインを創った存在を規定する方法と提示していないからだ。もちろん、Dembski自身は完全にして唯一の超越的存在としても神を想定しているが。
==>Intelligent Design is not Optimal Design
==>忘却から帰還: アンインテリジェントデザイナー
そして、デザイナーが複数存在した場合、デザイナーたちは不完全な存在にしかなりえない。それはインテリジェントデザイン理論家たちは最も望まない仮説だ。ある意味、フライングスパゲッティモンスターと同程度に嫌うかもしれないものだ。
==>忘却からの帰還:フライングスパゲッティモンスターに対するインテリジェントデザインの反応
それとともに、Richard B. Hoppeは複数デザイナー理論の欠陥たる「デザイナーがいかなる存在であるか不明」と「デザイナーがデザインを自然界に置く方法が不明」の責任をDembskiに押し付けている。
They are not of the material or biological world, but they can affect it in the same way(s) that Dembski’s “intelligent agency” affects the material world. In Intelligent Design Coming Clean Dembski suggested that since (in the limit) as the wavelength of electromagnetic radiation tends to infinity the energy tends to zero, an unembodied intelligent agent could in principle transmit information (designs) to biological entities via an infinite-wavelength zero-energy signal. That sort of conjecture makes physicists of my acquaintance very edgy, invoking as it does a purely mathematical abstraction (“in the limit”) to argue for the causal efficacy of an unembodied agent acting on physical matter via a zero-energy (and therefore zero channel capacity) signal using unfocusable (because of its infinite wavelength) electromagnetic radiation, but that’s something to be worked out later as the technical details of Multiple Designers Theory are fleshed out. As Dembski assured us in Intelligent Design Coming Clean, we don’t have to immediately understand how it happens as long as we know it does happen. In fact, we don’t even have to know how it happens, according to Dembski:
それ物質界あるいは生物世界のものではなく、Dembskiがインテリジェントエージェンシーが物質界に影響を与えるのと同じ方法で、生物世界に影響を及ぼす。Dembskiは"Intelligent Design Coming Clean"において、電磁波は波長が無限大の極限でエネルギーがゼロとなるので、肉体を持たないインテリジェントエージェントは原理的に、波長無限大のゼロエネルギーの信号を通じて情報(デザイン)を生物に対して伝送できると示唆した。そのような推論は私の知人の物理学者をいらだたせた。というのは、(極限での)純粋数学的な抽象化を用いて、肉体を持たないエージェントが、ゼロエネルギーの(従って伝送容量がゼロ)信号を、(波長が無限大なので)焦点を合わさない電磁波放射を使って、物理的事象に作用する因果率効率を論じるているからだ。しかし、複数デザイナー理論の技術的詳細ができれば、その後作ることになるだろう。Dembskiが"Intelligent Design Coming Clean"において保証しているので、我々は実際にことが起きるまで、そのように起きるのかを理解する必要はない。Dembskiによれば、実際、それがどのように起きるか必要ない:So too, we don't "understand" how a designer imparts information into the world, but we "know" that a designer imparts information.
従って、我々はデザイナーが情報を我々の世界にいかにして与えるか"理解"していない。しかし、我々はデザイナーが情報を与えたことを"知っている"。
この点について、インテリジェントデザイン理論家たちは反論しようがない。なかなかの嫌がらせと言えるだろう。
で、理論本体はというと、「デザインだ」しか言わない単一デザイナーなインテリジェントデザインよりも説得力のあるものになっている。たとえば、共進化すなわち軍拡競争を複数デザイナーであれば、自らが責任を持つ生物群を生き延びさせるために次々と新デザインを投入するという妥当な説明がつけられる。しかし、単一デザイナーでは妥当な意味づけが困難。
今回はプロローグ・概観・特性・証拠についての訳を掲載するので、お楽しみいただきたい。
Introduction to Multiple Designers Theory by Richard B. Hoppe, 2004複数デザイナー理論入門
I.プロローグ
このトピックを見ていて私の思考を刺激したのは、つつましやかな文法用法だった。Henry Morrisの"Scientific Creationism"からDembskiの"No Free Lunch"までインテリジェントデザインの本を読んでみて、私が気がついたことはほとんど例外なく、インテリジェントなデザインを行ったと仮定される存在を単数形で書かれていたことである。"インテリジェントデザイナー (an intelligent designer)"あるい"インテリエージェント (an intelligent agent)" あるいは"インテリジェントエージェンシー (an intelligent agency)"とどう呼ぼうが、ほとんどの場合に単数形で書かれている。新聞からの引用のうち、ほんのひとつかふたつの例で複数形が見られた。たとえば、指導的なインテリジェントデザイン理論家(Phillip Johnson とWilliam A. Dembski)による"複数の異星人(space aliens)"がデザイナー(designers)かもしれないというコメントである。面白いことに、Pittsburg Post-Gazette (Feb 8, 2001)の記事で、Michael Beheは"異星人(space alien)と言っている。しかしながら、新聞で引用された発言は理論的な言説として真剣に取り扱うわけにはいかなだろう。より技術的で公式なインテリジェントデザインの著作では習慣的に、"designers"ではなく"designer", "agents"ではなく"agents"そして、"agencies"ではなく"agency"と書かれている。時には、この一般原則に反する例外もある。たとえば、"No Free Lunch"において、Dembskiは"Embodied and Unembodied Designers (肉体を持つデザイナーと持たないデザイナー)"という複数形を使ったセクションタイトルをつけている。しかし、そのセクションの最初の文で、これを単数形にもどしている:Even if we grant the possibility of an unembodied designer, … (p. 347).単数形のインテリジェントデザイナーは主流インテリジェントデザイン支持者にとっては強固な既定値である。
このコンテキストで人々が習慣的に単数形を使う理由を詮索するつもりはない。しかし、もしデザインが地球上の生物の構造と特性における多様性の原因であるなら、デザインしたのは"それ(IT)"ではなく、"それら(THEY)"であって、デザイナーは単一ではないというのは、(おそらくは無意識に)支持されない仮定であることは明らかだろう。
複数デザイナー理論の中心的メッセージは、単一のインテリジェントにデザインするエージェントという保証のない仮定が必然的なものではなく、インテリジェントデザインの理論と研究に人為的かつ恣意的な限界を置く不条理な制約だということである。従って、進化論の真の代替理論を考えて、議論して、提供するために、幾人かの同僚の助言と相談の上で、私は複数デザイナー理論(MDT)の入門的概要を書いた。
私はこれを複数デザイナー理論の完全な言説だと言うつもりはない。まだ完成はしていないからである。これらの初期的備考は、観察されたデータをうまく説明できる可能性と、インテリジェントデザイン思想の異種なる考え方を構築する可能性と、インテリジェントデザインにおける潜在的に有益な研究計画をつくる見込みを持つ理論の概要を紹介するものである。これは信仰あるいは完成した理論としてではなく、議論のための仮説および理論の精緻化のための基盤として提案するものである。
II. 複数デザイナー理論の簡単な概観
その名前が意味するように、複数デザイナー理論の中心的見解は、地球上の生物の特徴と構造についてインテリジェントデザインが関与しているなら、単一のデザイナーではなく複数のデザイナーが関与しているというものである。以下で述べるように、インテリジェントデザイン推論を支持すると解釈される証拠は、ほぼすべてが普遍的に、単一のデザイナーではなく複数のデザイナーを含意している。
