2012/07/09

1960年頃と1980年頃の英国民間防衛ブックレットの差

1965年の英国内務省の民間防衛動画に水爆解説がある。

わりと詳細かつ爆心から数マイルは絶望的であることを提示している。

これより数年前の1957年のブックレットでも同様で「爆発から数マイル圏内での防護は現実的には不可能」と明記している。
Front_HydrogenBomb.png

CD_HB_bh1.png

It must be remembered that a large hydrogen bomb exploded on or near the ground might produce a crater of a mile or so in width, and that the remains of any buildings in an area two miles across might be buried by the debris from the crater. Protection within a few miles of such explosion is impracicable, but over very large areas at a greater distance from the explosion many lives could neverteless be saved by making full use of the best available cover, particularly against fall-out, the effects of which etend far more widely than the effects of blast. Many houses and other building have accommodation which could readily be adapted to give protection against fall-out.

大きな水爆が地上もしくは地上近くで爆発すると、直径1マイル程度のクレーターができ、2マイル圏内の残った建物はすべて、クレーターから吹き飛ばされた破片に埋もれることを、知っておかなければならない。爆発から数マイル圏内での防護は現実的には不可能である。しかし、爆発から数マイル圏内より遠い場所は、はるかに広大であり、爆風よりも広大な地域に影響が及ぶ放射性降下物に対して、特に対処した避難場所を活用することで、多くの生命を救えるだろう。多くの家や建物には、放射性降下物対策用に容易に改造できる部屋がある。
提示できるのは、それより外側についての、放射性降下物対策のみだと。


これが1980年頃になると、核兵器の熱線・爆風についての記述はあっさりしたものになる。
ProtectAndSuvive CD_PS_bh.png


動画でも、さらりと触れるだけに。


1981年の「家庭用核シェルター」では、初期と同様の「完全破壊・修復不可能」などの記述があるが、淡々としたもの。
DomesticNuclearShelters CD_DS_bh.png

閃光と熱線
核爆発は数秒間続く閃光を作りだします。これを見ると目が見えなくなることがあります。そのときの大気の湿度により、熱線によって建物が火災になる、爆心からの距離は異なります。熱線に晒された皮膚は火傷になることがあります。しかし、爆風に耐えるシェルターであれば、熱線からの防護にも役に立ちます。熱線にあたったシェルターの部分で、可燃性の材料で作られた部分は火がつくことがあります。熱線にあたったプラスチックは燃えなかったとしても変形して、シェルターの爆風に対する強度を弱めることがあります。

爆風
核爆発の瞬間、爆風が形成されて、非常に高速に伝搬して、数秒間続く、非常に強力な風を起こします。爆風が建物を通過すると、急激な圧力上昇と風により、建物が粉砕されたり、崩壊したりすることがあります。
「爆発から数マイル圏内での防護は現実的には不可能」という強い記述はない。

当初は、極少数の攻撃を想定していたが、その想定が破綻後は、書きようがなくなったのかもしれない。
posted by Kumicit at 2012/07/09 07:56 | Comment(1) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「風の吹くとき」というイギリスの絵本・アニメーションを思い出しました。
当時見た人はショックだったでしょう。
結構強烈なメッセージが込められていたと思います。
Posted by jirou at 2012/07/10 11:51
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