2007/01/15

Blind Designer

インテリジェントデザインの主張として

  • 進化=指導も計画もされない無目的の盲目の過程
  • デザイン=指導され計画された目的ある過程
というのがある。自明のこととして主張されていて、論理・論拠も示されることはない:
Contingency can assume only one of two forms. Either the contingency is a blind, purposeless contingency--which is chance; or it is a guided, purposeful contingency--which is intelligent causation.

偶発性には2つの形式の1つしか仮定できない。ひとつは、盲目の目的のない偶発性すなわち偶然。もうひとつは指導された目的のある偶発性、すなわちインテリジェントな原因である。

[William A. Dembski: Intelligent Design as a Theory of Information, 1997](強調はKumicitによる)
これは、方法論的自然主義を原則とする科学の言明ではない。というのは、"目的"は、自然法則によって宇宙を記述する科学の対象外だからだ。さらに、超自然を含む形而上学的に正しい言明でもない。デザイナーに目的があることは自明ではないからだ。


Blind Designer Hypothesis

「デザイナーがいれば目的がある」ことが自明でないことを示してみよう。ということで、次のような"Blind Designer"を考えてみる。

  • 既存の生物を基に次のデザインを創る。
  • デザインしたものが生き残れるかどうか知らない。
  • デザインの最終目標はない。


インテリジェントデザインの基本原則である情報量保存則[Dembski 1997]や、新しい情報は生まれないという創造論原則[ie. Answers in Genesis: New eyes for blind cave fish?]などにはちゃんと、このデザイナーは対応する。しかし: デザインした結果が生き残るかどうかは自然選択次第。その自然選択の結果として生き残っている既存品を基にするので、自然選択の結果と無関係な新規なデザインは創れない。
  • 生き残れることがわかっているデザインを創るわけではないので、大半のデザインは自然界配備後に子孫を残せないまま消え去る。たまたま生き残った生物が、次のデザインの基となる。
  • 人類にたどりつくかどうかは、デザイナー自身も知らないし、意図もしない。意図したとしても、たどりつけるかどうかは運次第。
    この場合、人類を目指すという方向性もなければ(Undirected)、目的もなく(Purposeless)、自然選択たのみ(Unguided)という、神学的にはインテリジェントデザイン理論家たちが進化論を評する「Unguided, Undirected, Unplanned, Purposeless」と同じになる。

    しかし、インテリジェントデザイン理論家たちは、デザインの導入により「Guided, Directed, Purposeful」になると主張しているので、すくなくとも、"Blind Desinger"ではないという前提をおいていることは間違いない。

    すなわち、デザイナーの属性はインテリジェントデザイン理論の範囲外である[ie. IDEA FAQ:Who designed the designer?]とされているにもかかわらず、実際には属性に踏み込んでいることになる。しかも根拠なく。




    タグ:id理論
  • posted by Kumicit at 2007/01/15 09:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | Skeptic | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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