単一のデザイナーという普遍的なインテリジェントデザインの仮定はおそらく人為的な言葉である。もしあるものが、人間によって作られた人工品であれ、生物学的構造であれ、(DembskiがNo Free Lunchで提起した公式の基盤に沿って)それがデザインされたものだと見えれば、インテリジェントデザインの論は進み、デザイナー(a designer)がいたはずだということになる。
デザイナー(designer)が単数形で使われていることで、単一のデザイナーが存在するという強い示唆が伴っている。この言葉遣いが、インテリジェントデザイン理論家を惑わせる。私は、デザイナーが単一であるという仮定を注意深く検討したり、明示的に言及したインテリジェントデザイン文献を見たことがない。しかし、この仮定は浸透しており、それが主流インテリジェントデザインの考え方を駄目にしている。
複数デザイナー理論は主流インテリデザイン理論と同一の哲学的および数学的そして経験的基礎に基づいている。科学的原理から単一デザイナーのインテリジェントデザインを支持する主張はすべて、なおのこと複数デザイナー理論を支持する。実際、主流のインテリジェントデザインは(概念的に不毛であるが)複数デザイナー理論の、デザイナーが単一であるという特殊例な部分集合である。従って、複数デザイナー理論は自動的に、現在インテリジェントデザインに対して引用された科学的証拠をすべて継承する。
複数デザイナー理論は生物の多様性についての理論であって、生命の起源や、非生物学的な物質宇宙の起源や自然発生についての理論ではない。生物学的物質は複数デザイナーが働くための媒体である。複数デザイナー理論は生物媒体の起源については考慮しない。
複数デザイナー理論は宇宙の年齢が(少なくともビッグバンから)おおよそ135億年であることや、地球の年齢が約45億歳であることを示す科学的証拠について論じない。複数デザイナー理論は潜在的にフレームワークを提供可能だが、これらは物理学者や宇宙論研究者の仕事である。複数の宇宙を考える現在の宇宙論と複数デザイナー理論が完全に無矛盾であることを付記することにしよう。
III. 複数デザイナーについて仮定された特性
複数デザイナー理論における複数のデザイナーはDembskiが"No Free Lunch"や"Intelligent Design Coming Clean"などの著作で書いた"インテリジェントエージェンシー"の推測に共通にある特性のひとつを持つ。その特性は下記の最初にある。追加の特性はデザイナーが複数であるという仮説に基づく。
A. 複数のデザイナーは肉体を持たない。 それ物質界あるいは生物世界のものではなく、Dembskiがインテリジェントエージェンシーが物質界に影響を与えるのと同じ方法で、生物世界に影響を及ぼす。Dembskiは"Intelligent Design Coming Clean"において、電磁波は波長が無限大の極限でエネルギーがゼロとなるので、肉体を持たないインテリジェントエージェントは原理的に、波長無限大のゼロエネルギーの信号を通じて情報(デザイン)を生物に対して伝送できると示唆した。そのような推論は私の知人の物理学者をいらだたせた。というのは、(極限での)純粋数学的な抽象化を用いて、肉体を持たないエージェントが、ゼロエネルギーの(従って伝送容量がゼロ)信号を、(波長が無限大なので)焦点を合わさない電磁波放射を使って、物理的事象に作用する因果率効率を論じるているからだ。しかし、複数デザイナー理論の技術的詳細ができれば、その後作ることになるだろう。Dembskiが"Intelligent Design Coming Clean"において保証しているので、我々は実際にことが起きるまで、そのように起きるのかを理解する必要はない。Dembskiによれば、実際、それがどのように起きるか必要ない:So too, we don't "understand" how a designer imparts information into the world, but we "know" that a designer imparts information.
従って、我々はデザイナーが情報を我々の世界にいかにして与えるか"理解"していない。しかし、我々はデザイナーが情報を与えたことを"知っている"。
これは、Dembskiが科学における"機械論的"説明と呼ぶものを拒絶することと合致している。この機械論的説明とは、現象がその結果として起こる物理変数を記述することで、現象の因果関係を説明を与える説明方法である。この拒絶によって、我々は説明のための手荷物なしに済ませることができる。
B. 複数のデザイナーは互いに異なる。 デザイナーの同一性を仮定することは複数デザイナー理論を、特殊例である単一の肉体を持たないデザイナーのインテリジェントデザインに帰着させるが、これは証拠が支持しない。複数のデザイナーはいくつかの潜在的に検知できる点において互いに異なる。成果が期待できる科学研究計画を補強できるので、これらの違いはとても重要である。私は以下で研究計画を論じ、パイロット研究の例を次のポスト"Validating Designer Discrimination Methods"で提示する。
