[The Lancet Vol 127 No 3277 Jun 19, 1886, p.1175 "CAN IMAGINATION KILL?"]その後の変種群は以下の通り:
The writer of the article in our contemporary, we think wrongly, brings forward two remarkable instances of what may be regarded as practical jokes with melancholy terminations. In the case of the convict delivered up to the scientist for the purpose of a psychological experiment (the man was strapped to a table and blindfolded, ostensibly to he bled to death; a syphon containing water was placed near his head, and the fluid was allowed to trickle audibly into a vessel below it, at the same time that a trifling , scratch with a needle was inflicted on the culprit'a neck ; it is said that death occurred at the end of six minutes), fear must have played no inconsiderable share in the fatal result, and we do not knew whether all the vital organs were in sound condition, though they were presumably so.
現代に生きる、この記事の筆者は、我々が誤って考える、実用的なジョークとみなされる、2つの悲しい結末を提示しよう。心理学実験の目的のために科学者のもとへ連れてこられた囚人(台に縛り付けられ、目隠しをされ、表向きは出血死させられることにんっていた。彼の頭の近くに水の入ったサイフォンが配置され、水が音を立てて、下の容器に落ちるようになっていた。同時に、囚人の首に針で些細な傷がつけられた。そして囚人は、6分が経過すると死亡すると告げられた。)致命的な結末において恐怖が少なからぬ役割を果たしたはずだ。囚人のすべての臓器が健全な状態だったかわからないが、おそらくそうだっただろう。
出典 | 人名 | 場所 | 年代 | 針の場所 | 固定場所 | 流出したと信じた量 |
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Lancet (1886) | - | - | - | 首 | 台(table) | - (6分後) |
Flammarion (1900)[F} | - | コペンハーゲン | 1750 | 首 | 台(table) | 7-8リットル |
Flammarion (1900)[E] | - | 英国 | 前世紀 | 首 | 台(table) | 7-8クォート |
フラマリオン 著 ; 大沼十太郎 訳(1924) | - | 英國 | 先世紀 | 首 | テーブル | 六、七升 |
Toledo News Bee (1922) | - | 英国の医科大学 | - | 心臓近くの皮膚 | 手術台 | - |
St. Petersburg Times (1926) | - | フランス(の医師) | 数年前 | 動脈 | 台(table) | - (5分) |
Arthur Brisbane (1930) | - | - | - | 裸足の裏全体 | 椅子 | - |
谷口雅春 (1932) | - | - | 或る時 | 頸部 | 椅子 | 全身の血液の三分の二 |
PHILADELPHIA NEUROLOGICAL SOCIETY (1935) | - | インド(の医学誌) | - | 四肢の先端 | 台(table) | - |
谷口雅春 (1962) | - | - | あるとき | 頸椎 | 椅子 | 全身の血液の三分の二 |
広告屋のネタ帳 (1998) | - | アメリカ | - | - | - | - |
笠巻勝利 (1999) | ブアメード | オランダ | 1883 | 足の親指 | ベッド | 全身の1/3 |
長谷川淳史(2000) | ブアメード | ヨーロッパのある国 | 第2次大戦前 | 足の全指 | ベッド | 全身の10% |
その後、さらに調べてみると、Lancetの記事を引用した2つが見つかった。
[Columbus Medical Journal: A Magazine of Medicine and Surgery, Volume 7, p.214 (1889)]一方、1887年に、Lancetを引用することなく、同じ話に尾ひれを付けた記事が登場している。
自殺が想像によるものだという理論を支持するものとして、英国誌は2つの例を参照している。うち一つは医学系文筆家には、よく知られているものである。ひとつめの例は、実験目的で医学関係者の手に委ねられた死刑囚。彼は目隠しされ、出血死させられると信じ込まされた。彼は静脈に傷をつけられたと思い、傷口から出血するのを感じ、それが下の容器に落ちる音を聴いた。彼は瀉血によるものであるかのように、死亡した。
[Items of Interest, Volume 8, p.361 (1886)]
これを見ると、Lancetに掲載された、憂鬱な結末を迎えた実用的なジョークとみなせるかもしれない2つの例を思い出す。ひとりの死刑囚が心理学実験のために、科学者のところへ連れてこられた。男は台(table)に固定され、目隠しをされ、出血死させられると思い込まされた。水を入れたサイフォンが彼の頭部の側に置かれ、下に置かれた容器に音を立てて水が落ちるようになっていた。同時に、死刑囚の首には、わずかに傷をつけられた。6分後に彼は死亡したと言われる。...
[Chambers's Journal, Volume 64 By William Chambers, Robert Chambers (1887)既に、この時点でナポレオン3世と「フランスの医師」が付け加えられている。また、"some years ago"とは言うものの、実際にはナポレオン3世死後17年後の記事であり、「直近の出来事」ではないという記述をしている。直近だと納得感がないのかもしれない。
数年前、フランス皇帝ナポレオン3世は、あるフランスの医師に死刑囚に対する実験を許可した。死刑囚は医師のところへ連れてこられ、台(table)に固定され、目隠しをされ、出血死させられると思い込まされた。うなだれた頭部の近くに水の容器が置かれ、サイフォンによって、音を立てて下の床に落ちるようになっていた。と同時に、死刑囚の首に鍼で些細な傷がつけられた。完全な静寂が保たれ、6分後に男は死亡した。
で、この「フランスの医師」だが、その後に登場するのは1926年のSt. Petersburg Timesの記事。ただし、ナポレオン3世は登場しない。St. Petersburg Timesが独自に同じネタを思いついたのかもしれず、パクったのかもしれずというところ。
ということで、いまだ、「ブアメードの血」は1886年のLancetより過去には遡れず、具体的な年代や場所も不明確なまま。
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