2012/05/26

需給逼迫するも発電所投資の進まないテキサス

電力自由化されたテキサス州の系統運用機関であるERCOTは、2012年5月22日に需給予測レポート公表した。これによれば、予備力を含めた電力供給容量は2014年には、需要に安定供給(需要の急増や発電機のダウン)に必要な13.75%のマージンを加えた量を下回る。そして、2022年には需要を下回る。
ERCOTforecast2002.png

これまでも、危うい状態を何とか乗り切ってきたERCOTだが、供給不足の状況は深刻である。

これについて、ERCOT及びPUCT(テキサス州公益企業委員会)は...
Low wholesale prices and tight financial markets have stalled development of new generation in Texas even as more stringent environmental rules threaten to shut older coal- and gas-fired plants over the next few years.

The Texas Public Utility Commission (PUCT) and ERCOT have implemented a number of market changes -- including raising the price cap on wholesale power when supplies are scarce -- to encouraging construction of new power plants.

In response, Calpine Corp last month said it would install 550 megawatts of new generation by the summer of 2014 at existing Texas power plants.

Other generation owners are watching the market carefully.

卸電力価格が低いことと金融市場がタイトであることから、ここ数年で環境規制のために老朽石炭火力及び老朽ガス火力発電所の閉鎖が必要であるにもかかわらず、新たな発電所建設は失速している。

テキサス州公益企業委員会(PUCT)とERCOTは、卸電力価格の上限を需給逼迫時には引き上げるなどの多くの市場改革を行って、発電所建設を奨励している。

これに応えて、Calpine Corpが先月(2012/4)に、55万kWの発電機を既存のテキサス発電所内に2014年夏までに導入すると発表した。

他の発電会社は市場動向を慎重に見守っている。

[UPDATE 2-Texas power supply outlook worsens, grid says (2012/05/22) by Reuters]
テキサス州の電力価格はこれまで米国平均を上回り続け、ようやく昨年から平均を下回った状態。低価格とは言えないが、その水準では投資誘因にならない模様。

発電会社としては、需給逼迫すれば卸電力価格は暴騰するので、ちっとも困らない。そこを、どうやって投資させるかという制度設計が電力自由化の成否を分かつところだが、テキサス州はうまくいってないようだ。
posted by Kumicit at 2012/05/26 13:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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