[Ali S. Khan: "Social Media: Preparedness 101: Zombie Apocalypse"(2011/05/16) on CDC]以上は、米国CDCおよび緊急事態対応の導入記事である。基本的には多くの災害に共通するものであり、かつての英国の核戦争準備にも通じるものである。
私たちが準備できる緊急事態にはあらゆるものがあります。たとえば、ゾンビアポカリプス。そうです。ゾンビアポカリプスです。今笑うかもしれませんが、実際に起きた時は、これを読むとよいでしょう。実際の緊急事態についての準備についても少し学べるかもしれません。
ゾンビの歴史
肉食ゾンビが街にあふれかえる映画を1回は見たことがあるでしょう。私のお気に入りはResident Evil(バイオハザード)です。しかし、ゾンビはどこから来て、なぜ脳を食べたがるのでしょうか?ゾンビという単語はハイチとニューオリンズのヴードゥー教が起源です。時とともに、その意味は少し変わってきましたが、アンデッドとしてミステリアスに復活した人間の死体を意味します。古代のヴードゥー教や民間伝承では、歩く死体が生まれたように表現されます。
映画やショウや文学では、ゾンビは噛まれたり体液接触により感染するウィルスによって創られるものとして描かれています。"Night of the Living Dead"の中で、Harvardの精神医学者Steven Schoolmanがゾンビについて架空の論文を書いていて、それではゾンビを、病原体により起きる神経失調変性満腹不完全症候群(NSDS)として記述しています。Zonbi Survival Guideではゾンビの原因をsolanumという名のウィルスのせいだとしています。"Night of the Living Dead"では破壊されたNASA金星探査機からの放射線を原因としてます。
ポップカルチャーでのゾンビの流行で、ゾンビアポカリプスが発生するという考えを信じる人が増えています。そのようなゾンビシナリオでは国全体がゾンビに乗っ取られ、ゾンビは街を徘徊して生きているものを食べつくしていきます。このような考えが広まり、人々は「ゾンビアポカリプスにどう備えればいいのか」と疑問に思っています。
私たちCDCには、その疑問に対する回答があります。そのうちの幾つかは、実際の緊急事態についても役に立ちます。
後悔よりも準備
[緊急事態用キット]
ゾンビ、あるいは、たとえばハリケーンやパンデミックが来る前に何をしておく必要があるでしょうか? まず、家庭に緊急事態用キットを準備する必要があります。これには、数日分の水や食料や消耗品が含まれます。これは、ゾンビのいない避難キャンプの位置が分かるまでの数日(あるいは自然災害では避難場所に辿りついて購入できるまでの数日、あるいは電気・水道・ガスの復旧までの数日)の分です。以下に主要な準備リストを示します。完全なリストはCDC緊急事態ページにあります。
- 水(1日1人あたり1ガロン≒4リットル)
- 食糧(いつも食べているもので、生鮮品でないものを備蓄する)
- 医薬品(処方薬および非処方薬)
- 道具と消耗品(ユーティリティーナイフ・ダクトテープ・ラジオ(電池)など)
- 衛生品(家庭用漂白剤・石鹸・タオルなど)
- 衣料と寝具(家族全員の着替えと毛布)
- 重要書類(免許証・パスポート・出生証明などのコピー)
- 救急箱(ゾンビに噛まれたときの裂傷治療、トルネードやハリケーンでも同様)
緊急事態キットを準備できたら、家族と緊急時計画を考えましょう。これにはどこに逃げるかや、ゾンビが屋外に発生し始めたときに誰に連絡するか、などがあります。同様のことは洪水や地震や他の緊急事態でも考えられます。
[郵便受けに集合する家族。集合場所は家の近くと、遠く離れた場所の2つを決めておきましょう]
- 住んでいる場所で起きる可能性のある緊急事態の種類を特定しておきましょう。ゾンビアプカリプス以外に、洪水やトルネードや地震が考えられます。よくわからないときは地域の赤十字に相談してください。
- 自宅がゾンビに襲われたときに家族が集合する場所を決めてください。あるいはハリケーンで街から避難する時も。突如の緊急事態に備えて家のすぐそばと、家に帰れそうにないときに近隣から遠く離れた場所も。
- 緊急連絡先を調べておきましょう。警察や消防や地域のゾンビ対策チームなど。家族に自分が健在であることを伝えられるような州外の連絡場所も。
- 避難ルートを計画しておきましょう。ゾンビが飢えていて食糧(脳など)を食べるまで止まらないときは、最速で街から逃げなければなりません。どこへ逃げるかと、複数のルートを予め決めておき、ゾンビに食べられないようにしましょう。これは急いで避難しないといけない自然災害のときにも役立ちます。
恐れるな、CDCは準備できている
[緊急事態キット・計画作成・準備]
ゾンビが街を徘徊し始めたら、CDCは他の病気の流行と同様に調査を実施します。CDCはゾンビ襲来の対処策について、市・州政府・国外関連機関を支援します。これには、コンサルテーション、実験と分析、患者の管理と治療、接触履歴の追跡、感染コントロール(隔離などを含む)があります。このシナリオの調査では次の目標を目指します。
- 病気の原因の特定
- 病原体・ウィルス・毒物の源の特定
- 感染方法や感染拡大の勢いなどの特定
- 感染サイクルの阻止方法、すなわち感染防止の方法の特定
- 患者の最適な治療方法の特定
ゾンビの原因と治療方法の特定は科学者だけの仕事ではありません。CDCなどの連邦政府機関は影響を受けている地域支援に、医療チームや緊急対応要員を派遣します。(私はフィールドワークをする無名の若き疾病調査者に志願します)
CDCの緊急事態対応についてはこちら:http://emergency.cdc.gov/cdc/orgs_progs.asp
緊急事態の準備などについてはこちら:http://emergency.cdc.gov/
上記のようなバッジのダウンロードはこちら:http://emergency.cdc.gov/socialmedia/zombies.asp
==>日本語で味わう、1980年代の英国の核戦争 (2010/08/08)