2006/06/22

進化論を知らなくても楽しめるDembski

インテリジェントデザインのDembskiを楽しむのに、進化論を知っている必要は全くない。創造論も地球も宇宙も6000年と言ってるやつらとだけ知っていれば十分に楽しめる。

真正面からGod of the gapsを宣言するDembski

疑似科学の基本パターンである"God of the gaps"論。それは「科学で説明できないものは[空欄を埋める]のせいなのさ」である。

そして、デザインを検出するDembskiの説明フィルタとは「自然法則でも偶然でも説明できなくて、意味ありげなものはデザインだ」である。

普通に"God of the gaps"論だ。インテリジェントデザインを語るに、Dembskiが掲げるのは我、"God of the gaps"なりとはタダモノではない。
普通、目くらましをするのだが、Dembskiが真正面から"God of the gaps"だと宣言する。科学ではないと高らかに宣言するのだから、これは立派と言うほかない。

そして、進化論を知らなくても、Dembskiはバカ!!と言えてしまう例を最初から繰り出してくるのが、素晴らしい。


「59は素数ではない」でSETIの例を挙げるDembski

Dembskiは意味ありげな情報を検出する例として、SETIで受信した電波に素数列が含まれる例を挙げる。ここで、"59"をもらしてしまう。

これ以後、インテリジェントデザインでデザインの検出といえば、"59は素数ではない by Dembski"というネタになる。

"エラトステネスのふるい"で100以下の素数を手で見つけるくらいは高校ネタ。進化論とも関係ない。高校生でも楽しめるネタを提供するDembskiはとっても素晴らしい。

そして、SETIとインテリジェントデザインはまったく違うものだという正面攻撃と、"59は素数ではない by Dembski"のおかげで、ついにDembski[2006]はSETIを投げ捨ててしまった:
Skeptics, ever selective in their skepticism, remain convinced that SETI (the Search for Extraterrestrial Intelligence) is a legitimate scientific program. But applying methods of design detection to biology well that’s just plain stupid. See Robert Camp’s piece here.

懐疑論者は、常に自らの懐疑論において選択的であり、SETIは正当な科学的なプログラムであると確信し続けている。しかし、生物学に設計検知の方法を適用すれば、ただの馬鹿だとわかる。

Design from biology fairly smacks us over the head. What about design from SETI (i.e., convincing proof of alien intelligence)?

生物からのデザインはまったくガツンと一発だ。しかし、SETIからのデザインはどうだろうか?地球外インテリジェンスの納得できる証明は?
...

こういう、わかりやすい行動がDembskiの楽しさだ。

ということで、インテリジェントデザインの説明にSETIを使ってはいけないことになった。
ちなみに、いまや腐ってしまたSETIネタを客に出してるのが、統一協会の下部組織である勝共連合の関連会社である世界日報の有償メールサービス(のコピー)。


インテリジェントデザインは創造論だと自分から白状したDembski

インテリジェントデザインの本山たるDiscovery Instituteは、地球も宇宙も6000年な創造論ではないと主張している。宗教ではないから、理科の授業で教えろというわけなのだ。

しかし、Dembski[2005]は、あっさり創造論だと白状する:
By contrast, much of my own work on intelligent design has been filling in the details of these otherwise intuitive, pretheoretic ideas of creationists. For instance, I learned about Emile Borel and his universal probability bound of 10^(50) through the writings of the creationists. Indeed, I recall as an undergraduate reading on the Chicago subway a book by ICR associates Clifford Wilson and John Weldon debunking UFOs. That book had an appendix that examined the chance formation of the origin of life and mentioned Borel's universal probability bound.

これに対して、インテリジェントデザインについての私の多くの成果は、この創造論者たちの直感的で理論以前の段階のアイデアの詳細を埋めていくものだった。たとえば、私はEmile Borelとそのユニバーサル確率限界の10^50を、創造論者の本で知った。実際、学生の頃にシカゴの地下鉄の中で読んだ、Institute for Creation ResearchのClifford WilsonとJohn Weldonが書いたUFOをデバンクした本を思い出す。その本の付録で、Borelのユニバーサル確率限界に触れてて、生命の起源が偶然におきる可能性を論じていた。 [強調はKumicitによる]

Dembski若き日の愛読書の出版元Institute for Creation Researchとは、当時はまだ勢いのあった創造論の本拠地とでもいうべき団体である。なんにせよ、創造論の本で学んだとか言ってはいかんだろう。みんなで創造論ではないと主張しているときに。

しかし、Dembskは気にしない。そして、創造論をちゃんとしたものにしたのがDembski自らであると自慢するのだ。


Beheの本は疑似科学本だと言うDembski


1997年に"聖書の暗号"が流行した。もちろん、まったくの疑似科学。当時出版された3冊の本のうち「聖書の暗号」(Amazon)を執筆したMichael Drosninは、1997年にイグ・ノーベル賞[wiki]を受賞している。そして、進化論サイト[TalkOrigins 1998]と創造論サイト[AnswersInGenesis]が仲良く、聖書の暗号を予言になんか使えるか!!とぶった切っている。

ところが、その当時の1冊、Jeffrey Satinoverの「聖書のミステリー」(Amazon)を持ち上げたのがDembskiだ。

疑似科学本を持ち上げるだけなら、誰でもできる。しかし、Dembskiは普通ではない。なんと、Dembski[1998]は、インテリジェントデザイン関連の代表的な本であるBeheの本を双璧をなすと持ち上げたのだ。
But perhaps that wedding is not unique. At the same time that research in the Bible Code has taken off, research in a seemingly unrelated field has taken off as well, namely, biological design. These two fields are in fact closely related. Indeed, the same highly improbable, independently given patterns that appear as the equidistant letter sequences in the Bible Code appear in biology as functionally integrated ("irreducibly complex") biological systems, of the sort Michael Behe discussed in Darwin’s Black Box.
The relevant statistical methodology is identical for both fields. As a result, the two fields stand to profit from each other.

しかし、おそらく、その(科学と神学の)結婚は唯一のものではない。聖書の暗号の研究が立ち上がったとき、時を同じくして、一見無関係の分野の研究も立ち上がった。いわゆる生物学的デザインだ。これら2つの分野は、事実、密接に関係している。実際に、同じく非常にありえそうにない独立して与えられたパターンが、聖書の暗号における等間隔に並ぶ文字列と、Michael Beheが"Darwin's Black Box"で論じた機能的に統合された生物学システム(還元不可能な複雑さ)に現れたのだ。
両方の分野で使われた統計学的方法はまったく同じだ。結果として、2つの分野は互いに利益を得た。[強調はKumicitによる]


いやあ、Behe:"Darwin's Black Box"ってのは、聖書の暗号と同様の疑似科学本だったんですねえ。



タグ:id理論 Dembski
posted by Kumicit at 2006/06/22 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Dembski | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック