2006/08/20

冥王星が惑星失格する惑星の定義案も登場

New Scientist Spaceの2006年8月18日付のStephen Battersbyの記事「Pluto may yet lose planet status」によれば、International Astronomical Unionで水曜日に提案された惑星の定義案に対抗して、金曜日にウルグアイのUniversity of the Republic in MontevideoのJulio Fernandezらのグループが別の定義を提案した。
水曜日の提案された定義案では、「太陽を周回する天体で恒星でも衛星でもない・自己重力で球体になっている・共通重心が惑星表面より外側」だった。これにより、共通重心の条件によりカロンが冥王星の衛星から惑星に昇格し、セレスが小惑星から昇格し、ついでにXenaが参加。
これに対して、金曜日の案は「by far the largest body in its local population (その局所集団で、ダントツに大きい天体)」であった。これにより、海王星軌道より外側にあるカイパーベルトでは珍しくもない大きさの冥王星は失格。同じカイパーベルトなXenaやカロンももちろん惑星の資格なし。セレスも小惑星のまま。
水曜日の案では、CaltechのMike Brownによれば200個はあるというカイパーベルトの球体な天体が惑星になりかねないとの懸念があった。これを解決するのが金曜日の案だが、「ダントツに大きい」の定義が不明確という問題もある。
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wiki:Planetによれば:
Traditionally, a distinction has been drawn between planets proper, and large asteroids (which have been called minor planets). However, the dividing line between these bodies has become increasingly problematic due to the discovery of bodies in the outer solar system that approach, and in at least one case exceed, the size of the smallest traditional planets.

伝統的には、惑星と小惑星の間に境界線が引かれていた。しかし、太陽系外縁での天体の発見され、その大きさが最小の伝統的惑星に近づき、一例ではそれを超えたため、境界線は次第に問題になってきていた。

冥王星を惑星にとどめるために、太陽系外縁の天体たちも惑星扱いしていいというのが水曜日の案らしい。逆に冥王星を降格してでも、太陽系外縁の天体たちを惑星扱いしないというのが金曜日の案。

いずれにせよ、定義の問題であって、科学理論の問題ではないので、どっちでもいいわけだが。
posted by Kumicit at 2006/08/20 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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