C. 複数のデザイナーは完全なデザイナーではない。 これは複数のデザイナーが互いに異なることから導かれる。定義上、完全なデザイナーたちは互いに同一であって、彼らのデザインを識別できない。従って、複数デザイナー理論では、"デザインのよさ"空間における最高点たる理想的に最適化したデザインを作れないという意味で、複数のデザイナーは不完全であるとする。さらに、彼らが互いにまさに不完全性において異なっており、これらの違いは複数デザイナー理論研究にくさびをいれる割れ目を提供する。複数デザイナー理論によって補強された研究計画の重要な部分はデザインの違いが異なるデザイナーの識別規準となるだろう点である。複数のデザイナーは彼らの作品に"指紋"を残しているはずで、それは人間の指紋のように、適切な方法論的"レンズ"と分析ツールがあれば、識別できるかもしれないデザイナー間の差異の背後に複数のデザイナーが残した象徴的指紋と仮説する。
D. 複数デザイナーの数は有限かつ上限がある。 この前提は他のものよりも経験的証拠によって支持することは難しい。しかし、複数デザイナー理論研究が、デザインされた現象のリストあるいは宇宙的奇妙なデザイン店になったり、単一デザイナー理論にならないために、論理的に必要なことである。科学的理論は類似性クラスへ異なる現象を分類し、個別例ではなく、それの所属するクラスに対して一般的な法則を適用することで、クラスの実例の挙動を説明する。デザイナーの数が無限であれば、各クラスはたったひとつのメンバーしか持てない。その場合、複数のメンバーを持つクラスがないので、一般的法則は作れない。論理的には無限個のデザイナーがいてもよいが、しかしそれだとデザインについての科学的研究は不可能になる。従って、これは科学的に必要な推定である。同様に、デザインするエージェンシーが1個であれば、現象を分類するクラスは存在せず、1個のクラスに帰着するので、これもまた科学的一般化できない。従って、複数デザイナー理論は、インテリジェントエージェントの数は有限かつ上限があると仮定する。
IV. 複数デザイナー理論と一致する証拠
複数デザイナー理論は純哲学的思索に基づくものではない。妥当な経験的基礎がある。主流インテリジェントデザイン理論がいつも証拠だと主張するものに加えて、生物学文献において確立された幾つかのラインの証拠が複数デザイナー理論と一致する。私はここで、複数デザイナー理論のみと合致する生物学的証拠のほんの数ラインについて指摘する。その他の証拠のラインは、生物学の幾つかの分野において、私よりもよく知っている人々には思い浮かぶだろう。
A. デザイナー対デザイナー: デザイナー対デザイナーパターンは生物学において遍く起こる現象である。事実、最も印象的で精巧に作られた生物学におけるデザインは、他のデザインの打破あるいは破壊を第一目的としているように見える。(編集追記:この見方はNic TamzekのIIへの投稿によるものである。事実、彼はITWA=Invisible Tinkering Warrior Armiesの投稿記事のオリジナルを見つけた。 それは2年前のもので私はほぼ彼のフレーズを借りていた。)複数のデザインはあらゆる種類の生物学的軍拡競争において登場する。幾つかの例を挙げよう:
- 捕食動物/捕獲軍拡競争。
- 寄生動物/ホスト軍拡競争。
- 男性/女性軍拡競争。
- 病原菌/製薬会社軍拡競争。
これらのデザインがデザインに挑む例は、直に複数デザイナーを意味している。第4の例は非常に興味深いハイブリッドケースで、これは片方のデザイナーのクラスの正体がわかっている。それは人間の薬品研究者である。人間の薬品デザイナーに挑戦しているのは、バクテリアの抗生抵抗の戦術と戦略のデザインを担当する肉体を持たない複数のデザイナーたちである。データによればこの特定の、肉体を持たないデザイナーたちは人間のデザイナーたちに優っている。すなわちバクテリアの抵抗が勝利している。今や、人間がデザインした抗生物質の全スペクトルに抵抗する病原菌が存在する。20年にわたって人間のデザイナーたちによって新たな種類の抗生物質は発明されていない。デザイナー対デザインーパターンが有効であるなら、肉体を持たない他のインテリジェントデザイナーの作品を見つけて取り込む可能性があるので、複数デザイナー理論は、自然に起きている抗生物質エージェントに研究の焦点をあわせることを強く示唆する。このようにして、複数デザイナー理論から一般原理が登場する:複数デザイナー理論のデザイナーが既にに開発していて、副次効果として人間のゴールを達成しているデザインの長所を取り込むのは、人間が自ら発明するよりも、しばしばよい戦術となる。このような実際の行動についての一般ガイドは、主流単一デザイン理論からは自然には出てこない。しかしながら、後述する"失敗と欠点"はこのような推奨に対する警告的限界を意味する。
