2006/06/13

デザイン持ち込みの方法

Dr.William A. Dembskiは「:Intelligent Design Coming Clean(2000/11/17)」において、自然界にどうやってデザイン情報を持ち込むかを論じた:
How much energy is required to impart information? We have sensors that can detect quantum events and amplify them to the macroscopic level. What's more, the energy in quantum events is proportional to frequency or inversely proportional to wavelength. And since there is no upper limit to the wavelength of, for instance, electromagnetic radiation, there is no lower limit to the energy required to impart information. In the limit, a designer could therefore impart information into the universe without inputting any energy at all. Whether the designer works through quantum mechanical effects is not ultimately the issue here. Certainly quantum mechanics is much more hospitable to an information processing view of the universe than the older mechanical models. All that's needed, however, is a universe whose constitution and dynamics are not reducible to deterministic natural laws. Such a universe will produce random events and thus have the possibility of producing events that exhibit specified complexity (i.e., events that stand out against the backdrop of randomness). Now as I've already noted, specified complexity is a form of information, albeit a richer form than Shannon information, which trades purely in complexity (cf. chapter 6 of my book Intelligent Design as well as my forthcoming No Free Lunch). What's more, as I've argued in The Design Inference, specified complexity (or specified improbability as I call it there -- the concepts are the same) is a reliable empirical marker of actual design. Now the beauty is that we live in a non-deterministic universe that is open to novel information, that exhibits specified complexity, and that therefore gives clear evidence of a designer who has imparted it with information.

情報を持ち込むのにどれだけのエネルギーが必要とされるだろうか? 我々には、量子イベントを検出して、マクロレベルに増幅するセンサーがある。さらに、量子イベントのエネルギーは周波数に比例し、あるいは波長に反比例する。そして、たとえば電磁波の波長には上限がないので、情報を持ち込むのに必要なエネルギー量の下限もない。極限において、デザイナーは従って、エネルギーをまったく流入させずに、情報を宇宙の内部へ持ち込める。デザイナーが量子力学的効果によってデザインを持ち込んだかどうかは、究極の問題ではない、確かに、宇宙の情報処理の観点からは量子力学は古典力学モデルよりも非常に寛容である。必要なことは、しかしながら、その構造と力学が決定論的自然法則に還元できない宇宙である。そのような宇宙はランダムなイベントを発生させ、従って、指定された複雑さを示すイベント(ランダムな背景から目立っているイベント)を発生できる可能性を持つ。今や、私が既に記述したように、指定された複雑さは情報のひとつの形態であり、複雑さの中で純粋に交換を行っているShannonの情報よりもリッチな形態である( 私の本 Intelligent Designの第6章と次の本 No Free Lunch)。私がさらに、"The Design Inference"で論じたことは、指定された複雑さ(あるいはその本では、指定されたありえなさと呼んだが、概念としては同じ)は、実際のデザインの信頼できる経験的なマーカーである。新たらなる情報に扉を開いた、指定された複雑さを示す、従って、情報を持ち込んだデザイナーのはっきりした証拠を与える非決定論的宇宙に我々がいるというという美しさだ。
もちろん、Dembskiは間違っている。たとえば、Richard B. Hoppe[2004]は:
In Intelligent Design Coming Clean Dembski suggested that since (in the limit) as the wavelength of electromagnetic radiation tends to infinity the energy tends to zero, an unembodied intelligent agent could in principle transmit information (designs) to biological entities via an infinite-wavelength zero-energy signal. That sort of conjecture makes physicists of my acquaintance very edgy, invoking as it does a purely mathematical abstraction (“in the limit”) to argue for the causal efficacy of an unembodied agent acting on physical matter via a zero-energy (and therefore zero channel capacity) signal using unfocusable (because of its infinite wavelength) electromagnetic radiation,...

Dembskiは"Intelligent Design Coming Clean"において、電磁波は波長が無限大の極限でエネルギーがゼロとなるので、肉体を持たないインテリジェントエージェントは原理的に、波長無限大のゼロエネルギーの信号を通じて情報(デザイン)を生物に対して伝送できると示唆した。そのような推論は私の知人の物理学者をいらだたせた。というのは、(極限での)純粋数学的な抽象化を用いて、肉体を持たないエージェントが、ゼロエネルギーの(従って伝送容量がゼロ)信号を、(波長が無限大なので)焦点を合わさない電磁波放射を使って、物理的事象に作用する因果率効率を論じるているからだ。...

宇宙全体をアンテナとしても、宇宙が有限だったら、情報は受信できない。

超自然のデザイナーなら物理法則を無視して、宇宙に介入してもいいので、それは周波数ゼロでも情報を持ち込んでもいいだろう。しかし、それなら、完成品を持ち込む方が簡単なのだが。

で、宇宙誕生以後に、情報を宇宙へ持ち込もうとすると、大なり小なりエネルギーを持ち込むことになり、この宇宙ではエネルギー保存則は成り立たなくなる。別に、インテリジェントデザイン理論ではエネルギー保存則は保証されないということにしてもよいのだが、これは避けたいらしい。"若い地球の創造論"でも、創造6日間を過ぎるとエネルギー保存則が成り立つことになっている(ie. Answers in Genesis)。ここで破ると、進化論と創造論から挟み撃ちにあうということもあるだろう。

で、エネルギーを保存するために、完成品持ち込みという"創造論"的な方法を含む、あらゆるエネルギーや物質の持ち込みを避けようとすると、フロントローディングに傾き始める。

このフロントローディングとは"神の介入"ではなく"神の予見"に分類される方法であって、宇宙誕生の時点で持込済みにしてしまうこと。この場合は、科学の隙間に神を置く"God of the gaps"論にはならず、科学の裏側に神を置く形になる。これだと、隙間と一緒に神が生き埋めにされることはなくなる。と同時にオッカムの剃刀の掟にしたがって、神は科学の説明から排除される。



posted by Kumicit at 2006/06/13 02:03 | Comment(0) | TrackBack(1) | Dembski | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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