2007/01/08

Youtubeでネズミ捕り分解を語るproudfootz

John H. McDonaldのネズミ捕り分解を語っている動画があった:




わりと明瞭な英語なので、聞いてみるのはいかが?



ちなみにネズミ捕りなインテリジェントデザインとは

インテリジェントデザイン"理論"の実体はほとんど存在しない。わずかに形を持っているのは"還元不可能な複雑さ"(Irreducible Complexity)[ie. IDEA FAQ:Irreducible Complexity]と「説明フィルタ(Explanatory Filter)=自然法則でも偶然でも説明がつかなくて、意味ありげなものはデザインだ」[ie. IDEA FAQ: How do we Detect Design?]くらいである。

真正直な"God of the gaps"論である説明フィルタは自爆と言ってよい。なので、インテリジェントデザイン側も、主として、婉曲的な"God of the gaps"論である(進化論の検証手段であって、デザインを検証しない)還元不可能な複雑さを押し立てていることが多い。

さて、この還元不可能な複雑さの論には、ネズミ捕りの比喩が含まれる。ただし、わかりやすさのための手段ではなく、理論の一部としてだ:
The Lehigh University biochemist Michael Behe disagrees. In Darwin’s Black Box (1996), Behe presents a powerful argument for actual design in the cell. Central to his argument is his notion of irreducible complexity. A system is irreducibly complex if it consists of several interrelated parts so that removing even one part completely destroys the system’s function. As an example of irreducible complexity Behe offers the standard mousetrap. A mousetrap consists of a platform, a hammer, a spring, a catch, and a holding bar. Remove any one of these five components, and it is impossible to construct a functional mousetrap.

"Darwin's Black Box(1996)"で、Beheは細胞の中の実際のデザインについて強力な議論を提示している。彼の論点は彼の言うところの還元不可能な複雑さだ。もし、あるシステムが複数の連携した部品で構成され、そのひとつでも取り去れば、機能を失うのであれば、そのシステムは還元不可能な複雑さを持つ。還元不可能な複雑さの例として、Beheは標準的なネズミ捕りを挙げている。ネズミ捕りはプラットホーム、ハンマー、スプリング、キャッチ、および把持バーから成る。 これらの5つの部品のどれかひとつを取り除いてみよう。そうすると、機能するネズミ捕りを組み立てられなくなる。

[William A. Dembski: Science and Design, 1998]
そこで、感不可能な複雑さをめぐる戦いは、Matzke[2003]のような鞭毛の進化経路提示のような正面攻撃とともに、ネズミ捕り分解方法をめぐる論争という2面を持つことになる。

このうち、ネズミ捕り分解についてはJohn H. McDonaldが針金1本から始まる見事な"進化経路"を提示している:
It is not my purpose here to point out all of the philosophical flaws in Behe's argument; this has been done thoroughly in many of the resources collected on John Catalano's excellent web page. Instead, I wish to point out that the mousetrap that Behe uses as an analogy CAN be reduced in complexity and still function as a mousetrap.
ここでは、Beheの論の哲学的誤りのすべてを指摘しようとは思わない。その代わりに、私はBeheがアナロジーに使うネズミ捕りが、分解してもネズミ捕りとして機能することを示す。

The mousetrap illustrates one of the fundamental flaws in the intelligent design argument: the fact that one person can't imagine something doesn't mean it is impossible, it may just mean that the person has a limited imagination.
ネズミ捕りは、インテリジェントデザイン論の本質的誤りを示してみせるものだ。すなわち、それがイメージできないという事実は、それが不可能だと意味せず、想像力の欠如を意味するだけだと。

[John H. McDonald: A reducibly complex mousetrap]
この経路そのものは、もちろん架空のものだ。還元不可能というBeheの主張が誤りであることを示すための例である。

タグ:id理論 YouTube
posted by Kumicit at 2007/01/08 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Skeptic | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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