
ただ、このとき、どのような売入札・買入札がなされたかは、公開されない(これは取引所上場商品の取引の匿名性という普通の原則)。そこで、公開されている情報から少し考えてみることにする。
対象とする数値は、一日前市場取引48商品について、以下の通り:
- 売入札量
- 買入札量
- 約定量
- 約定量/売入札量: 売入札のうち約定した比率
- 約定量/買入札量: 買入札のうち約定した比率
- システムプライス(価格): 連係線容量を無視した仮想的価格
まず今夏最初の暴騰である7月31日から...

夜は売買入札量が同程度で、昼間は売入札量少なめ、買入札量多めという普通のパターン。昼休み一時間分の売入札量増・買入札量減も通常パターン。売入札量がほぼ100%約定しており、これは最高値の売入札価格が約定価格を決定したことを意味する。と同時に、売入札量に等しい買入札が売り入札最高値以上の価格で入札していたことを意味する。
ただし、売買とも午前と午後では違う価格を入札している。一般に昼前の需要は昼下がりよりも少なめとはいえ、大差があるわけではない。圧倒的に買入札が多いが、これも入札参加者にとっては既知の出来事。それにもかかわらず、どのような判断で、入札価格を決めたのかわからないが、昼前と昼下がりに違う価格をつけている。
そして、その約定価格を知ったうえでの翌日の売買入札量と価格は...


さらに、8月3日には再び、昼前と昼下がりの商品は、売入札の全量が約定し、最高値は38円/kWhを超えた。ただ、何故か、7月31日とは逆に昼前の方が高い。

このあと、8月20日〜24日にも同様の共同がみられる。まず8月20日は午後のみ高め。

そして、翌日は昼前も昼下がりも高値。

平日なのに、何故か、売り側も買い側も抑制気味で

その後の8月23日と24日は、昼前と昼下がりの商品が高値で売買....


前日までの入札量及び約定価格、実需及び予想気温などから入札価格を決めているはずなのだが...
で、ここまでは、午前と午後のどちらかから暴騰が始まり、翌日は逆側にも波及するというパターンだった、8月末は最初から、昼前と昼下がりとも暴騰で推移。




日々の価格を見ると、今一つ、系統性も見られない。相場とはそんなもんと言えばそれまでだが...
ついでに、2012年5月1日〜8月31日の推移を動画にしてみた。これだけで、特にただちに何か言えるわけでないが...
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