- 2011/03/12 (朝) 3km圏内に避難指示・10km圏内に屋内退避指示
- 2011/03/12 (昼) 10km圏内に避難指示
- 2011/03/12 18:25 20km圏内に避難指示
- 2011/03/15 11:00 20〜30km圏内に屋内退避指示
原子炉まわりのイベントを拾ってみると...
- 2011/03/12 00:00 1号機非常用復水器で冷却中 ==>2011/03/12 06:00 停止 (最初からあまり機能してなかったが、この時点では12時間動作したと認識していたもよう)
- 2011/0/12 15:36 1号機水素爆発
- 2011/03/13 02:00 3号機高圧注水系注水中 ==> 2011/03/13 05:30 停止・注水不可
- 2011/03/14 05:00 2号機原子炉隔離時冷却系注水中 ==> 2011/03/14 23:30 停止
- 2011/03/14 11:01 3号機水素爆発
- 2011/03/15 06:00 4号機水素爆発
1号機の冷却機能喪失とベントと水素爆発で20km圏内避難が確定しているが、その後は2,3号機の冷却機能喪失や2,4号機の水素爆発が起きても、20km圏内から避難指示を拡大していない。20kmで十分だと判断していたように見える。
福島第一原発の敷地外での線量観測についても、20km圏外で一時的に線量増大を観測しても、20km圏を堅持している。
- 2011/03/12 09:00 浪江町[北約8km]で15μSv/h
- 2011/03/12 20:00 南相馬[北約24km]で17.8μSv/h(==>20:00 20.0μSv/h==>3/13 09:15 4.02μSv/h)
- 2011/03/15 02:00 "いわき"[南南西約43km]で18.04μSv/h(==>04:00 23.72μSv/h==>09:00 2.59μSv/h)
東電による福島第一原発敷地内の観測値を見てみると、連続的に観測されていた「正門付近」で、2011/03/15 09:00に11.93mSv/hを記録している。

この後、11:00に政府は「避難指示」ではなく「屋内退避指示」を20〜30km圏内に出している。
イベントの流れから見て、この「屋内退避指示」は「東電の正門付近の観測値」に基づく「線量注意報」のように見える。この時点ではSPEEDIは北西方向への細長い流れを予測していないので、もわっとした同心円な注意報でも妥当と思われる。
その後、「東電の正門付近」で線量増大が観測され、SPEEDIは北西方向の細長い流れを予測するのだが、政府には2011/04/11に計画的避難区域の考え方を公表し、2011/04/22に設定するまで動きは見られない。
一方、福島県は2011/03/15午後から線量観測値の公開を開始し、30km圏外に汚染が拡大して、深夜に「なるべく屋内に居てください」と広報している。

実際のところ、2011/03/15 11:00の「屋内退避指示」が「東電の正門付近の観測値」に基づく「線量注意報」の意図を持っていたのかはわからないが、「浪江町北西部、葛尾村、南相馬市南西部」については注意報として機能したように見える。
関連エントリ
- 東電と保安院が最近公開したデータをながめてみる (2011/06/06)
- SPEEDI (2011/08/25)
- 最初の一週間くらいの福島県の発表情報サルベージ中... (2011/08/27)
- 3/15〜3/16の「なるべく屋内に居てください」 (2011/09/01)