2007/01/22

酒石酸とグリセリンと猿のリナージュ (7/7) とりとめない

Dr. Rupert SheldrakeのMorphic fieldは万能理論である。
The Hypothesis of Formative Causation states that the forms of self-organizing systems are shaped by morphic fields. Morphic fields organize atoms, molecules, crystals, organelles, cells, tissues, organs, organisms, societies, ecosystems, planetary systems, solar systems, galaxies. In other words, they organize systems at all levels of complexity, and are the basis for the wholeness that we observe in nature, which is more than the sum of the parts.

Formative Causation(形成因果律)仮説は、自己組織化する形態はMorphic fieldによって形成されると主張する。Morphic fieldは原子、分子、結晶、細胞器官、細胞、生物の組織、生物の器官、生物、社会、生態系、惑星環境、太陽系、銀河を組織する。言い換えるなら、Morphic fieldは複雑さのあらゆるレベルでシステムを組織化し、我々が、部分の総和以上のものである自然界で観測するものすべての基礎である。

According to the Hypothesis of Formative Causation, morphic fields also contain an inherent memory given by the process of morphic resonance, whereby each kind of thing has a collective memory. For example, crystals of a given kind are influenced by all past crystals of that kind, date palms by past date palms, giraffes by past giraffes, etc. In the human realm this is similar to Jung's theory of the collective unconscious.

Formative Causation仮説によれば、Morphic fieldはMorphic resonanceの過程によって与えられる固有の記憶を持っている。そして、ものは種類ごとに集合記憶がある。たとえば、所与の結晶は同種の過去の結晶の、ナツメヤシは過去のナツメヤシの、キリンは過去のキリンの影響を受ける。人間の領域では、これはユングの理論の集合的無意識と似ている。

http://www.sheldrake.org/Resources/faq/answers.html#MorphicFields
自然界の現象をすべて説明してくれる。だからこそ、その主張内容は「宇宙にあるすべてのものが、実際に、あるいは潜在的に見えない糸でつながれたように、相互につながっている」という呪術思考と違わない。

そして、自然法則によって説明される現象には出番がなく、直接計測する方法もないので、実証方法は、"Intercessory Prayer"実験と同様のものになる。したがって、二重盲検などがちゃんと守られた実験でなければ、何も証明できない。それらしい現象例を並べ立てても、まったく意味をなさない。

テレビ隠し絵実験[6/7]や「じとっと見つめる実験」をめぐる応酬(Marks and Colwell[2000/09]と、Sheldrake [2001/03]と、Robert Baker [2000/03, 2001/03])など、超自然を持ち込むだけの根拠は示せていない。


もし、Dr. Rupert SheldrakeのMorphic fieldやFormative Causation仮説が正しいと思うなら、Lyall Watsonによる捏造であるグリセリンの結晶化[3/7]や百匹目の猿現象[4/7]や、船井・喰代バージョン百匹目の猿現象[5/7]などを、例として挙げることはないはずだ。証明できていない仮説に、捏造証拠を持ち出したら、それで終わりだからだ。

しかし、ネット上にはグリセンリンの結晶化や百匹目の猿(あるいは"100匹目のサル", "101匹目のサル", "百番目のサル")とSheldrakeの仮説をいっしょに語る例は多い。しかも、それらの言説はLyall Watsonや船井・喰代バージョンのいずれでもなく、変形していたりする[3/7,4/7,5/7]。捏造陣地再構築な船井・喰代バージョンの本も読んでいないか、読んだとしても、うろ覚え。Dr. Rupert Sheldrakeの著作や主張も見たこともない。そんな変種たちだ。

google検索してもトップに出てくるのは批判ページ(2007/01/22現在)だから、変種群のテキストを書いた人々はおそらくググってもいないのだろう。その程度の手間もかけていないテキストたち。それらは「グリセリンの結晶化と百匹目の猿と、それを説明するシェルドレイクの仮説」という都市伝説を、ほんの数十分か数時間で消費し忘却した後の残骸かもしれない。

posted by Kumicit at 2007/01/22 08:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | Hundredth Monkey | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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