2005年の取引開始の頃は、電力会社は強制的に売買入札させられていた。なんというか経済合理性を無視した演劇みたいなもの。でも、2007年頃には、自社の発電コストの高い発電機よりも、安く調達できる場合は市場から調達するようになり、普通の市場になっている(とある電力会社の企画部門によれば)。
で、その価格だが、詳細は年会費31万5000円のJEPX情報会員にならないと入手できない。個人の趣味で買うには高いので、時間帯及び分断市場を平均化した、無償公開の一日前市場価格を見てみることにする。
- DA-24:システムプライスの24時間単純平均値
- DA-DT:8時から22時までのシステムプライスの単純平均値
- DA-PT:13時から16時までのシステムプライスの単純平均値
特に何がどうということもない2007年9月21日のピークタイムに60円/kWhを記録している。(完全自由化ではないので)買手も価格を入札するのだが、それでも暴騰することあるのは注目に値する。その後、2009年は約定量はそこそこあるものの、電力需要そのものが経済不調で少な目に推移していたため、価格はわりと低迷。
東京電力の福島第一と福島第ニの脱落、東北電力の女川及び複数の火力発電所の脱落により、需給逼迫後の2011年には、価格水準そのものも上昇し、暴騰する回数もかなり多くなっている。
この時期以前に契約された長期先物契約は、契約更改までは、このような市場の価格水準とは無関係。しかし、契約更改時に、市場価格から乖離した低価格で契約継続することはないだろう。