2012/08/25

飲酒により人間の癌リスクが増大することの証拠を初めて得た研究

University of MinnesotaのSilvia Balbo, Ph.D.たちが、アルコール摂取がDNA付加体(DNA Adduct)を形成する証拠を人間について初めて得た。
[First evidence from humans on how alcohol may boost risk of cancer (2012/08/22) on Eurekalert]
アルコールが人間の癌のリスクを増大させる初めての証拠

アルコール摂取とある種の癌についての関連の発見から30年近くがたち、科学者たちは、人間についての研究で、普通に飲まれている酒類に発癌性があるかを説明する証拠を初めて報告した。特に数億人のアジア系の人々に影響を及ぼす結果は、本日(2012/08/22)、244th National Meeting & Exposition of the American Chemical Societyで発表された。

研究を率いたSilvia Balbo, Ph.D.は、ビールやワインやリキュールのアルコールの人体による代謝を説明した。代謝過程で生成される物質の一つがアセトアルデヒドで、これはホルムアルデヒドに似た化学物質である。ホルムアルデヒドは人間にとって発癌物質であることが知られている。科学者たちは実験室実験でアセトアルデイドがDNAに損傷を与え、細胞中の染色体異常を引き起こし、動物の発癌物質となる可能性を知っていた。

「アルコール摂取後に生成されるアセトアルデヒドがDNAに劇的に損傷を与えることの証拠を、生きた人間のボランテイアたちから初めて得た。アセトアルデヒドは人間のDNAを攻撃し、DNA付加体(DNA Adduct)を形成する。アセトアルデイドはDNAに結合して、DNAの活動を阻害し、癌のリスクを増加させる。」とBalboは述べた。彼女は、University of Minnesotaの癌予防の権威であるStephen Hecht, Ph.Dの研究室のメンバーである。

Balboは、人間がDNA付加体形成による損傷を修正する、非常に効果的な自然の補修メカニズムを持っていると指摘した。したがって、アルコールにはその他の健康リスクや事故などの問題があるにせよ、大半の人々は普通の飲酒で癌になることはありそうにない。さらに、大半の人々はアルコール脱水素酵素を持っており、これが迅速にアセトアルデヒドをより害の小さいアセテートに代謝させる。

しかし、16億人のアジア系の人々の約30%は、アルコール脱水素酵素遺伝子に変異があり、アルコールをアセテートに代謝できない。この遺伝子変異は飲酒による食道癌のリスクを高める。ネイティブアメリカンやネイティブアラスカ人には、この酵素生成について欠陥がある。

アセトアルデヒドが人間においてDNA付加体形成(DNA Adduct)を起こすという仮説を検証するために、Balboと共同研究者たちは、10人のボランティアに対して、3週間にわたり週1回ウォッカの摂取を増加させた(1,2,3杯相当)。彼らは、口腔細胞における重要なDNAの付加体形成が飲酒後1時間で100倍に増加し、24時間で減少することを発見した。DNA付加体形成のレベルは血液細胞でも増大していた。

「これらの発見は、ライフスタイルな発癌性であるアルコールが、口腔内でアセトアルデヒドへと代謝され、発癌性で主要な要因として知られるアセトアルデヒドがDNA付加体形成(DNA Adduct)を起こすことを示している。」とBalboは述べた。

Abstract

Alcohol consumption is a cause of head and neck cancer, as well as cancer at other sites. Acetaldehyde, ethanol's major metabolite, reacts with DNA to produce adducts, which are critical in the carcinogenic process. We investigated levels of N2-ethylidene-dGuo, the major DNA adduct of acetaldehyde, in DNA from human oral cells and peripheral blood cells at several time points after consumption of increasing alcohol doses. Ten healthy nonsmokers were dosed once a week for three weeks. Mouthwash and blood samples were collected before and at several time points after the dose. N2-Ethylidene-dGuo was measured by LC-ESI-MS/MS. N2-Ethylidene-dGuo levels in oral cells increased as much as 100-fold from baseline within 4 hours after each dose and in a dose-responsive manner (P < 0.001). N2-Ethylidene-dGuo increased significantly after all doses, also in lymphocytes and granulocytes. However, for these cells there was substantial intra-individual variability, indicating that there are other sources of this adduct in peripheral blood DNA. Our results provide some of the first conclusive evidence linking exposure to a lifestyle carcinogen and kinetics of DNA adduct formation in humans.
アセトアルデヒドをアセテートに代謝する人体機能により、飲酒がそのまま食道癌につながることはない。しかし、この機能を欠落させている、アジア系の30%の人々については、飲酒が食道癌のリスクを高めていることを示唆している。
posted by Kumicit at 2012/08/25 11:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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