2006/07/28

蛇がヒトの進化を加速した?

インドのおそらくゴアの新聞The Navhind Timesが、2006年7月24日に「Snakes hold the key to evolution secrets (蛇は進化の秘密の鍵を握る)」という記事を掲載した:
RESEARCHERS at the University of California have said that the ability to spot venomous snakes might have played a major role in the evolution of monkeys, apes and humans.

カリフォルニア大学の研究者たちは、毒蛇を見つける能力がサルと類人猿とヒトの進化において主要な役割を演じたかもしれないと言った。

Initial studies suggested that primates developed good vision, enlarged brains, and grasping hands and feet for accomplishing their reaching and grasping functions. These characteristics got evolved as primates started using their hands and eyes to grab insects and other small prey, or to handle and examine fruit and other foods.

初期の研究において、よい視力と大きな脳と物を掴む手と足を発達させ、リーチと掴む機能を生じさせたことを示唆していた。これらの特徴は、霊長類が手と目を使って昆虫や小さな餌を掴んだり、果物やそのほかの食物を手で扱い、調べることで進化が始まった。

But Lynne Isbell, Professor of Anthropology at UC Davis said it was something else. Primates developed good close-up eyesight only for avoiding a dangerous predator- the snake.

しかし、UC Davisの人類学のLynne Isbell教授は、それは何か他のものによると言った。霊長類はよりよい至近距離の視力を、危険な捕食者たる蛇を避けるために発達させた。

“A snake is the only predator you really need to see close up. If it’s a long way away it’s not dangerous,” she said.

「蛇は至近に見る必要のある唯一の捕食者である。遠くにいたら、それは危険ではない」とLynne Isbell教授は言った。

Isbell said that neurological studies have also shown that the structure of the brain’s visual system does not actually fit with the idea that vision evolved along with reaching and grasping. Vision, she said, was more connected to the “fear module,” the brain structure involved with vigilance, fear and learning.

Lynne Isbell教授は、神経病理学の研究によって、実は視覚系のシステム構造が、視覚が手を伸ばして、しっかり掴むこととともに進化したという考えでは合わないことも示したといった。視覚は警戒と恐怖と学習に関連している脳構造である"恐怖モジュール"とつながっているとLynne Isbell教授は言った。

....

“There’s an evolutionary arms race between the predators and prey. Primates get better at spotting and avoiding snakes, so the snakes get better at concealment, or more venomous, and the primates respond,” she added.

「捕食者と餌食の間に、進化の軍備拡大競争がある。霊長類は蛇を見つけて避ける方がよく、蛇は隠れやすく、より毒性が高い方がよい。これに霊長類は反応する」とLynne Isbell教授は付け加えた。

...
これについての論文は2006年7月のJournal of Human Evolutionで発表となる。

「毒蛇がヒトとサルの進化を加速した」という考えは、キリスト教的には妙に象徴的に見える。しかし、実は「インドと蛇(の脱皮)」も近いので、インドの新聞が報道したと見られるかもしれない。・

事実、インドはヒンズー教国であるが、仏教発祥の地でもある。そして、仏教経典の中でも、初期のものに属するスッタニパータにはこんな記述がある:

第一経 蛇

1
広がった蛇の毒を諸々の薬で〔除く〕ように、生起した憤怒〔の思い〕を取り除く者――その比丘は、此岸と彼岸を捨てる――蛇が老化した旧皮を〔捨て去る〕ように。
2
池に生えている蓮の花を〔水に〕入って〔折り取る〕ように、貪欲〔の思い〕を残りなく断ち切った者――その比丘は、此岸と彼岸を捨てる――蛇が老化した旧皮を〔捨て去る〕ように。
3
激しく流れる〔渇愛の〕流れを干上がらせて、渇愛〔の思い〕を残りなく断ち切った者――その比丘は、此岸と彼岸を捨てる――蛇が老化した旧皮を〔捨て去る〕ように。
4
大激流が極めて力の弱い葦の橋を〔押し流す〕ように、高慢〔の思い〕を残りなく断ち切った者――その比丘は、此岸と彼岸を捨てる――蛇が老化した旧皮を〔捨て去る〕ように。
...

http://www.j-theravada.net/sakhi/suttanipata.html#1-1

やたらと"蛇の脱皮"が登場していることに気がつく。インドでは蛇の脱皮を見ることはけっこう多くて、説明ネタには有用ということだろうか。

ってことで、インドのゴアの新聞が「蛇で進化」に反応したかな?
posted by Kumicit at 2006/07/28 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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