B. 協調によるデザイン: 異なるデザインが単独ではなく協調して働くことがあるという事実は、複数デザイナー理論と整合しており、研究のラインを指摘している。共生のような現象は興味深い研究の問いを挙げてくる。花と授粉者のチームは、単一デザイナーが協調する複数部品システムとしてを創ったものなのか、それとも二人のデザイナーが協調して創ったものなのか?我々は、大きな複雑なプロジェクトに関して人間のデザイナーの組織を分析することで、デザイナーの別々のチームがしばしばより大きなプロジェクトの異なる構成要素に取り組むということを知っている。そしてチーム間は、共通の全体の仕様と通信プロトコルだけでつながっている。これは複数デザイナー理論でも同じだと考えられる。いずれにせよ、軍拡競争や共生や共進化の関係は継続的に研究される価値がある。しかしながら、まさのこのような存在は明らかに、複数デザイナーという仮説とほぼ整合している。単一デザイナー理論ではうまく説明できない。
C.デザインの失敗と欠点: 複数のデザイナーたちが完全でないこと、彼らのデザインが少なくとも効率、品質、寿命に差異があり、証拠は強くデザインの欠点を支持する。地球の生命の歴史には失敗したデザインがちりばめられている。あるデザインは長く存在したが、他は迅速に破滅的に消え去る。肉体を持たない複数のデザイナーはスキルと能力を変化させており、彼らの創ったデザインの成功の変化はスキルと能力の変化の証拠である。ちょうどコンピュータで動いている遺伝的アルゴリズムの場合のようにフィットネス空間を横断して人口のセグメントの動向を観察することで、フィットネス空間のトポグラフィをラフにマップできる。山と谷を見つけて、はじめは局所最適ピークのまわりに幾つかのクラスターが形成され、最後にはクラスターが最高のピークに移動する。これによって、幾つかのデザインが"デザインの良さ"空間の多数の局所最適ピークに分散しているという、多数のデザイナーたちの隠しおおせない証拠を見つけることになる。人間がデザインした遺伝的アルゴリズムと違って、複数の(不完全な)デザイナーが決して唯一の頂上をきわめないことである。複数のデザイナーたちのデザインは"デザインの良さ"空間にちらばる局所最適に散らばる。
D. デザイナーたちの間での学習と共有: 化石の記録と比較解剖学と分子生物学は、多数のデザインエージェントたちが互いから学習ができるか、少なくともある種のデザイナー間の情報伝達ができることを示している。地球の生命の歴史において、とても多くの生物学的発明が出現した。そして、ひとつのメジャーな発明が現れると、しばしば他のデザイナーたちがその発明の機能を真似た。たとえば、飛行は少なくとも、爬虫類と昆虫と鳥類と哺乳類という4個の主たるグループに4回出現した。類似の機能的テーマを見せていて、4個のインプリメントがあまりに違っていてデザイナーが違うことを意味している。しかし、もちろんその違いについての公式なデータによって結論は強化される。"Validating Designer Discrimination Methods"参照。飛行という機能するデザインテーマは一度だけ発明されて、後のデザイナーたちが最初の発明者からそれを借用して、借用者の使える生物学的媒体の違いによる異なる形態にインプリメントするだけだったというのは少なくとも妥当である。人間のデザイナーたちのように、複数デザイナー理論の肉体を持たないデザイナーたちも仕事に使う媒体に制約される。
E.断続的な干渉: 定義上、肉体を持たないインテリジェントデザイナーはデザインを適用するために、デザインされていない生物学的構造もしくは過程に干渉しなければならない。それらの干渉が最初の1回だけ、あるいは連続的に行われるのではなく、断続的に行われることを示す兆候がある。"Intelligent Design Coming Clean"において、Dembskiはフロントローディングに対して精力的に論じている:… as a general rule, information tends to appear discretely at particular times and places. To require that the information in natural systems … must in principle be traceable back to some repository of front-loaded information is, in the absence of evidence, an entirely ad hoc restriction. (Section 7)複数デザイナー理論はこれにまったく同意する。断続的な干渉が観察されることは、順次介入する複数のデザイナーと非常によく一致している。種間軍拡競争における片方が先手を取り、他方が対抗するといういったりきたりを(時々、軍拡競争における片方の他のデザイナーによる先行する発明に対抗するために)交替で対応している方が、単一のデザイナーが繰り返してデザインを変えていくよりも、観察とはるかに一致している。
...一般に、情報は個々にに特定の時間と場所に現れる傾向がある。自然界にある情報が原理的にあるフロントロードされた情報のリポジトリに遡れるはずだというのは、証拠がなく、まったくの場当たり的な制約である。
複数のインテリジェントデザイナーたちについて提案した特性は作業仮説であり、おそらくは適切な方法論が発明され、有効化され、そして既知の対象に対してキャリブレートされれば、経験的に検証可能な仮説となる。
つづく...