2011/10/14

ラジウム・ルアー

旧世紀前半、ラジウムは科学とエネルギーの象徴として、様々な分野の商品に使われていた。名前だけラジウムな商品から、それなりにラジウムが含まれていて被害を出したものまでいろいろ。その多くのがラジウムのイメージだけで商品が作られていて、実際に効能があるわけではなかった。

ただ、一部には実用性があるものもあった。夜光物質としてラジウムを使用した商品である。そんな商品のひとつにルアーがあった。
[The "Glowbody" Minnow Fishing Lure (ca. 1920) on Oak Ridge Associated Universities]
AbbieRadiumGlowbody.jpg
A glow-in-the-dark fishing lure known as the "Glowbody" manufactured by Abbey and Imbrie (circa 1920). As would be expected, the radioluminescent material in the glass tube that forms the body of the lure employs radium.

1920年代にAbbey and Imbrieが製造した"Glowbody"として知られる暗闇で光るフィッシングルアー。期待通り、ルアー本体を形成するガラス管には充填する放射性夜光物質として、ラジウムが採用されている。(大きさ8.75cm)

AbbieRadiumGlowbodyAd.jpg
なお、このルアーについては不明だが、Radium Girlsなどで知られるように、夜光物質としてラジウムを使用した時計の文字盤などの製造工程では被曝被害が出ている。

それはさておき、これは、ちょっとしたヴィンテージものらしく、箱付きだと300〜400ドル価格がついている。
[Collectible Fishing Lures: Rare Mechanical and Spring-Loaded Baits from the Early 20th Century (2006/10/20) on FieldAndStream]
AbbieRadiumGlowbody_w_box.jpg
The well-known Abbey & Imbrie sporting goods wholesaler was in business from 1900 on. The glass Glowbody Minnow was sold around 1920 and was filled with some sort of luminous liquid. This one still glows!

有名なAbbey&Imbrieスポーツ用品卸売は1900年に事業を始めた。ガラスのGlowbody Minnowは1920年頃に販売されており、ある種の液体夜光物質が入っている。これは今でも光る。
Value: $50 to $75
With box: $300-$400
ガラス管が割れて中味がこぼれると、どうなるか気になるところではあるが、問題が起きたという情報は見当たらない。



ラジウム関連エントリ



posted by Kumicit at 2011/10/14 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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