Deborah Kelemen and Cara DiYanni
Boston University
Intuitions About Origins: Purpose and Intelligent Design in Children's Reasoning About Nature
Journal of Cognition and Development, 2005, Vol. 6, No. 1, Pages 3-31
(doi:10.1207/s15327647jcd0601_2)[Abstract]
実験に参加した児童は、西ロンドンの2つの公立学校の:
- 6歳8ヶ月〜 7歳9ヶ月 31名 (男子17, 女子14) 平均 7歳3ヶ月 [Year=2 第1学年]
- 9歳9ヶ月〜10歳3ヶ月 24名 (男子14, 女子10) 平均10歳3ヶ月 [Year=5 第5学年]
- 欧州および英国 ......... 全体30%, Year=2 23%, Year=5 38%
- アフリカおよびカリブ ... 全体20%, Year=2 26%, Year=5 13%
- 混血 ................... 全体20%, Year=2 23%, Year=5 17%
- アラブ ................. 全体11%, Year=2 13%, Year=5 8%
- 南アジア ............... 全体 9%, Year=2 13%, Year=5 4%
- ラテンアメリカ ......... 全体 4%, Year=2 4%, Year=5 4%
- 不明 ................... 全体 7%, Year=2 0%, Year=5 17%
宗教は、キリスト教40%, イスラム教31%, 無宗教11%, ヒンズー5%, 不明13%
主な集計結果を見てみると...
TABLE 2: 誰が起源かと質問したときの自由回答
誰: 人間 神 自然 不明
-----------------------------------
自然現象: 19% 50% 8% 23%
自然物: 19% 44% 0% 37%
動物: 3% 76% 0% 22%
人工品: 58% 3% 0% 39%
動物の起源は神様というのは強く支持されている。
目的論的な質問に目的論で返してきた学年別比率は..
TABLE 3:起源の目的論質問したときの目的機能な回答した比率(選択肢から)
学年: 自然現象 自然物 動物 人工品
----------------------------------------------
Year2: 32% 60% 53% 82%
Year5: 27% 48% 35% 92%
合計: 30% 55% 45% 86%
人工品は本来、目的機能なもので、これは普通。自然現象に目的を見出さないが、自然物には見出す傾向がある。いずれにせよ学年があがると、目的機能な回答は減少する。
インテリジェントエージェンシーすなわち、神様とか人間とかインテリジェンスを持つもを起源・原因だと回答した比率を学年別に見ると...
TABLE 4: インテリジェントデザインな質問に対して、
インテリジェントエージェンシーな回答をした比率
学年: 自然現象 自然物 動物 人工品
----------------------------------------------
Year2: 45% 53% 73% 87%
Year5: 35% 27% 58% 88%
合計: 41% 42% 46% 87%
人工物にインテリジェントエージェンシーだと答えていないのは少数派。これはいいとして、動物は、自然現象や自然物よりも、インテリジェントエージェンシー起源と回答されることが多い。が、学年があがるとその比率は落ちていくというもの。
インテリジェントエージェンシーな原因から選択させた場合は...
TABLE 5: 誰が起源かインテリジェントデザインな
質問したときの選択肢からの回答
誰: 人間 神 不明
-----------------------------------
自然現象: 13% 84% 2%
自然物: 17% 83% 0%
動物: 8% 82% 10%
人工品: 82% 13% 5%
これは、無理にインテリジェントエージェンシーから選択させているので、これは人間起源と神様起源の識別を目的としたもの。人工品を神様のせいにすることはあまりないことの確認程度。
なお、質問&回答例文はAbstractのページから論文全体へのリンクがあるので、そこで論文のAppendix A/B参照。
感覚的には予想される結果だが、ちゃんと研究調査されている点で、論拠に使えるものだ。