2006/07/20

Dembskiの"God of the gaps"な反証可能性

インテリジェントデザイン理論家Dr.William A. Dembskiは、2001年1月に「Is Intelligent Design Testable?」において、インテリジェントデザインは反証可能だと主張した:
Intelligent design is eminently falsifiable. Specified complexity in general and irreducible complexity in biology are within the theory of intelligent design the key markers of intelligent agency. If it could be shown that biological systems like the bacterial flagellum that are wonderfully complex, elegant, and integrated could have been formed by a gradual Darwinian process (which by definition is non-telic), then intelligent design would be falsified on the general grounds that one doesn't invoke intelligent causes when purely natural causes will do. In that case Occam's razor finishes off intelligent design quite nicely.

インテリジェントデザインはきわめて反証可能である。一般における指定された複雑さと、生物学における還元不可能な複雑さは、インテリジェントデザイン理論の範囲内でインテリジェントエージェンシーの重要な目印である。素晴らしく複雑で、エレガントで、統合されているバクテリアの鞭毛のような生物システムが、定義上では非目的である、漸進的なダーウィンの過程で形成され得るなら、インテリジェントデザインは、純粋に自然の原因によって説明されるとき、インテリジェントな原因を呼び出す必要がないという一般的な根拠において、反証されるだろう。その場合は、オッカムの剃刀によりインテリジェントデザインはまったくうまく始末する。

反証不可能という批判に反論すべくこんなことを書いたようだ。「自然法則でも、偶然でも説明できなくて、意味ありげなのものはデザインだ」を反証するには「自然法則か、偶然で説明できる」ことが示されることだと言うのがDembskiの主張。

こんなことを口走ったせいなのか、インテリジェントデザインの本山たるDiscovery Instituteは、還元不可能な複雑さ(Irreducible Complexity)とその代表例としてのバクテリアの鞭毛を絶対死守しようとしてるかな?

それにしても、科学の隙間があったらインテリジェントデザインの証明で、隙間が埋まったら反証だという"God of the gaps"論になっている。何か言うと"God of the gaps"になってしまうDembskiだ。

これについて、進化論ブログPanda's Thumbsの執筆者のひとりWesley R. Elsberryは「
"Dances With Popper": An Examination of Dembski's Claims on Testability
」において:
One will note that Dembski's deployment of "falsifiability" is unrecognizable as any sort of usage that could be said to be derived from Popper. Demsbki does not proceed from some "theory of intelligent design" and find a proposition that is an entailed consequence and test its empirical validity, as Popper required for his "falsifiability". Dembski asserts that an essentially unrelated proposition, whether some phenomenon can be explained sufficiently well by reference to a completely unrelated theory, somehow has implications for the truth value of the conjecture of interest. This has no corresponding construct in Popper's framework, perhaps for the simple reason that it is an obviously invalid approach that Popper wouldn't have touched with a ten foot pole. (See below for more.) It was this clearly erroneous deployment of "falsifiability" that I strongly critiqued ...

Dembskiの反証可能性の配置は、Popperから導出されたと言える使用法として認められないことに注意すべきだ。Dembskiは、ある"インテリジェントデザインの理論"から、それに伴う結果である命題を見つけ、経験的な有効性を検証するという、Popperが反証可能性に必要なものへと進もうとしていない。ある現象が完全に関係ない理論への言及によって十分に説明されうるかどうかによらず、基本的に無関係な命題に、関心の推測の真理の価値への含意があると、Dembskiは主張する。これは、Popperのフレームワークで、おそらくそれがPopperが10フィートの柱で触れなかった明らかに無効なアプローチである単純な理由のために対応する構成概念を持たない。それは、私が強く批判する、明らかに誤った反証可能性の配置である。


posted by Kumicit at 2006/07/20 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Dembski | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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