2006/05/16

Appearance of Age 再訪

"Appearance of Age"とは、神が宇宙を古いかのように創ったという主張。「アダムとイブも赤ちゃんとして創造して育てたのではなく、大人として創造した。宇宙だって同じさ」ということで、科学と聖書の整合性をとるもの。

Philip Henry Gosse[wiki]が「Omphalos」という本[Amazon]で主張したのが最も極端なAppearance of Ageであるオムファロス仮説[wiki]である。その仮説によれば、神は地球を山や谷とともに、木を年輪とともに、アダムとイブを髪と爪とへそ(Omphalosはギリシャ語でへそ)とともに創造したはずだ。従って、地球や宇宙の推定年齢を信頼できる証拠は見出せない。この仮説は反証不可能であり、科学を完全に破壊するものであるとともに、フェイクを創造する神というすわりのわるいものであるため、流行しなかった

その気持ち悪さはおそらくフィリップ・K・ディック[wiki]の

  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 The Three Stigmata of Palmer Eldritch (1965年)[Amazon]
  • ユービック Ubik (1969年)[Amazon]
くらいのものはあるのだろう。
SFでも"Appearance of Age"的な偽造された世界は、居心地の悪さを狙ったこのフィリップ・K・ディックなどがうまい作品になることもあるが、すべると"夢オチ"[wiki]になるので使い方がむつかしい。

Answers in Genesisはどんな屁理屈・非合理であろうとも、"Appearance of Age"よりはましという基準でQ&Aを作っている。リアリティの確保と気持ち悪さの排除という2点で、絶対避けたいらしい。

微笑ましいところでは、「Did Adam have a belly-button?」で、アダムとイブにはへそがなかったと主張している。アンビリカルコードで母胎とつながっていなかったのだから、見せ掛けの"へそ"などあってはおかしいというもの。

妙に気合の入っているところでは、「How can we see distant stars in a young universe?」などで、6000光年より遠くの星が見える屁理屈を述べ立てている。かつては光速が1兆倍速かったと口走っていたが、その後も、時間の進みが速いの遅いのと、古色蒼然たる旧世紀前半のSFのような状態。

そこまで言うのも、16.4万光年彼方にある超新星SN1987A[wiki]の超新星爆発の観測だろう
たとえば
==> http://www.people.vcu.edu/~rgowdy/astro/mod/049/t5/xmp.html
==> http://www.drake.edu/artsci/physics/astrocourses/sn1987a/SN1987A_Rings.gif

ハッブルの画像のインパクトは大きい。"Appearance of Age"を採用すると、あの光を創造したことになってしまい、気持ち悪すぎる。神の創造の奇跡としては壮観ではあるが、夜空を偽造に満ちたものに変えてしまう。さらに、ニュートリノなども観測されていることから、ニュートリノまで創造したことになる。大量にハッブルの画像が公開されているのだが、"なかった超新星"を見るのは嫌かもしれない。

なので、Dr. John Ashton: In Six Days, Master Books (2003)という本をAiG オンラインストアで販売しているのだが、この本はSN1987Aが見えるのは"Appearance of Age"もありだと言っている。なので、その本の紹介ページで:
Here is another example in which there is an appearance of age. Scientifically it appears that the star was that old when it exploded, just as Adam looked as if he were many years old on the seventh day. To be biblical, we have to be in awe of our God, who can orchestrate the entire heavens in such great detail!

ここにもうひとつの"Appearance of Age"の例がある。科学的には星は降る地と観測されるが、それはアダムが第7日に数十年の年齢をしているかのように見えたのと同じ。聖書的には、我等の神は、そのような詳細までも天上界のすべてを協奏させたと知るべきである。

[Ed. note: AiG rejects the light-created-in-transit idea — see How can we see distant stars in a young universe?]
AiGは光線が経路の途中で創造されたと言う考えを否定している。


創造科学の父Dr. Henry Morrisと仲間たちは"Appearance of Age"も"あり"だとしていたが[Starlight and the Age of the Universe]、これはハッブルの画像なんてない時代だったからだろうか。


あるいは1918年生まれのHenry Morrisの若き日のSFがそんなものだったのだろうか。たとえば、巨匠Edgar Rice Burroughs(1875-1950)[]が火星(Barsoom)や金星(Venus)やターザン(Tarzan)やペルシダー(Pellucidar)などのシリーズを書いていたのは1912年〜1940年頃のこと。空洞地球な地底世界がニュートン力学的に成り立たないが、そんなことはペルシダーに関係はない。異世界があって、そこで英雄と美女の物語があればいい。そんな古き良き時代の世代なら、細かいことは気にしなくてもいいかもしれない。[参考: Hide氏の「地底世界シリーズ」のページ]

posted by Kumicit at 2006/05/16 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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