2011/12/03

デバンキングハンドブック(2/6) 身近になるバックファイアー効果

[Cook, J., Lewandowsky, S. (2011), The Debunking Handbook. St. Lucia, Australia: University of Queensland. November 5. ISBN 978-0-646-56812-6.]

The Familiarity Backfire Effect
身近になるバックファイアー効果


To debunk a myth, you often have to mention it - otherwise, how will people know what you’re talking about? However, this makes people more familiar with the myth and hence more likely to accept it as true. Does this mean debunking a myth might actually reinforce it in people’s minds?

誤情報をデバンクするために、誤情報に言及する必要がある。そうしないと、何の話をしているのかわからなくなる。しかし、言及することで、人々は誤情報に身近になり、したがってより誤情報を真実だと思うようになる。これはデバンキングが誤情報を人々の心の中で強化することになるかもしれないということだろうか?

To test for this backfire effect, people were shown a flyer that debunked common myths about flu vaccines.[5] Afterwards, they were asked to separate the myths from the facts. When asked immediately after reading the flyer, people successfully identified the myths. However, when queried 30 minutes after reading the flyer, some people actually scored worse after reading the flyer. The debunking reinforced the myths.

このバックファイアー効果を検証するために、被験者たちに、インフルエンザワクチンについての一般的な誤情報をデバンクしたチラシを見せた。その後、被験者たちは何が事実で何が誤情報か質問した。チラシを読んだ直後に質問されると、被験者たちは正しく誤情報を指摘できた。しかし、チラシを読んで30分後に質問すると、一部の被験者たちは読んだ直後よりスコアが悪くなった。デバンキングが誤情報を強化した。

Hence the backfire effect is real. The driving force is the fact that familiarity increases the chances of accepting information as true. Immediately after reading the flyer, people remembered the details that debunked the myth and successfully identified the myths. As time passed, however, the memory of the details faded and all people remembered was the myth without the “tag” that identified it as false. This effect is particularly strong in older adults because their memories are more vulnerable to forgetting of details.

したがって、バックファイアー効果は実際に存在する。この効果を駆動しているのは、「身近になると、情報を真実として受け入れやすくなる」という事実である。チラシを読んだ直後は、被験者たちは誤情報のデバンクについての詳細を覚えていて、正しく誤情報を指摘できた。しかし、時間とともに詳細についての記憶は薄れていき、すべての被験者は、誤情報をそれ誤りだという「タグ付け」なしに記憶していた。この効果は特に年長の大人に強くみられる。というのは彼らの記憶は脆弱で、詳細を忘却しやすいからだ。

DBH02.png

How does one avoid causing the Familiarity Backfire Effect? Ideally, avoid mentioning the myth altogether while correcting it. When seeking to counter misinformation, the best approach is to focus on the facts you wish to communicate.

"身近になる"バックファイアー効果が起きるのを避けるにはどうすればいいだろうか? 理想的には誤情報の修正にあたって、誤情報にまったく言及しないことだ。誤情報に対抗しようとしているとき、最善のアプローチは伝えたい事実に焦点を当てることである。

DBH01.png

Not mentioning the myth is sometimes not a practical option. In this case, the emphasis of the debunking should be on the facts. The often-seen technique of headlining your debunking with the myth in big, bold letters is the last thing you want to do. Instead, communicate your core fact in the headline. Your debunking should begin with emphasis on the facts, not the myth. Your goal is to increase people ’ s familiarity with the facts.

ときとして誤情報に言及しないことは、現実的な選択肢ではない。この場合はデバンキングで事実を強調すべきだ。よく見られるテクニックは、デバンキングする誤情報を大きく太字で書いた表題であり、これは最もやってはならない方法である。そうするのではなく、コアな事実を表題で伝えること。デバンキングは事実の強調から始めるべきであり、誤情報からではない。目標は人々が事実をより身近に感じることである。

The best approach is to focus on the facts you wish to communicate
最善のアプローチは伝えたい事実に焦点を当てることである


DBH03.png


気候の誤情報のデバンク例
太陽活動と気候変動は逆方向に進んでいる
コアな事実を表題で強調
過去数十年の地球温暖化が進んでいうとき、太陽活動はわずかながら弱まる方向に変化している。太陽活動と気候変動は逆方向に進んでいる。このことにより、多くの科学者たちは、太陽活動が地球温暖化の原因ではありえないと、独立に結論している。
表題を強化するコアな事実
最も広く長きにわたって残っている、気候についての誤情報のひとつが地球温暖化の原因が太陽活動だというものである。
誤情報
この誤情報は都合の良いデータだけを見せている。太陽活動と気候変動が同じ方向に進んでいる期間のデータだけ見せて、逆方向に進んでいる過去数十年のデータを無視している。
誤情報ミスリードしている方法の説明


[5] Skurnik, I., Yoon, C., Park, D., & Schwarz, N. (2005). How warnings about false claims become recommendations. Journal of Consumer Research, 31, 713-724.

つづく...


デバンキングハンドブック:
posted by Kumicit at 2011/12/03 08:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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