2011/01/03

ニセ医療用語「エネルギー」

ニセ科学・ニセ医療は「科学用語と同じ用語を使う」が「その意味は科学用語と別もの」というのはよくある。たとえば...
  • 「進化」の意味を再定義するインテリジェントデザイン運動

    インテリジェントデザイン運動は、「自然選択と突然変異による進化」を否定する。
    Is intelligent design theory incompatible with evolution?
    インテリジェントデザインと進化は相容れないか?


    It depends on what one means by the word "evolution." If one simply means "change over time," or even that living things are related by common ancestry, then there is no inherent conflict between evolutionary theory and intelligent design theory. However, the dominant theory of evolution today is neo-Darwinism, which contends that evolution is driven by natural selection acting on random mutations, an unpredictable and purposeless process that "has no discernable direction or goal, including survival of a species." (NABT Statement on Teaching Evolution). It is this specific claim made by neo-Darwinism that intelligent design theory directly challenges.

    それは進化という言葉が何を意味するかによる。"時間を経ての変化"あるいは生物が共通祖先によって関係しているという意味なら、進化論とインテリジェントデザイン理論の固有の対立はない。しかし今日の主流の進化論はネオ・ダーウィニズムであり、それは進化は自然選択が突然変異に働くことで進み、種の存続を含む識別できる方向性や到達点を持たない、予測できない目的のない過程であると主張している(NABT Statement on Teaching Evolution)。このネオ・ダーウィニズムによる主張に対して、インテリジェントデザイン理論は挑んでいる。

    [Questions about Intelligent Design on Disocvery Institute]


    インテリジェントデザインと相容れる「進化」は「自然選択と突然変異によらない、時間を経ての生物形態の変化」であって、通常の意味の「進化」ではない。

  • 量子力学用語を比喩として使う量子ヒーラー ディーパック・チョプラ



  • 様々な物理/化学/生物用語を本来の意味とは無関係に使うホメオパスCharlen Werner

    日本語だと意味をなさないが、英語では多くの意味を持つ単語"mass"(物質・質量・体積)を使ったホメオパシーの例もある。

    さらに、この例では、「state(状態)」という単語の日常の意味と物理用語の意味をすり替えられている。

いずれも聴衆/顧客が科学に疎い(高校レベルの知識を持たない)ことを前提にしている。

この他、ニセ医療では、次のような用語が、広く使われている:

  • 波動
    波動方程式で記述する波ではなく、呪術用語フォースや呪術用語パワーに近い意味合い

  • エネルギー
    ジュールを単位とするスカラー量ではなく、呪術用語フォースや呪術用語パワーに近い意味合い。
    多くの人々が「エネルギーを感じる」けれど、それは計測可能な物理量ではなく、呪術で言うところのフォースやパワーである。

  • 自然治癒(力)
    意味のない形容詞として使われることも多いが、おそらくは生気論時代のバイタルフォースの別名。
    あらゆるものが「自然治癒力を高める」らしい。

  • 免疫(力)
    おそらくは生気論時代のバイタルフォースの別名
といったものがある。

ここで、呪術用語フォースや呪術用語パワーとは...
Forces(フォース) Most peoples seem to believe in forces in nature that are separate from and operate independently of any spiritual beings and are also separate from those forces identified and measured by science, e.g., gravity, electromagnetism, and the strong and weak nuclear forces. The forces are inherently programmed, apparently since the Creation, to do specific things, either alone or in concert with others, and if left alone they will do those things. Farmers recognize them; poets have written about them ("The force that through the green fuse drives the flower"-Dylan Thomas, 1934).

大半の人々は、いかなるスピリチュアルな存在からも分離されて、独立に働き、重力や電磁力や強い相互作用や弱い相互作用などの、科学によって特定され計測される力とは異なる、自然界の力(フォース)を信じている。それらのフォースは、単独もしくは他のフォースと連携して、天地創造以来、特定のことをするように本質的にプログラムされている。農民たちはをそれらを知っている。それらについて詩が書かれている("緑の導火線を通って花を駆りたてる力" -- Dylan Thomas, 1934)。

Power(パワー) The forces, and everything else, are energized by a mystical power that exists in varying degrees in all things. The power in higher-order things, spiritual beings, and people of high status, like African and Polynesian kings, may be dangerous to ordinary people. Power is transferable, through physical contact, sensory perception, or mere proximity. The idea is exemplified in the biblical concept of divine "glory," as halos over the heads of saints in medieval art, and in contemporary New Age "auras" and "psi energy." It is belief in supernatural power that defines the concept of "sacred," and that distinguishes holy water.

フォースとあらゆるものは、あらゆる物の中に大きさを変えて存在する神秘的なパワーによってエネルギーを与えられる。高次の存在やスピリチュアルな存在や高次のステータスにある人々にあるパワーは普通の人々にとっては危険かもしれない。直接接触や感覚的認識や接近することで、パワーを移すことができる。この考えの例は、中世絵画の聖人の頭部の後光として示される神の威光という聖書の概念や、現代のニューエイジのオーラやサイエネルギーである。聖なるものを定め、聖水を識別する超自然のパワーへの信仰である。

[Philips Stevens, Jr.: "Magical Thinking in Complementary and Alternative Medicine"(2001/11-12) on Skeptical Inquirer]


で、実際の用例を見ていこう....と思ったけど、またいずれ...
タグ:Quackery
posted by Kumicit at 2011/01/03 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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